月経随伴性気胸の記録 | 花たちとの刻  ~ 庭の花・野の花・羽生結弦さん ~

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月経随伴性気胸の古い覚書です。

今年3月にホームページを閉じるまで、たくさんのアクセスがありました。
古い記録なので、ホームパージの削除と共に消してしまえば良いと思っていましたが、こんな病気もあるよという参考にと、ブログ記事に載せておくことにしました。
古すぎて間違っているから載せない方が良いようなら、その旨、コメントをいただければと思います。
よろしくお願いします。

 

以下、10年前にまとめたものをほぼそのまま再掲しました。

 

***********


月経随伴性気胸を発症したのは2002年。
2003年秋以降再発は無く、50歳を過ぎて生理も無くなったのでこの病気については心配無くなりました。
ただ、右胸のつっぱり感はずっと残っており、寒い時期など、気が付くと左手で右の横隔膜辺りを抱え込んでいます。
最近は少しづつ情報が増えてきたようですが、発症当時は、情報が少なく不安で、治療も手探りの状態でした。
同じ病気の方の参考になればと思い、治療中に経過などをまとめてみました。
今は、違った治療方法があるのかもしれません。

 

 INDEX 

1 月経随伴性気胸とは

2 発病まで 

3 入院(1回目)脱気のみ 生理が飛ぶ

4 入院(2回目)胸空鏡手術による横隔膜の部分切除 

5 入院(3回目) 脱気とホルモン注射

6 入院(4回目)開胸手術により横隔膜をメッシュで補強 ホルモン療法

7 入院(5回目)ミノマイシンによる癒着療法 再発

8 入院(6回目)ビシバニールによる癒着療法

9 その後

10 まとめ

 

 

 1 月経随伴性気胸とは
30代、40代に好発し、多くは右側にだけ起こります。
原因は、卵管の子宮内膜症が月経周期に一致して脱落する際に腹腔内に入った空気が、同じく横隔膜に迷入した子宮内膜症の組織が脱落してできた孔から胸腔内に入るためと考えられています。
また、肺自体に子宮内膜症があって月経時に脱落して孔が開き、気胸を起こす場合もあるようです。
症状は、呼吸困難や胸痛です。 経過 なるべく病気の経過のみを分かり易く記したつもりです。素人の体験記です。おかしな点があるかもしれません。

 

2 発病まで

2002年
2月
1ヶ月半程の間に4回生理がある。(因果関係は不明)
この時まで、また、以降も生理不順はない。(24日くらいの周期)
婦人科の病院へかかろうと思った矢先、治まったので、通院していない。

いつ頃かはっきりしないが、別の月に2回
右胸の下(今考えると横隔膜)あたりに強痛があった。
しばらくして治まったので、このときも通院せず。

また、夜中に激しく咳き込んで眠れないこともあった。

2002年10月24日

人間ドックを受診 (生理1日め)

28日
病院から職場に電話があり、右肺に気胸がみられるとの診断。
自覚症状はないと答えたところ、”自然に治ってしまう人もありますから、 1週間めにもう一度レントゲンを撮りにいらっしゃい”と言われる。

31日
受診。
症状が進行しており、 フィルムを貸し出し紹介状を書くから、至急自宅近くの医療機関で受診するよう指示される。

 

3  入院(1回目) 9日間・脱気のみ(内科) 

11月1日
自宅近くの病院で受診。
’ トロッカーを入れ、肺から漏れた空気を吸引します、肺が元の大きさに戻り5日くらいで空いた穴が塞がるはずです。
もし、塞がらなかったら手術が必要になります。
では、入院の手続きをします。’
と言われ、あっと言う間に、車椅子で病室へ連れて行かれ、吸引器に繋がれてしまっていました。
これから24時間が大変。
呼吸をしても痛く、痛み止めの性かもしれないが、洗面所で倒れてしまい、壁で額を打ってしまう。
吐き気がして冷や汗は出るし、 散々。

2日
動くたびドレーンの入っている部分が痛み、一晩中眠れなかった。
なんといっても、寝返りをうてないことが辛く、横になったときの自分自身の体の重さを身に染みて実感。

5
少し調子がいいと、今度は時間を持て余してしまう。

9日
退院。

生理が飛ぶ12月は生理が飛び、再発しなかった。
自分では、治ったと思っていた。

 

4 入院(2回目) 17日間・胸空鏡下での横隔膜の部分切除術(内科→外科)

2003年1月20日
1週間くらい前から、息苦しさを感じたていたので、昼休みに職場近くの内科医院で胸のレントゲンを撮ってもらった。
やはり、気胸を再発しており、’今すぐ入院しなさい’との診断。
帰宅し、前回入院した病院へ。
すぐに、トロッカーによる吸引をしてもらい、 2度目の入院となった。

21日
1度目の入院からの退院の際、内科の先生から、” 再発するようなら今度は手術をした方がいいですよ”と言われており、自分でも何度も再発を繰り返すのは辛いと思い、今回は気胸になっていると分かった時点で、 手術をしてもらうことに決め、 先生に伝える。
月経随伴性気胸の場合、ホルモン療法という手もあるが、副作用、再発率の説明等を考慮し、手術をすることにした。

26日
外科の先生から、手術の説明を、夫と共に聞く。
”CT検査では、通常の自然気胸の場合にみられる、肺胞のブラが破れているようすはみられない。肺の下部、横隔膜との境付近に何か有りそうなので、やはり子宮内膜が横隔膜に転移しておこる月経随伴性気胸ではないか”との診断。
28日
手術。
全身麻酔で、胸空鏡を使用し、病室を出てから戻るまで4時間半の手術。
”胸空鏡で、可能な限り詳しく観察したが、肺胞には異常はなく、横隔膜に穴がいくつか開いていた部分5×3cm位を切除しました”とのこと。
切除片のデジタル写真を見せてもらう。
手術後3日間は、微熱が続きちょっと辛い。
2月8日
退院。

 

5  入院(3回目)6日間・脱気とホルモン注射(外科)

3月6日
3回目の発症なので、再発している感覚は3日くらい前からあった。
年度末の1年で一番慌ただしい時期、とりあえず出勤する。
昼休みに職場近くの内科医院で受診。
やはり再発だった。
自宅へ戻り、前回入院した病院へ。
夕方遅くなってしまったが、1月に手術してくださった先生がまだ残ってみえ、診察してもらう。
’ 胸空鏡での手術で、横隔膜にあった子宮内膜は全て切除でき、 肺嚢胞にも異常は見られなかったので、大丈夫だと思ったのですが、早い再発でしたね。
なんだか申し訳ないですね。
今度は、開胸して、もっと広範囲に横隔膜を切除した方がいいかもしれませんね。’
と言われる。
私は、ホルモン療法についてきりだしてみた。
入院。
病室で脱気処置を受ける。
前2回は、吸引器により持続的な脱気を受けたが、今回は先生が、機械に繋ぐと身動きが大変だろうからと、小型の脱気のための器具を準備され、胸に装着した後、注射器で胸膜腔の空気を抜かれた。
こんな方法もあるんだと、びっくり。
吸引器を準備して待っていた看護婦さんたちも戸惑っている様子。
さっそくレントゲンを撮ってもらうと、肺はほぼもとどおりに戻っていた。
今後の治療について、先生の方から
’子宮内膜の転移が思いもかけない処にあり、手術してもまた再発するかもしれないので、ホルモン療法を考えた方がいいかもしれませんね’と言われる。
7日
回診で、ホルモン療法を受けたい旨、お願いし、さっそく排卵を抑える注射をしてもらう。
10日
肺が充分回復しているのをレントゲンで確認し、器具を外してもらった 。
11日
退院。

6 入院(4回目)37日間・開胸手術により横隔膜をメッシュで補強(外科)

 

3月14日
晩に右肺下部に痛みがあった。
15・16日(土・日)
少し動くと息切れし、間違いなく再発していると思ったが、
済ませてしまいたい用事があったので、病院へ行くのは17日の月曜日まで延ばす。
夜、横になると右の胸空内で縮んだ肺が動いているような気がした。
気の性だと思いたいのだが、かなりヤバイなと思ってしまう。
17日
病院へ。
レントゲンを撮ってもらうと、右肺がミカンくらいの大きさまで縮んでしまっている。
その場で、脱気の処置を受け、即入院。
あまりに早い再発に、先生も困惑気味。
どうしたら発症を抑えられるのか。

今の痛みからして、前回手術した箇所以外にも子宮内膜があり、また穴が開いてしまったとしか考えられない。
ホルモン治療を受けても、何度も再発するのではないだろうか。
結局、生理の周期等を考慮してもらい、4月4日に再手術を受けることに。
今度の手術では、横隔膜をガーゼのような人工の膜で補強してもらうことになる。

4月1日
私が入院している外科に呼吸器外科が専門の先生が1名増員になる。
2日
主治医の先生と新しくみえた先生から、夫と共に手術の説明を聞く。
やはり、月経随伴性気胸というのはかなり希な病気らしく、 報告例は少ないとのこと。
手術は開胸手術で、肋骨の間を広げ、横隔膜の損傷に人工の皮膜を縫いつけ空気が通らないようにしてしまうというもの。
希な病気であるにもかかわらず、主治医の先生は何年か前に同様の手術の経験がある。
この方法で手術すれば、ほぼ再発はないとのこと。
4日
個室へ移動。
朝から頭痛がして、だんだん熱が上がり37.8度になるが、予定どおり手術を受ける。
手術室へ運ばれ、後はまな板の鯉。
麻酔科の先生が脊髄からの部分麻酔の効きを確かめられた後は何も分らない。
病室に戻り、付き添ってくれていた家族と話をし、夜の付き添いは要らないからと言って、そのまま翌朝まで眠ってしまった。
5日
38度前後の微熱が続き、1日中ベットでぼんやりと過ごす。
6日
体に繋がっていた全てのチューブを外してもらう。
先生に、どんどん動いてくださいよ、とハッパをかけられる。
が、動けない。
7日
背中に床擦れができてしまう。
動かなかった証拠だ。
とにかく1日中がんばって起きていて疲れた。
8日
手術以来の背中からのモルヒネの痛み止めがなくなる。
背中(17cm切ってある)と胸(横隔膜のあたり)が、とにかく痛い。
飲み薬の痛み止めだけでは我慢できず、座薬を使う。
夕方、様態の急変した患者さんを個室に入れたいとのことで、急遽4人部屋へ移動。
もう少し個室に置いて欲しかった。
夜、手術以来お通じがないので、下剤をもらう。
(2錠持ってこられたが、1錠にする)
9日
下剤が効きすぎ、1日中お腹かシクシク痛い。
(2錠飲まなくて正解)
手術の痕はズキズキ痛むし、散々の1日。
10日
新しくみえた先生が月経随伴性気胸について調べてくださった 「アナウス」という医学雑誌の20033月号のコピーをいただく。
フランス・パリの病院で(たぶんそうだと思う、全て英語で解らない点が多々)、10年間に10例。(少ない)
内、私と同じように横隔膜に損傷があったのが5例。
その内3例に今回私が受けた手術を行い、 再発はない。

痛い、痛み止めの注射をしてもらったので、昼間眠い。
11日
やっと、少し体調が戻ってきたような気がする。
回診で、手術のホチキスを外してもらう。
昨日撮ったレントゲンについて、
主治医の先生は、’胸水が溜まっていますが、これは術後の癒着を促すには好都合で、順調です’と言われるが、
新しくみえた先生は’ぼんやりとしてかんばしくないですね’と言われる。
同じものを見て、なんでこんなに違うのか?
主治医の先生を信じることにする。
’次の生理がきて、再発が無いのを確認してから退院にしましょう’と言われる。

13日
回診時に抜糸してもらう。

15日
夕方、先生から”手術後のレントゲン等をお見せします”と言われる。
これまでに聞いていることだが、レントゲン、手術中の写真を見ながら、まとめてお話を伺う。
”今回の入院当初、完全に肺が潰れてしまっていたことから、横隔膜に新たに穴が空いているだろうと考えたが、 開胸したところ、それはありませんでした。
前回胸空鏡を使った手術のあとは、きれいに塞がっています。
しかし、現に気胸の症状が表れており、どこからか空気が入り込んだことは間違いなく、予定どおり横隔膜をメッシュで補強しまた。
術後に胸水が溜まっていますが、これがあった方が、横隔膜と肺が癒着し、空気が入るような隙間が無くなります。
肺が縮まないように癒着を促すのも、今回の手術のメリットのひとつです。
胸水は2ケ月くらいで無くなるでしょう。
次の生理がきて、再発がないのを確認してから退院するのが望ましいでしょうね。”
とのこと。
22日
退院。
3月にホルモン注射を打ったので、今回の生理は来ないようだ。
再発の有無を確認できなかったが、とりあえず退院。

5月1日
退院後はじめての外科への通院。
レントゲンで肺の状態を確認したところ、異常はなく、胸水も順調に少なくなっている。
先生は、”まず再発はないでしょう”と言われる。

13日
8日から、生理が始まり、再発がないか確認してもらうため、通院。
・・・・・再発している。
レントゲンを見ると、肺の横隔膜に面した部分は、癒着しているようで、縮んでいないが、胸空の上部に少し空気がある。
正直、ちょっとショックだった。
が、前回のように、肺が潰れてしまっていないだけ、良かったと思うべきなのか。
やはり、ホルモン療法を受けるしかないようだ。
排卵を抑える注射をしてもらう。
このまま外科でホルモン注射を打ってもらってもよいのだが、子宮内膜症について婦人科の医師の話を聞きたいと思い、通院のことも考え、この病院内ではなく、開業医の婦人科への紹介状の作成をお願いする。
20日
1週間たち、通院。
レントゲンの結果、肺は正常に戻っていた。
先週受診したので、再発が確認されたが、もし、今日しか通院していなかったら、 再発には気付かなかったわけだ。
ホルモン療法は、副作用を考えるとやはり少し躊躇する。

6月2日
手術後2回めの生理がきたので、前回再発が確認されたのと同じタイミングで外科を受診。
今回は、再発はなかった。
胸水も消えており、久々にきれいな肺のレントゲン写真だった。
婦人科への紹介状を受領し、その足で受診。
子宮の様子を診てもらうと、”子宮そのものにも軽い内膜症の症状がみられますね。これまで、痛みとか何か自覚症状はありませんでしたか? ”と言われる。
生理痛は、整理2日前にたいてい頭痛があったが、腹部の痛みはなかった旨、お答えする。
ホルモン療法には、ためらいがあったが、
婦人科の先生も 、とりあえず6ケ月は注射を打って様子をみるのが最善だと言われるので、こちらの病院で、リュープリンを後5回打ってもらうことにする。

7月13日
手術から100日が経過した。
横隔膜の痛みがづっと続いている。
しびれたような、引きつれたような感じが、切れ目無く続いている。
欠伸が出そうになり息を吸い込むと痛いし、 クシャミをしても痛いので、つい我慢してしまう。
開胸した背中もときどきズキズキする。
発病以来飲み続けていた痛み止め(ロキソニン)も、ひと月前から飲んでいない。
効かなくなっているような気がしたし、飲み続けることへの不安もあった。
梅雨が明ければ、少しは楽になるのだろうか…
体がだるく、頭がぼんやりしているのは、ホルモン療法の副作用だろうか?

14日
朝から体が重く、職場への坂道が辛い。
夕方、婦人科へ行き、女性ホルモンの錠剤を1週間分処方してもらった。

8月5日
職場の健康診断で、胸部X線直接撮影を受ける。

22日
健康管理を担当する保健師さんから電話が入り、”今日、産業医の先生にレントゲンを見てもらったところ、気胸の再発がしています。職場へ紹介状を送るので、受診してくださいね。”とのこと。
17日も経過している・・・・・
いったい何時から症状が出ていたのだろう・・・
ホルモン療法を受けており、生理もないのに・・・

25日
紹介状とレントゲンフィルムを受領。

 

7 入院(5回目)8日間・ミノマイシンによる癒着療法(外科)

8月26日
以前入院していた病院へ。
レントゲンの結果は、5日に撮したのもと変わりなく、20日間病状に変化はなかったようだ。
横隔膜面と背中に癒着があり、肺の上部3㎝と側面1㎝位、空気の層が見える。
後で撮ったCTの画像を見ると、前面にもあった。
肺はもとの7割位の大きさか。
”入院して、脱気しましょう”とのことでそのまま入院となる。
ところが、これまでは、ドレーンを入れるとすぐ元に戻っていた肺が、 戻らない。
とりあえず吸引を続ける。
(主治医が4月にみえた先生に代った。)

27日
変化無し。
ドレーンの位置が拙いようだ。
’このまま1週間様子をみるか、入れ直しますか’
と先生に聞かれ、 このまま1週間を無為過ごすのはたまらないので、入れ直してもらう。
今回は上手くいき、すぐに脱気できた。
さて、これからどうするかということで、癒着療法を勧められる。
確かにこれだけ再発を繰り返すのようでは、できることはやっておきたいように思う。

28日
癒着療法で、胸膜に炎症を起こさせる薬(ミノマイシン)を入れてもらう。
”胸が痛くなり、熱が出ますよ”と先生が、ちょっと脅かすような口調で言われる。
が、痛みが増すことはなく、熱はむしろ下がってしまった。
これって、薬が効いていないってことでは?

9月1日
ドレーンを抜いてもらう。
結局、熱が上がることはなかった。
癒着のため別の強い薬を入れますか? と聞かれたが、
少しは今回の薬が効いていることを期待して、止めることにした。
ところが、ドレーンを抜いた後のレントゲンで、僅かではあるが空気がみられるとのこと・・・
そんな・・・

2日
とりあえず、退院。

再発

9月9日
抜糸のために通院。
レントゲンを撮ったところ、やはり(3日位前から痛みと怠さがあった)気胸を再発していた。
今回の入院前の気胸より僅かだが症状が進んでいる。
”今すぐ入院し、癒着療法を薬を変えてやってみますか?
体にいっぱい傷を付けて、治らないのは忍びない気もしますが…”と聞かれる。
つまり、やっても効果無いかもしれませんよ、ってことか?
結局、このまま治まっていくのを期待して、様子をみることに。

12日
通院。
レントゲンは、9日とほとんど変化なし。
”日常生活に支障がないなら、もうしばらく様子をみては”と言われる。
”仕事があるんですが…”との私の問いには、
”デスクワークなら大丈夫でしょう”との答え。
支障はないが、ずっと体がだるく、手術の(?)痛みもあり、ちょっと辛い。
同じ病院で以前呼吸器内科を担当してみえた先生(診てもらったことはない)が、近くで開業されたので、 相談に行く。
’主治医がそういわれるのなら、とりあえず、様子をみてても大丈夫でしょう’とのこと。

16日~
出勤。
確かに、仕事はできるが、通勤が辛い。

18日
仕事から帰ると、動く元気がない。

8 入院(6回目16日間・ビシバニールによる癒着療法(外科)

9月19日
通院し、レントゲンを撮ってもらう。
肺の大きさは少し回復しているものの、 やはりかなりしんどい。
”肺の機能が落ちているのかもしれませんね”と言われる。
入院し、前回とは薬を変えて癒着療法を受けることに。
夕方まで病室が空かないので、一旦家へ戻り、夫に連絡、入院の支度をして送ってもらう。
病室で、ドレーンを入れてもらい、脱気。
レントゲンを撮ると、肺はぼぼ正常の大きさに戻っており、吸引器は繋げてあるが、電源は入れず、そのまま様子をみることに。

20日
先生から、
”今回が最後の入院ですからね。
これまでの手術で癒着がある部分と合わせて、今回の癒着療法でかなりの部分で癒着し、
入院しなければいけないような気胸には、もうならないでしょう。
これ以上肺に何か処置をすると、肺に与えるダメージが大きく、もう何もしない方がいいですよ。” とのこと。

22日
ビシバニールによる癒着療法を受ける。
朝、再度、先生から
"止めますか?"と念を押されたが、" やります"とお答えする。
9時、痛み止めの座薬。
9時30分、痛み止めの注射。
10時20分、ビシバニールを注入。
吸引器の電源を入れ、陰圧をかける。
13時頃、寒気がして震えが止まらなくなる。
まず、掛け布団をもう1枚掛けてもらう。
次に、氷枕を借りる。
1時間半くらいで震えは治まった。
熱を計ると、38度7分だった。
座薬を使う。
今回は、薬が効いているようだ。
辛いけど、仕方がないので、じっと我慢。

23日
朝、体温を計ってもらうと、37度1分まで下がっている。
たくさん汗をかいたので、蒸しタオルで体を拭き、パジャマを着替えると、
ホッとして、思わずため息をついてしまった。
先生の予告どおり、キリキリとした痛みを右肺全体から感じる。
吸引することで、胸腔からの浸出液が1日に70ccくらい出てくる。
大丈夫かと心配になり、先生に尋ねたところ、
"口の中の唾液のようなもので、 引けば出てきますから、心配ありませんよ"とのこと。

24日 肺が、痛いというより、重たいと感じる。
もう少し正確にいうと、胸に板切れが入っているような感じ。

28日
胸腔からの浸出液がほとんど出なくなった。
癒着が進んだということか。

29日
ドレーンを抜いてもらう。

30日
レントゲンの結果は、良好。
先生から、"最後の入院だから、(病院に)ゆっくりしていったらどうですか?"と言われる。
とりあえず、外出の許可をもらい、家へ帰る。

10月3日
抜糸。

4日
退院。

9 その後

11月27日
職場へ、病状の経過を申告するために、診断書が必要なので通院。
レントゲンの結果は、異常なし。
先生から、"とりあえず、大丈夫でしょう。
また、何かあったら、いつでもいらっしゃい。
右肺の違和感は、手術をしたのだから、仕方ありませんね。"との言葉をいただく。

再発しないことを祈るのみ。

 

10 まとめ

 

発病から1年の間に、入院6回。
わけが分からないうちに過ぎてしまったような気がする。
それぞれの時点で、私なりに考えて次を選択したつもりだが、
果たしてそれがベストだったかどうかは、分からない。
選択の結果が今であり、 別の選択の結果は分からないのだから、仕方がない。
 

[診断]
月経随伴性気胸という診断自体が難しく、私の場合、横隔膜の表面にいくつも開いた穴があり、それは子宮内膜症でできたものに違いない、ということでこの診断になった。
内視鏡で検査しても、タイミング良く、子宮内膜細胞やチョコレート嚢胞が確認できるのは、希だとのこと。
また、腫瘍マーカー検査でも、それだけで気胸と子宮内膜症の関係を判断するのは難しいようです。

 

[手術]
内視鏡による手術と開胸による手術を受けたわけだが、術後の痛みが続いている。
今(2月)が一番寒い時期の性かもしれないし、もっと時間が経てば和らいでゆくかもしれない。

 

[ホルモン療法]
いろいろな副作用の可能性がある。
リュープリン3.75を、3回めの入院中に1回。
この後、退院してずぐにひどい再発を起こし、結局、開胸手術を受けることになってしまった。
今考えると 、副作用のフレアーアップだったかもしれない。
その後、 6回続けた。
はっきり自覚できた症状は、ほてり。
倦怠感はづっとあった。
しかも、この間に再発している。
私にとっては、はたしてどれだけ効果があったか疑問。
若い人は、閉経まで何年もあるわけだし・・・

 

[癒着療法]
肺と胸壁を癒着させてしまう療法。
くっついていれば縮まない(気胸にならない)ということ。
でも、癒着面がどうなっているかを考えると恐い。
肺に何かあったとき(考えたくない)、癒着を剥がさないと、対応できない。
肺の機能も少し低下するようだ。
胸の違和感は、手術ではなく、癒着の性かもしれない。

という訳で、治療方針については、納得できるまでじっくり考えてください、 と申し上げるしかありません。

みなさま、お健やかに。

 

2007.5.20
最後の入院から、3年半が経ちました。
1年くらいは、ちょっと体調を崩すと、また気胸では?と考えてしまい受診しましたが、最近2年ほどは、歯科と眼科以外受診していません。
ですが、体調は完全に元通りになった訳ではなく、横隔膜あたりのつっぱり感は常にあり、女性ホルモンの周期や天候で痛みを感じることもあります。
受診してレントゲンを撮っていないのですが、多分、再発は無いようです。
痛みが何の性なのかはっきりしませんが、閉経して無くなってくれるといいなぁ、と思っています。
術後の後遺症や癒着の影響なら、ずっとこのままかもしれません。

2012.4.7
50歳を過ぎて閉経後は、もちろん気胸の再発はありません。
ただ、右肺のツッパリ感は、ずっと続いており、一生付き合っていくことになりそうです。
でも、日常生活には何の支障も無いので、気にしなければそれまでです。
気胸から快復後は、野草を求めて野山を元気に歩いています。

2024.6.22
右肺のツッパリ感は、意識すると常に感じます。
気圧が低くなってくると、肺を掴まれたように感じます。
でも、退職後は、気功、スケート、水泳と新しいことにもチャレンジして、いたって健康な日常を過ごせています。
 

庭のガクアジサイ