チャタテムシの発生温度など | 異物検査員のブログ

チャタテムシの発生温度など

チャタテムシの文献調査

こんにちは、異物検査員です。

チャタテムシについては以前にも書きました が、今回は文献調査のお話です。


 ← 有翅のチャタテムシの横顔。

 ← こっちはヒラタチャタテの顔。 これで同じ種類なんだから、ちょっと不思議・・・


異物検査員は、昆虫同定のお仕事が好きです。
特にハエ目に属する飛翔昆虫の同定。
それも、食品の中なんかに入っててぐちゃぐちゃになっているコバエ類の同定には燃えます。
顕微鏡と針を使って、翅を広げる作業をしているときの緊張感がたまらないんですよ・・・。(笑)

そんな感じで、社内では昆虫の目・科までは調査できるのですけれど、それ以上となると、できる場合とできない場合があります。例えば、日本に文献が無いもの、もしくは文献が充実していないもの、海外種などについては、ある程度までしか同定できないことも。

そこで、お客様のご要望に応じて、昆虫学の専門家の力をお借りすることがあります。

また、それに伴い、詳しい文献調査なども行っています。

文献調査は、専門家の先生が文献を持っていらっしゃる場合では早く結果が出ますが、
該当する文献が先生方の手元にない場合については、異物検査員をはじめとする職員全員で文献を探します。



さてさて、本題。

今月は屋内性チャタテムシの調査が重なっているんです・・・が、チャタテムシの文献が少ない!
先生方にも調べていただいたり、それこそチャタテムシの研究者に問い合わせていただいたりと色々と手を尽くしたのですが、チャタテムシ類の文献数 (特に生態に関するもの) はとても少ないことがわかったんです。

害虫関係の書籍とか、県や市の害虫情報サイトとか、害虫会社のホームページに書かれている内容とか、
そういう類のものはいくつか見つけたんです・・・でも・・・。
最低限発生するのに必要な温度、湿度、酸素濃度、などなど。
そういう条件を見つける為に、細かい設定で実験したものが見つからないんです。

もちろん、邦文だけじゃなくて、海外の論文もあたってみたんですけどね、
なかなかいい論文が見つからなくて、ほとほと参りました。
チャタテムシ類って全世界に分布しているし、家屋害虫としても有名なのに・・・。
こんなに文献が少ないだなんて・・・。



でも、異物検査員はねばりました!
ねばってねばってねばって調査した結果!

ヒラタチャタテの発生・生存・産卵について、
細かい温度設定で調べたもの&酸素濃度の影響についての
文献を、ようやく見つけました!


ヒラタチャタテの低温発生閾値、高温発生閾値、各温度における卵から成虫までの生存率など、
より詳しい情報をお求めの方は、どうぞ本家サイトからお問合せください。


尚、湿度や水分量についての詳しい情報についてはいまだ発見できていません・・・。
ヒラタチャタテ以外のチャタテムシ類についても同様で、現在も尚、チャタテムシの調査中です。




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★マメ知識★

チャタテムシ類 その2

体の色はくすんだ褐色で、体は軟らかい微小昆虫です。非常に小さいので、よくダニに間違われます。
多くは卵を産みますが、少数の種類では幼虫を産むものもいます。不完全変態で、幼虫の齢期は5齢です。
その多くが野外性で、土壌から樹冠にいたる地上部に生息し、藻類、コケ、キノコの胞子などを食べています。その他に、花粉や植物組織を食べる種類もいます。
屋内害虫として知られる種類は日本で約10種ですが、形態的に類似しているため、同定には専門的な知識を必要とします。


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