気管切開と胃ろうの手術から丸7年以上が経ちました。
日頃メッセージをいただく中で、NICUに入院中の手術等に悩むご家族からのメッセージが多く、お返事の中だけでは伝えきれない当時の気持ちを残しておきたいと前々から思っていました。
気管切開と胃ろうの同時オペをしたのは、7年前の1月22日で、当時伊吹は生後3ヶ月。
"生後3ヶ月"と聞くと、比較的速い進捗状況だと感じるかもしれませんが、当事者の私達にとっては一日一日がとても長い時間でした。
誰だって手術なんてしたくない。
まだまだ深い混乱と悲しみのさ中、何が正解なのか分からず、毎日気持ちは大きく揺れ動きました。
涙が枯れるくらい精神的にボロボロになるまで悩み抜き、最終的に手術の同意書にサインをした理由は、伊吹本人の負担を減らすため。
挿管状態の苦しさから一刻でも早く解放してあげたくて、気管切開を
NGチューブ(鼻から胃に挿入するチューブ)の交換を無くすために、胃ろう造設を
それぞれ同意しました。
(当時涙を流すはずがなかった伊吹が、NGチューブの交換のたびに大粒の涙を流す姿を見て、心が抉られる思いで決心をしました)
挿管状態のまま退院することはもちろん出来ないので、気管切開は家に帰るために避けては通れない道でもありました。
そして、呼吸器離脱の可能性がゼロだった為、抜管トライを待つことはなく、その辺りの猶予を考慮する必要が無かったことも大きいかな。
気管切開と胃ろうの同時オペだった理由は、全身麻酔のデメリットを含む伊吹の身体への負担を最小限にするため。主治医の強い勧めでした。
まだ手術の決断が出来ていなかった時に、主治医との面談の中で泣きながら訊いたことがあります。
「もしも先生のお子さんが同じような状態だったら、手術をされますか?」
『はい、します。』
ハッキリとそして丁寧に返ってきたその言葉を信じて、その場で夫婦で決心し、同意書にサインをしました。
そうは言っても内心はどこかで、先生もそう言うしかないよなぁ…
と少しよぎったのも本音ですが、7年以上が経ち気管切開と胃ろうのことを熟知した今、
あれは紛れもなく先生の本心の「はい」だったと言い切れます。
今、悩んでいるご家族に、手術を勧めようと思う気持ちなんてこれっぽっちもありません。
百人いれば百人正解は違うし、身体の状態や置かれている状況だって違うから。
だけど我が家はあの時あの決断をして本当によかったと思っています。
一つの例として、こういうケースもあるんだなと思ってくれたら幸いです。
7年が経った今でも、我が子愛しさ故に、どうして伊吹なんだろうとふと堂々巡りをすることもあるし
髭男のアポトーシスを聴いて、涙を流す日もあります。
だけど、目の前のことに感謝をしながら建設的に過ごすことが、きっと伊吹にとっての一番の幸せだから、これからもそうして日々を積み重ねていくのみです。
先日、母の還暦祝いをしました。
私達夫婦と妹夫婦から赤いバラを60本。
ばあばが大好きないぶちゃん。
ばあば、還暦おめでとう!
いつまでも元気でいてね。