ヒジュラ暦九年、アブー・バクル、巡礼を先導(18)

 彼ら偽善者についての記述は、「預言者よ、不信者と背信者に対し奮闘努力し、彼らに厳しく対処せよ。彼らの住まいは地獄である。何と悪い帰り所であることよ。彼らはアッラーに、悪い事は何も言わないと誓う。だが彼らは確かに不信心な話をし、一度、イスラームに帰依した後に不信心になり、成就し得ないことを企む。アッラーと使徒が、その恩恵によって、彼らを戦利品で富裕になされていることに対して、復讐をしたにすぎない」(七三、七四節)から、「彼らは地上に、保護者も援助者もないであろう」(七四節)まで続く。そのような言葉を言ったのは、アルジュラース・イブン・スワイド・イブン・サーミトで、ウマイル・イブン・サアドという名の彼の家族の一人が、彼の言葉を人々に報告し、彼はそう言ったことを否定して神にかけて誓った。しかし、偽善者たちに言及してコーランが下されたとき、彼は悔悛して心を改めた。私が聞いたところによれば、悔悛後、彼は敬虔なムスリムとなった。

 そして神は、「彼らのうち、アッラーと約束を結んだ者は言った。もしかれが、私たちに恩恵を与えられれば、私たちは必ず施しをなし、必ず正しい者の仲間になるでしょう」(七五節)、と啓示された。神に誓約した者とは、アムル・イブン・アウフ一族のサアラバ・イブン・ハーティブと、ムアッティブ・イブン・クシャイルである。