今回の作品紹介は、栃フリーカップ。
hideの作品群の中で、最大勢力を占めるのが材料に「栃の木」を使った作品です。
そしてその栃にはできるだけ、「杢」をもったものを使います。
材料の買い付けから行うことによって、「杢」をもった栃の入手が可能に。
一般に言われる「木目」とはちょっと違った意味を持つ「杢」。
言わば木の「ひずみ」のようなものでしょうか。もっとわかりやすく言うと「しわ」になりますか。
とにかく、これが美しいのです。
この杢は、木の繊維が詰まった所とそうでない所が交互に現れ時には波紋の様であったりします。
その粗密が漆の吸い込みの違いを生み出し、えもいわれぬ自然の模様を創り出すのです。
きっとhide自身、この杢の美しさに惑わされてしまったがゆえに、
つくり手としての今があるのではないかと思うほどです。
DATA
素地：栃 仕上げ：拭き漆
直径：3.2寸(約9.6cm) 高さ：2.3寸(約6.9cm) 価格：\6,000円
(価格は税抜き)