皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

 

 

漢方研修会の資料

 

 

 漢方薬局グループ・一心堂薬局さんに向けて、月に一度、ズームによる漢方研修会(中医学研修会)を行っています。

 

 昨日(10月18日)に1時間半程行いました。

 

 テーマは、「皮膚病の漢方対応」です。

 

 漢方の知識は、一生懸命学んで自分の身体に染み込ませれば、ひとを救い、笑顔にするための、大切な手段になります。

 

 研修会で用いた資料を、ご覧ください。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 皮膚病は、漢方で治療出来るのでしょうか。

 是非お勧めします。

 漢方の知識として、基本の対応があるのです。

 

 逆にお尋ねしますが、漢方でそれを行わなければ、いったいどんな治療法があるのでしょう。

 様々な療法があるのでしょうが、それは本当にひとを笑顔にするものでしょうか。

 

 アトピーなどの皮膚トラブルは、長く不調を抱え悩んでおられるかたが多いものです。

 服薬によって改善しますが、対応には時間がかかり、食生活や生活習慣の乱れから、不調が再発しやすいものです。治療の期間は、年単位をお考えください。

 ただ、服薬すれば、ごく短い時間で、病変は治まることがほとんどです。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

1ページ

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

2ページ

 

皮膚病は、どうして起きるのですか?

(漢方の考え方として)

 

それを治療するとされる漢方薬は何ですか?

 

皮膚病に用いる漢方薬は幾つもあります。

それぞれの特徴が、分かるでしょうか?

(温清飲、消風散、当帰飲子、十味敗毒湯、黄連解毒湯、清上防風湯、治頭瘡一方 など)

 

※肝の臓腑弁証の、導入部分を書きました。

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

3ページ

 

肝の臓腑弁証です。

 

肝の病は、このように広がって行きます(悪化して行きます)。

 

皮膚病の、病のスタート地点は、血虚(肝 血虚)です。

 

これは貧血を意味するのではなく、「血流悪化の初期状態」と捉えて良いものです。

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

4ページ

 

その、皮膚病起点となる不調(血虚)を治療する生薬の説明。

 

そして、その病にならないようにする、生活習慣を、説明しました。

 

血虚では、血流が悪化することから、当然、肌のつやが悪くなります。

(血流を良くするのは、例えば入浴です。入浴すれば身体が温まり、血流がよくなるため、肌がつややかに輝きます)

 

肌のつやが失われ、肌が乾燥し始めると、バリア機能が衰え、かゆみ・発赤・湿疹の肌トラブルが起きやすくなります。

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

5ページ

 

目を使う時間が増えると、血虚になりやすいもの(肝は目に開竅する)。

 

夜更かしをすると、血虚になりやすいもの(肝は血を蔵す)。

 

身体を動かすことが減ると(歩くことが減ると)、血虚になりやすいもの。

 

 

現代人のほとんどが、そんな生活をしていますので、現代を生きるほぼすべてのひとは、「血虚の病の状況にある」と言っても良い気がします。

(世界的に、スマートホンやPCを用いるようになっていますから)

 

それを治療するのが、生薬・トウキを主配合した、漢方薬・四物湯(しもつとう)です。

 

 

それに、かゆみ・発赤の炎症状況を抑えるために必要なのが、クールダウン薬です。漢方薬・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などがあります。

 

 

上記2つの漢方薬を合わせたものが、皮膚病治療の基本薬となる、温清飲(うんせいいん)です。

 

・・・・・・・・・・・・

 

でも、温清飲を使った医療資格者からは、「思ったほど、治療効果が上がらなかった」と、評判が良くありません。

どうしてなのだろう、それにはこんな理由があるからです。

 

漢方の書籍では、四物湯と黄連解毒湯の配合比が1:1であり.等分です。

 

しかし、日本の厚生労働省が認可した、漢方薬・温清飲は、その比率が変更されていて、四物湯の割合が多くなっています。

これでは、かゆみに、発赤に悩んでいるかたの、その不調を抑えることが難しくなります。

 

それではどうするの?

 

温清飲とともに、黄連解毒湯を服用することで(黄連解毒湯増量のイメージ)、治療することが必要です。

 

 

※治療中は、食生活の節制が大切です。辛い食物を避けてください。

 トウガラシ・コショウ・他の香辛料・ショウガ・ニンニクなど

 お酒も、身体の熱を残すので、基本的に禁酒してください。

 喫煙も、血流を悪化させるため、良いものではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

6ページ

 

消風散の説明。

 

そう痒症(夕刻からスネなど身体ががかゆくなり、爪でかいていると、肌に白い筋が入る。肌に傷が入り出血する)に良い、当帰飲子の説明。

 

両者には、共通点があります。

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

7ページ

 

病は、悪化するルートがあります。

 

これは、3ページに書いた、肝血虚からの「病の悪化ルート」を、イラスト解説したものです。

 

そして、江戸時代の日本人名医・華岡青洲が作った漢方薬・十味敗毒湯の説明です。

化膿性皮膚疾患の、初期に用います。

 

(やはり、6ページの漢方処方たちと、共通点があります)

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

8ページ

 

清上防風湯、そして治頭瘡一方の説明をしました。

 

皮膚疾患で悩むかたが便秘しているからなら、ジュウヤク(十薬/別名:ドクダミ)やセンナも、用いて良いものです。

ニキビで赤い顔のかた、そして便秘がちであるなら、ジュウヤクエキスや、ドクダミ茶を服用することをすすめます。

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

9ページ

 

台所の作業・水洗いなどで手先が荒れることがあります。

主婦湿疹と呼ばれることがあります。

 

これから寒い時期に向かい、そんな状況がありましたら、漢方薬・温経湯(うんけいとう)が良いものです。

身体を温める処方なので、お湯で服用してください。

(他のものも、同様にお湯で服用してください)

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

10ページ

 

 漢方的に言えば、肺が弱い状況(呼吸が弱い、声が小さい)があると、肌のトラブルが多くなることがあります。

 

 当面は、温清飲などで、トラブルの直接改善を目指しますが、それが治まったあと、上記のような肺不調はないか、検討してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

11ページ

 

肺の機能回復に用いる、漢方薬。

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

12ページ

 

10月、身近で見られる薬用植物・ハーブなど。

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膚病の漢方治療 漢方研修会・一心堂薬局 対象/講師 加藤久幸

13ページ

 

病のルートが、上記のものです。

 

医療資格をお持ちのかたは特に、この図を細部まで覚えておいてください。

 

 

 

 

 

⇒ この皮膚病の漢方対応について、説明するズーム講演会を12月末に行う予定です。

  11月中旬頃、このブログで告知いたします。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

11月の ズーム漢方講演会(無料) ご案内

 

 

 

ズーム漢方講演会・11月(無料) 肌つや向上、怒り衝動抑える(肝の臓腑弁証)

 

11月2日(水)午前、4日(金)午後

 

テーマ   「肌つや向上、怒り衝動抑える(肝の臓腑弁証)」

肌年齢を若く保つ秘訣、あなたのストレス度を知る

 

⇒ 講演会の詳細

 

 

 

 

 

ズーム漢方講演会・11月(無料) 年末・絶対「カゼをひきたくない!」かたに

 

11月16日(水)午前、18日(金)午後

 

テーマ   年末・絶対「カゼをひきたくない!」かたに

漢方の方法で「カゼのスピード治療」を説明、コロナの不安についても説明

 

⇒ 講演会の詳細

 

 

 

 

 

ズーム漢方講演会・11月(無料) 身体の痛み、こうして対応(悪漢3兄弟、風寒湿)

 

11月22日(火)午前、25日(金)午後

 

テーマ   身体の痛み、こうして対応(悪漢3兄弟・風寒湿)

冬に、頭痛・関節痛・神経痛・リウマチで困ってしまうかたに、その予防も

 

⇒ 講演会の詳細