トンカツの表面に付着していた虫
コバエのような異物
こんにちは、異物検査員です。
最近、コバエを捕まえる商品が発売されましたね。
置くだけ簡単、捕えたコバエを逃がさない!コバエがホイホイ
楽天で調べてみたところ在庫無し、在庫無し、在庫無し・・・。 おお! 大人気商品!?
商品レビューを読むと、匂いはフルーツ系で気にならないそうだし、
見た目も可愛くてハエとりグッズには思えないということで、かなり良さそうな感じです。
コバエにお悩みの皆様、ぜひどうぞ~。
というわけで、今回は コバエのような異物 の紹介です。
異物の写真
← トンカツの表面に付着していた虫のようなもの。
茶色い部分がトンカツの衣で、黒っぽいものが異物です。
大きさは約2mmとかなり小さいもので、確かに虫のようです。
← 拡大写真。 虫ですねぇ。 触覚はムチ状をしています。
コバエの同定
コバエのような 双翅目(ハエ目) には、翅が2枚しかありません。
でも、その代わりといってはなんですが、翅の近くに平均根という器官があります。
平均根とは翅の下についているマッチ棒のような形をしたもので、後翅が退化・変形したものです。
異物に送られてくる虫は翅が切れていたり無くなっていたりするものが多いのですが、
平均根の有無を調べると、その虫が双翅目かどうかがはっきりとします。
双翅目と分かったら、触覚とか毛の配列とか、頭部・胸部・腹部の特徴などを細かく見ていきますが、
もっとも大きな違いは、翅の線!
ちなみに、翅の線のことを、翅脈って言います。
← 異物の翅を広げたところ。
双翅目の成虫は、翅に特徴があることが多くて分類に役に立つので、
翅のスジ1本1本に名前が付いています。
この虫だと、
・ 翅のRs脈は2分しない。
・ 翅の前縁脈はR4+5脈の末端で終わる。
とか。。。
上記文章でいうところの Rs脈 とか R4+5脈 というのが翅のスジについている名前。
その他にもC脈とかM脈とか、色々ありますが、
細かいところは専門家が知っておけば良いことなので割愛します。
そのようにして、顕微鏡で拡大して翅の線 (翅脈) がどういう特徴をしているのかを観察し、
その上で触覚やその他の情報も含めて総合的に判断して、虫の種類を徐々に特定していくんですが、
今回の虫はやっぱり・・・クロバネキノコバエ。
ほんと多いなぁ・・・クロバネキノコバエ。
(→クロバネキノコバエについてはここのページのマメ知識を参照してくださいね。)
こんなに多いのに、あんまり有名じゃないのは何故なんだろう。 ・・・不思議だ。
クロバネキノコバエはいつ付着した?
さて、次に問題になるのは、この虫がトンカツにいつ付着したのか、ということです。
見た目、虫が揚げられている様子は無いので、多分加熱後に付着したんだとは思うんですが、
それを確認する為に カタラーゼ試験 を行いました。(→カタラーゼ試験についてはコチラを見てくださいね)
← カタラーゼ試験結果。 勢いよく気泡が発生しました。
気泡が発生したということは、酵素が変性してないってことだから、非加熱と推測されます。
おそらく、トンカツがある程度冷えてから、表面にペトっとくっ付いちゃったものなんでしょうね。
さすがに季節ですね~。 コバエがブンブン飛んでいるようです。
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★マメ知識★
コバエは網戸の目からも入ってきます
「網戸を閉めているのに、部屋の中にコバエが入ってきて困るなぁ~ 網戸に隙間があるのかな?」
と思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、コバエは網戸の目からも入ってきます。
コバエは横から見ると2~3mmの大きさなので、網戸からは入れなさそうに見えるんですけど、
真正面から見るととっても小さいんです。
つまり、ネコが小さな隙間を潜っていけるように、虫も網戸の目を潜っていけるんです。
だから、コバエでお困りの方は、網戸に虫よけスプレーなどを巻いておくのは効果的です。
でも、スプレーしすぎると臭いがきつくて気分が悪くなったり、健康被害の原因になることもあるので、臭いが薄いものや体に優しいものを使ってくださいね。
最近は網戸用の防虫スプレーにも色んな商品があるようです。
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