たった4ヶ月だと思う人もいるかもしれないけど、言葉では表せれないものがぎゅっと詰まった一年の3分の1。
いろんな事がありました。
うれしい事も、楽しい事も。
辛かった事も、悲しかった事も…
どん底に落ちた緊急帝王切開当日の夜。
なぜ、どうしてと受け止めるのが精一杯な現実。
沢山の管に繋がれる意識のない我が子。
いつやってくるか分からない別れに怯え続ける毎日。
どうして伊吹がここにいないんだと布団にもぐり泣き喚いた日。
全く先の見えない明日の不安。
神も仏もいないんだと思ったり、再びすがりついたり。
精神的にも追い詰められ、気が狂う一歩手前だった深夜の搾乳。
動いた動いたと跳ね上がるほど喜んでいたら、それが不随意運動だと知ってしまったこと。
真っ青になっていく伊吹を見て、もうダメなんだと覚悟を決めた時。
言葉を失った脳のMRI結果。
何が一番の伊吹の幸せなのかと、主人と気持ちがぶつかった夜。
街中で当たり前に我が子を抱くママを見て、私は何か特別な事を願っているのかと涙をこらえたこと。
心ない人達の言葉。
想いやり、気にかけ掛けてくれた言葉にさえも、傷ついてしまうこと。
どうしてそんな事に悩んでいるの?と思わず声をあげてしまいそうになるほどの世間とのギャップ。
病院からの電話に怯え、携帯を手放せない毎日。
泣き腫らし決断し、手術室へと見送った朝。
痙攣を抑えるため、薬の種類と量が少しずつ増えていくこと。
伊吹の調子が優れず、代わってあげられない悔しさに泣きながら帰った病院の帰り道。
遠くない未来にいつか必ず来てしまうだろうその日…
70分の心拍停止を乗り越え、またこちらの世界に伊吹が戻ってきてくれたこと。
姿を見て手に触れた瞬間、一瞬で目覚めた母性。
必死に生きようとする伊吹。
1日、2日、そして3日と、朝を迎えられたこと。
パンパンに体が膨れ上がり、もうダメなのかもしれないと諦めかけていた時に、奇跡的に出たおしっこ。
胎便が出たこと。
母乳が出ることを知り、伊吹にしてあげられる唯一の事だと、心の支えとなった搾乳。
生後8日目、自分には無縁なんだと、願ってもなかったカンガルーケアが出来て、感じる重さと温かさに止まらなかった涙。
寄り添い、懸命に支えてくれる家族の有り難み。
初めて抱っこ出来た日。
初めてオムツを変えれた日。
点滴が抜け、裸ん坊から病院の産着を着れるようになった日。
頭のシャンプーのあわあわが可愛くて、心なしか気持ちよさそうにしていた伊吹。
それまでは保育器の小さな穴からしか触れられなかったのに、フタが開き、大きな保育器に変わり、今ではベッドに寝ていること。
世の中にはこんな思いをしている人達がいるんだと、少なからず広がった自分の世界や価値観。
日に日に増えていく伊吹の消化量。
可愛くて、愛おしくて、流れた涙。
気づけば流す涙の種類が変わっていることに気づいたこと。
退院出来るかもしれないと言われ、やっと見えた希望の光。
いろんな不安や葛藤を乗り越え、決意した在宅の覚悟。
伊吹を迎え入れるため、予定を早めたマイホーム。
泣いて迎える事のできた一ヶ月記念日。
うっすらと目を開けた日。
祈り、無事に成功した水頭症の手術。
どんどん乗り越えていく伊吹。
どんどん強くなっていく自分。
サンタさんがやってきた初めてのクリスマスイブ。
支えてくれる友達が、こんなにいたんだと気付かされたこと。
また一つ大きな大きな山を乗り越えた、気管切開と胃ろう造設。
初めて見る何の管もついていない我が子の可愛い素顔に、うれしくてうれしくて旦那とジャンプをしながら肩をぶつけ合って歩いて帰った駐車場。
初めて選んだ絵本。
生後二ヶ月、国内でも異例の速さで交付された1級の手帳。
いつも現像をお願いする、病院のすぐ側のカメラ屋さんのおじさんから伝わってくる温かい気持ち。
初めてお口をモゾモゾ動かした日。
来月のスケジュール表に、○ヶ月記念日と怖がらずに書き込めるようになったこと。
可哀想 から 可愛い へと前向きに変化していく家族や周りの気持ち。
誰にも分からないように、頬っぺたにチューした日。
少しずつ減ってきていたはずなのに、止まらない母性のせいかまた増えだしてきた母乳の搾乳量。
うれしくて全然眠れなかったお洋服記念日の前日。
毎日の手技練習と医療ケアへの知識に、次第についてくる自信。
まだまだ全部書ききれないけど、辛かったこと、悲しかったことの100倍、うれしいこと、幸せなことがありました。
きっとこれからもいろんな事があるけど、うれしいこと、幸せなこと、沢山沢山待っているはず。
伊吹がただ側に居てくれるだけで、どんな事も乗り越えていける気がします。
いぶちゃん、まだまだこれからだよ。
沢山の幸せな時間を過ごそうね。
毎日毎日だいすきだよ。