「超・ホワイトクリスマス」 《読みきりショート・ショート》
東京発信のメディア(特にテレビ)を見ていると
「ホワイトクリスマスはロマンティック」という根拠のない空気が漂っているようであるが、ここ北海道は、ほぼ毎年ホワイトクリスマスだ。
特に今年はわが倶知安(くっちゃん=羊蹄山の山ろくにある小都市)は豪雪。歩行もままならない状況の「超・ホワイトクリスマス」である。
ぼくは酪農家の一人息子。母はすでに他界し、老父と二人暮しである。
このあたりの酪農家はどこも嫁不足だが、ぼくも例外ではなく、いまだに結婚できないのだ。
老父は長年の重労働のつけがきたのか、最近はよぼよぼで自力での歩行もままならない。
この聖夜に、ぼくは往年の感謝をこめて“逆縁サンタクロース”となり、父の枕元にプレゼントを置くことにした。
札幌に出かけたついでに買ってきた舶来(輸入品)の高級タバコと高級ライターだ。
クリスマス・イブも日付が変わって午前零時ころ、父の部屋の枕元にプレゼントを置いてきた。
朝。ブザーが鳴った。よぼよぼの父は、起床時には枕もとのブザーを鳴らして、ぼくを呼ぶのだ。
父の部屋に行った。すでに父はクリスマス・プレゼントの包みを破って、中身を取り出していた。
「最近のサンタは、子供ではなく、年寄りのところにプレゼントを持ってくるのか」
「北海道は子供の数が減って、入れ替わりに年寄りばっかりになったので、サンタは年寄りにもプレゼントするようになったんだよ」
前歯が何本も抜けた歯茎を見せながら父は笑った。
ぼくは、ほのぼのとした幸福を感じた。
来年も再来年も、老父と一緒にクリスマスを迎えることができたらいいな、と、とても強く思ったぼくであった。
「ホワイトクリスマスはロマンティック」という根拠のない空気が漂っているようであるが、ここ北海道は、ほぼ毎年ホワイトクリスマスだ。
特に今年はわが倶知安(くっちゃん=羊蹄山の山ろくにある小都市)は豪雪。歩行もままならない状況の「超・ホワイトクリスマス」である。
ぼくは酪農家の一人息子。母はすでに他界し、老父と二人暮しである。
このあたりの酪農家はどこも嫁不足だが、ぼくも例外ではなく、いまだに結婚できないのだ。
老父は長年の重労働のつけがきたのか、最近はよぼよぼで自力での歩行もままならない。
この聖夜に、ぼくは往年の感謝をこめて“逆縁サンタクロース”となり、父の枕元にプレゼントを置くことにした。
札幌に出かけたついでに買ってきた舶来(輸入品)の高級タバコと高級ライターだ。
クリスマス・イブも日付が変わって午前零時ころ、父の部屋の枕元にプレゼントを置いてきた。
朝。ブザーが鳴った。よぼよぼの父は、起床時には枕もとのブザーを鳴らして、ぼくを呼ぶのだ。
父の部屋に行った。すでに父はクリスマス・プレゼントの包みを破って、中身を取り出していた。
「最近のサンタは、子供ではなく、年寄りのところにプレゼントを持ってくるのか」
「北海道は子供の数が減って、入れ替わりに年寄りばっかりになったので、サンタは年寄りにもプレゼントするようになったんだよ」
前歯が何本も抜けた歯茎を見せながら父は笑った。
ぼくは、ほのぼのとした幸福を感じた。
来年も再来年も、老父と一緒にクリスマスを迎えることができたらいいな、と、とても強く思ったぼくであった。