「高さに直すともうすぐ富士山頂上!」との快哉が聞こえてきそうな、この四人の我孫子市サイクリング愛好会。いずれも高齢のお年寄りに近い方々だが、今回は西日本走破を目指し九州へ。然し理不尽にも出発1ヶ月前、熊本地震発生。ルート短縮。神社で、地震被害者へ鎮魂の祈りを捧ぐ。
   九州縦断は、アップダウンの多いコース。これを完遂すれば、およそ3740キロの日本縦断の夢が叶う。この震災地巡礼とも謂える九州縦断こそ、車とは違うツーリングの醍醐味が味わえよう。
   私事で恐縮だが、現在故あって自転車には乗れない。実は学生時代、関西にある河内長野サイクリング会場でギア付きの自転車を滑走させていたマニアだった。当事、ショーケン主演のテレビ・ドラマ『祭囃子が聞こえる』を観て、地方回りの競輪選手を夢見た記憶あり。
   大学時代は、中国は長安を模した平安の土地・京都を縦横無尽に走り廻った経験から即して謂えば、「昔とった杵柄」とばかりサイクリング車購入し、映画『イージー・ライダー』のチャリンコ版とばかり被災地につい色目をつかいたくなる。
   「好奇心こそ、ボケない秘訣」とばかりの、この四人の今後の活躍が望まれる。名刺持参で現地の人々とも交流しつつ、早期の復興を信じて今日も走り続ける。「人間幾つになっても夢を信じ、若さを誇示する事こそが大切!」という言説を、この四人は抱き続け体現している。
   その意気込みを鑑み、そんな四人を影ながら応援しつつ、次は「高さに直すと世界最高峰・チョモランマ頂上まで!」を目標に
「走れ走れ!    千葉県サイクリング部隊よ、人生はロード・ムービーだ!」
(了)