ウイルス病を寄せない聖獣・ハクタク(白沢)

《内藤記念くすり博物館展示》

 

 

 

 

 新型コロナウイルス感染症が世界に拡大、多数の死者を出しています。

 

 このウイルス病を抑えたいという切実な願いから、疫病除けの妖怪・アマビエが、知られる様になりました。

  アマビエは、江戸時代江戸時代後期に知られる様になった日本の妖怪、熊本に現れ、「私の姿を写した絵を見せれば、人々は疫病を避けられる」と伝えたとされます。

 

 中国から伝わり、江戸時代に病魔除けとされた聖獣も、あるのです。

 その名は、ハクタク(白沢・白澤)。

 

 人語を理解し、万物に精通するとされる聖獣。黄帝に、世の害を除くためのアドバイスを与えたとされます。

(黄帝とは、伝説上の人物。中国を統治した五帝の最初の帝です。私たち漢方従事者には、東洋医学の祖として知られます。有名なドリンク・ユンケル黄帝液は、この名を用いたものです。)

 

 

 ハクタクは、中国の文献ではライオンを思わせる姿、3つの眼を持っていると記されます。

 後に日本では、「牛を思わせる一対のツノ」「顔に3つの眼、右の体側に3つの眼、左の体側に3つの眼」「下あごのヒゲ」が描かれる姿で定着しました。

  一見恐ろし気な姿ですが、民を守ってくれる存在です。

 

江戸時代には、ハクタクの絵を「病魔除け」として枕元に置き、旅においては「道中のお守り」として身につけました。

新型コロナウイルスが猛威を振るう世界、我々を守って欲しいと願います。

 

この像は、内藤記念くすり博物館(岐阜県各務原市)1F展示室入口で、病魔に、にらみを利かせています。ハクタクのキーホルダーも販売されていました。私も、自らと家族の健康のために購入しました。

 

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内藤記念くすり博物館は、充実したくすり関係の展示と、手入れされた広い薬草園が良いものです。http://www.eisai.co.jp/museum/index.html

 薬草写真を撮るため、よく訪れています。製薬会社・エーザイの工場に隣接しています。新型コロナウイルスのため閉館していましたが、6月2日より、オープンしています。

疫病よけの聖獣・ハクタクに御利益をいただくため、現地を訪れて頂きたいと思います。

(企画展:麻酔薬のあゆみと華岡青洲 開催中)

 

 

くすり博物館 企画展