◇日々雑感「今年のジャイアンツを、こよなく愛します」
「今年のジャイアンツは違うぞ!」と云う言説を、頻りに目にするストーブ・リーグの頃の筆者は、今年からメガホンを取る阿部慎之助監督に肖り、一年限定で良いから、俄ジャイアンツ好きを演じて見ようと決心しました。そして、桜満開の卯月に開幕戦が始まりました。
あれから3ヶ月が経つも、筆者のスタンスに変わりはありません。今でも俄ジャイアンツ・ファンを演じています。今夜は対広島戦。
接点として、ひたすらラジオを清聴している筆者。たまにテレビで巨人戦を見ると、菅野智之投手の実に変則的な投法と制球力に驚きます。女房役の小林捕手も絶妙の配球を示しています。
このスガコバコンビは、今年の台風の目ともなるでしょう。それにしても、何より投手陣の充実が窺える今年のジャイアンツ。先発陣の戸郷氏に山崎伊織氏、そしてグリフィン投手とエース格が犇めいています。
中継ぎから抑えへの投手陣の引き継ぎにも、阿部采配の妙が表れて、観ていて実にスマートな試合運びが、今年の身上かと考えます。
そして問題は打線。貧打多い今年の目玉は、岡本選手と坂本選手のモトモトコンビでしたが、今では坂本選手が故障者リストに入り、そのカバーを丸選手や吉川選手、そして新外国人のヘルナンデス選手の強打者が揃いました。
然し、ここ一番で打てないのが難点。阿部監督も毎戦打順を変える苦労が功を奏するときもあれば、裏目に出るときもあります。何よりも、代打で打てるスラッガーの育成に励んで欲しいのです。
ベテラン長野選手や育成から伸し上がった立岡選手や若林選手など、その進化は認めて良いでしょう。が、突破者(トッパモノ)めいた選手を欠くのも、所謂平均化した読売巨人軍の、それは短所であり、ある意味利点でもあるでしょう。
以上が、今年前半戦の我がジャイアンツ観であります。素人で恐縮ですが、あとは、チャンスを活かす即戦力のある対応ができる選手を育てるのも、阿部慎之助新監督の今年の課題でしょう。
あの偉大なる川上哲治監督率いる巨人軍栄光の日本シリーズ9連覇の頃、筆者は大阪府に住んでいました。故に、アンチ・ジャイアンツを標榜していたのも事実。でも所謂、トラ吉に加担はしませんでした。
セ・リーグは、何故か中日ドラゴンズ派。そのときのエースが、サウスポーでは珍しいアンダー・スローの小川投手。彼と木俣捕手のバッテリーの一種の軽みは、セ・リーグの他球団にはない、まさにドラゴンズ印でした。
そこに、谷沢選手や星野投手が加わり、まさに充溢のときを迎えたブルーのアンダー・シャツが一際目立つ、中日ドラゴンズの勇姿は筆者をして、プロ野球と云うチームプレーと個人プレーの両義性を孕むスポーツの虜とさせました。
そして今、過ぎし時のおよそ半世紀となった筆者には、この読売巨人軍の、今夜の試合のハイライトの一つともなる岡本選手の逆転スリーランに遭遇しました。さすが四番打者の仕事を見事こなした彼に、感謝を込めて拍手を送りたい。今夜も我が巨人軍に、追い風が吹いてきたか!
実はこの依怙贔屓こそ、プロ野球の醍醐味でもあるのです。好きなチームが勝てば全て良しと云う感慨が湧くのも、プロ野球を見る、或いは聞くことの快楽に結びつく。そんな生活の一部なのです。
海の向こうでは、怪物・大谷翔平選手らがメジャー・リーグで大活躍しています。然し、日本のプロ野球界がメジャー・リーグの育成集団とは決して言わせぬ面白さを、満喫できる幸福を分かち合うのが、メディアとの長い付き合い方でしょう。
この一年こそを、我が人生最良の年とするためにも、読売巨人軍は全力を尽くしてセ・リーグ優勝、そして日本一を狙って下さい。今年のジャイアンツを、こよなく愛します。これは筆者のささやかな弁明にも等しい、願いではあります。
(了)
あれから3ヶ月が経つも、筆者のスタンスに変わりはありません。今でも俄ジャイアンツ・ファンを演じています。今夜は対広島戦。
接点として、ひたすらラジオを清聴している筆者。たまにテレビで巨人戦を見ると、菅野智之投手の実に変則的な投法と制球力に驚きます。女房役の小林捕手も絶妙の配球を示しています。
このスガコバコンビは、今年の台風の目ともなるでしょう。それにしても、何より投手陣の充実が窺える今年のジャイアンツ。先発陣の戸郷氏に山崎伊織氏、そしてグリフィン投手とエース格が犇めいています。
中継ぎから抑えへの投手陣の引き継ぎにも、阿部采配の妙が表れて、観ていて実にスマートな試合運びが、今年の身上かと考えます。
そして問題は打線。貧打多い今年の目玉は、岡本選手と坂本選手のモトモトコンビでしたが、今では坂本選手が故障者リストに入り、そのカバーを丸選手や吉川選手、そして新外国人のヘルナンデス選手の強打者が揃いました。
然し、ここ一番で打てないのが難点。阿部監督も毎戦打順を変える苦労が功を奏するときもあれば、裏目に出るときもあります。何よりも、代打で打てるスラッガーの育成に励んで欲しいのです。
ベテラン長野選手や育成から伸し上がった立岡選手や若林選手など、その進化は認めて良いでしょう。が、突破者(トッパモノ)めいた選手を欠くのも、所謂平均化した読売巨人軍の、それは短所であり、ある意味利点でもあるでしょう。
以上が、今年前半戦の我がジャイアンツ観であります。素人で恐縮ですが、あとは、チャンスを活かす即戦力のある対応ができる選手を育てるのも、阿部慎之助新監督の今年の課題でしょう。
あの偉大なる川上哲治監督率いる巨人軍栄光の日本シリーズ9連覇の頃、筆者は大阪府に住んでいました。故に、アンチ・ジャイアンツを標榜していたのも事実。でも所謂、トラ吉に加担はしませんでした。
セ・リーグは、何故か中日ドラゴンズ派。そのときのエースが、サウスポーでは珍しいアンダー・スローの小川投手。彼と木俣捕手のバッテリーの一種の軽みは、セ・リーグの他球団にはない、まさにドラゴンズ印でした。
そこに、谷沢選手や星野投手が加わり、まさに充溢のときを迎えたブルーのアンダー・シャツが一際目立つ、中日ドラゴンズの勇姿は筆者をして、プロ野球と云うチームプレーと個人プレーの両義性を孕むスポーツの虜とさせました。
そして今、過ぎし時のおよそ半世紀となった筆者には、この読売巨人軍の、今夜の試合のハイライトの一つともなる岡本選手の逆転スリーランに遭遇しました。さすが四番打者の仕事を見事こなした彼に、感謝を込めて拍手を送りたい。今夜も我が巨人軍に、追い風が吹いてきたか!
実はこの依怙贔屓こそ、プロ野球の醍醐味でもあるのです。好きなチームが勝てば全て良しと云う感慨が湧くのも、プロ野球を見る、或いは聞くことの快楽に結びつく。そんな生活の一部なのです。
海の向こうでは、怪物・大谷翔平選手らがメジャー・リーグで大活躍しています。然し、日本のプロ野球界がメジャー・リーグの育成集団とは決して言わせぬ面白さを、満喫できる幸福を分かち合うのが、メディアとの長い付き合い方でしょう。
この一年こそを、我が人生最良の年とするためにも、読売巨人軍は全力を尽くしてセ・リーグ優勝、そして日本一を狙って下さい。今年のジャイアンツを、こよなく愛します。これは筆者のささやかな弁明にも等しい、願いではあります。
(了)