溜息をもそそくさと切り上げて
足早に鼠色染みた階段を駆け降りる
短針と長針からの解放が許されると
僕はそこへと繰り出すのさ
少しだけこの闇に期待を寄せる
何があるわけでも無いのにな
会釈する相手もいないのにさ
サーモスタットと漆黒が肩寄せるこの世界
器用な人達も不器用な人達も
日差し照りつけるその下に所在置く
ラッシュの頃よりも賑やかで大声
風や匂いは趣を変えて
欲望の群れの横通り過ぎる
めいっぱい首を伸ばして伸ばして
その先にあるスターサインを眺めたら
無数の優しさが混沌をかき消してくれる
時に大粒の涙を流し憂う事もあるけれど
苛立ちの怒号を浴びせられる事もあるけれど
たったひとつの純真さで平等に僕等を見つめてる
不思議だなぁ此処って場所は
計り知れない何かの魔法
それはドーナツの上降り注ぐシュガー
散りばめ飾られたチョコスプレー
けれど誰かにゃハニートラップ
分からないぜ、ある日は分かるぜ
分かりあえないカップルの痛み
まかり通れない危険な掟
化かし合いとすれ違いのモーテル
そして今日の僕、又も片づける
無理やりに投げやりに済ませちゃう
全てはそこへ向かう為
無礼講とマナーの織り成す中で
何かを求めて泡を飲み干す
本当にクエスチョンなトイズワールド