マオウの果実
【 過去のブログ記事を、読みやすいようレイアウトを整えました 】
坂上忍さんMCのテレビ番組から、薬草画像の提供をお願いされたことがありました。
要望されたのは、マオウ(麻黄)という生薬でした。
それを切っ掛けに、このブログで、生薬のマオウ(麻黄)のことを書きました。
マオウとは、植物の茎です(マオウ科 マオウ属)。
漢方薬では葛根湯を始めとした多数の処方に、配合されています。
温性の発汗薬として使われ、それは今も、「カゼの早期治療」「排尿促進」のために用いられています。
(一般的に用いていれば)安全性の高いものとして、今も使われています。
日本では、植物素材の成分研究が、西洋医学を学び始めた明治時代から行われるようになりました。
マオウには、エフェドリンという成分が含まれています。
これは、日本人・長井 長義(ながい ながよし)先生の研究成果により分かったことです。
気管支拡張作用を持つことから、小児や高齢者に多い「ゼンソク」を抑えるために多用されるようになりました。
(麻杏甘石湯という漢方薬も、鎮咳に使われます)
マオウは良い生薬。
ひとの苦しみを和らげ、ひとを笑顔にするもの。
しかしそれは、ひとの弱い心があれば、変身するものでもあります。
覚せい剤の原料になるのです。
大沢 在昌(おおさわ ありまさ)さんの小説・新宿鮫シリーズ(1993年 新宿鮫・無間人形)の一文も引用し、説明しました。
新宿鮫は連作で、今も続いています。
11作目の新宿鮫・暗約領域が出版されました。
購入し読みました。
鮫島(主人公)の未来に、光がありますように。