【ただで、肌をつややかにする方法】
今日から実行したい、漢方メソッド
特に女性は、「肌のつや」について、とても気にされるものです。
肌を美しく保ちたいという真摯な思いからですが、肌の状態が健康のバロメーターである事を、心の奥では知っていらっしゃるからなのでしょう。
肌のつや・潤いを保つため、様々なアイテムがあり、様々な努力をされています。
「肌つやを保つ」「肌つやを生む」ための方法を知りたくありませんか? それは、無料で出来る生活習慣なのです。漢方メソッド、私が正しいと信じる知識です。
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まずは、以下の表をご覧ください。
ご覧いただけたでしょうか?
これは身体の衰えて行く、2つのルートです。すべての病は、ここから始まります。漢方診断では欠かせない大切な知識ですが、いま詳しい説明は省きます。
《外見上の区分として、上のルートのかたは(気虚・陽虚)、見るからに元気がなく、話し声に力がなく、疲れやすく、食欲がありません。 下のルートのかたは(血虚・陰虚)、普通に見え、話し声に力があります》
左下の「血虚(けっきょ)」を見てください。
大きく記される不調は、『肌につやがない』です。
血虚とは、貧血と捉える方があるかも知れませんが、そうではありません。『血流が悪くなる』という事です。
血流が良いままに保てば、年を重ねても、肌はつややかでいられます。
風呂上りのつややかな肌は、血流が良くなった結果のものです。
現代人の95%以上が、血虚になっているとされます。
便利な現代生活が、皆をそうさせてしまうのです。
目を使い過ぎると、血虚になります。スマホやPCやゲーム機などの使用時間が長ければ、血虚になります。
《肝は目に開竅する(つながる)。目を使い過ぎると、肝は機能低下し、血流悪化する》
夜更かしも、朝寝坊も、血虚になります。
《肝は血を蔵す(肝は血のお家。昼は全身を巡り、ひとが眠れば肝に戻る)。眠っている時に血を濾過・解毒する。夜更か
しすればそれが出来なくなる》
身体を動かさないと、体循環が悪化し、血虚になります。
《朝夕、各30分程の散歩で良いです。汗をかきすぎる運動では、血虚を招いてしまいます》
【まとめ】
無料で出来る「肌がつややかになる方法」とは、この事です。
漢方(中医学)の基礎理論に記される、知識です。
肌を美しく保つには(血虚にならないためには)、「目を酷使しない事」、「早寝・早起きする事」、「毎日散歩をする事(発汗しすぎない運動)」の生活習慣を守ってください。
そうすれば、風呂あがりの様に、サラサラ血流を保ちます(血虚を防ぐ)。それは、「つややかな肌を守る」という事なのです。
3つの意識し守って行く事だけで、「つややかな肌を保つ」「いつまでも若くいられる(老化の進行を遅らせる)」の継続効果が期待出来ます。
(※一般的に言われる肝を弱める生活習慣、飲酒・喫煙・油ものの過食も、肌つやを奪うものです)
【私はどうなの?】
「私は血虚かな? 違うかな?」と迷われる方、すぐに分かる鑑別法があります。ご自身の、爪(つめ)を見てください。爪に縦筋が入っているのなら、血虚と考えて良いです。
ご自身に、「爪トラブル(もろい、割れる、つやがない)」「筋肉けいれん(こむら返りを含む)」「生理周期の遅れ・無月経・経血の過少」のうち、幾つかの不調があれば、血虚の可能性が高いものです。
【改善が難しい時】
正直に申し上げますと、上記3つの生活習慣を守る事は、非常に難しい事です。
生活にはスマートフォンが、学業や業務にはパソコンが入り込むため、「目を酷使しない」という部分が、なかなか守れません。「早寝・早起」も、難しい状況の方があります。
そんな時は、日々の暮らしの中で可能な部分を改善しながら、漢方薬で身体を守るのが良い方法。
肌に潤いをあたえる薬草・トウキ(補血薬)が入った漢方薬・四物湯(しもつとう)を基本薬として、服用を続けます。飲んでいて気持ちの良いと感じるうちは、継続服用して良いものです。エキス剤は、お湯で、食間(空腹時/例えば、朝食と昼食の間の時間、昼食と夕食の間の時間、就寝2時間など)に服用してください。食後服用では、薬が食物と混じり、効き目が弱くなりがちです。
肌が乾燥しやすい方は四物湯(しもつとう)を、むくみが起きやすい方は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を、使い分けてください。四物湯も、当帰芍薬散も、一定期間服用し続けた方が良いものです。飲んで気持ちが良いと感じるなら、年単位の服用も可能です。
(血虚の不快症状はとんど無いけれど)肌の保護を目的に服用したいとの場合は、添付文章に記される1日3回ではなく、1日1~2回の服用で良いです。
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見るからに元気がない方・他人より疲れやすいと思う方・食欲があまり湧かない方・声の小さい方は、「気虚(ききょ)」です(上図を再度確認してください)。
気虚であるのだけれど、肌つやが悪い血虚の状況を兼ねる場合、用いるのは四物湯でも、当帰芍薬散でもありません。薬用ニンジンを主薬に、潤いを運ぶトウキを併せた漢方薬・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を用います。エキス剤なら。これも、温湯で食間に服用します。
気虚で「慢性的に胃もたれする」方は、ニンジンを主薬に、逆流・停滞物を運ぶハンゲを併せた漢方薬・六君子湯(りっくんしとう)を用います。
補中益気湯も、六君子湯も、一定期間服用し続けた方が良いものです。元気の急速充填は、本来出来ないはずだからです。飲んで、気持ちが良いと感じるなら、年単位の継続服用も可能です。
漢方以外の、肌をいきいきさせると言われる方法は、数多くあります。エステ・針灸・お灸なども、そのひとつです。
良いと信じる方法であれば、それを行ってください。ただ、前述の生活習慣の改善は、「必ず行った方が良い」とお勧めするものです。
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「漢方視線」と書きましたが、これは漢方理論による捉え方です。
古人が、数えきれない程の治療体験を重ねて得られた知識だと思っています。漢方を学べば、「病はどう変化するか(病には悪化ルートがある)」、「どんな生活習慣が人を病にするか」、そして「それらの治療対応・治療薬」を知る事が出来るのです。
※男性は肌つやの有無を気にされない方が多いのですが、肌の状態悪化は、老化(機能低下)を体表に映し出したものです。男性が危機感を持ちそうな言葉にするなら、肌の状態が悪い方は「性機能低下が早い」「寿命が縮む」と言えるものです。
最後に、上記表(4虚証)からの、病の拡散ルートを示します。