>おまえが慕う、唯一の者。風間千景だ。

ひろ。
目が覚めて、一番に俺からの文を読む気分はどうだ?

今日は、おまえが生まれた日だろう。
この俺が、そんな日を忘れるとでも思っていたか?
……ふ。俺に祝われる喜びに酔いしれるがいい。

この文を書く前に、おまえの部屋を訪れたが……おまえはまだ眠っていたな。
特に用があったわけではない。少し話をしようと思っただけだ。気にするな。

それに、おかげでおまえの寝顔をじっくりと眺めることができた。
俺が間近にいるとも気付かず、おまえは熟睡していたな。
それとも……俺がいるとわかっていたからこそ、安心しきっていたのか?
どのみち、おまえには警戒心というものが足らぬ。

……どうした? もしや、俺がおまえが眠っている隙に唇でも奪ったと思っているのか?

そのような無粋な真似を、俺がするはずないだろう。
おまえの反応がないときに、そのようなことしてもつまらんからな。

……心配しなくても、目覚めているときであれば、口付けでもそれ以上のことでも……いくらでもしてやる。
俺とおまえは、既に夫婦なのだからな。

ひろ。
生まれ出づり、この俺の目に触れたことを感謝しろ。
そして……この俺を愛することのできる幸福を、噛み締めていろ。

風間 千景