サーブール・ズル・アクターフ(6)

 しかし彼は、首都に留まるようにという彼らの要請を受け入れなかった。すると彼らは彼が言及した兵員の数を増やすように要請したが、彼はこれも拒絶した。彼は軍団の中から最も頑強で最も勇敢な千人の騎兵を選抜した。彼は彼の企図を成就するために進撃するよう彼らに命じ、彼らが遭遇するアラブを一人でも助命したり、戦利品を奪うために目的からそれることを禁じた。彼は彼らを率いて出撃し、ファールスを牧草地としていたアラブの不意を突いて襲いかかり、アラブに大殺戮をもたらし、最も悲惨な捕虜とするか、あるいは敗走させた。それから彼は軍の先頭に立って海を渡り、アルハット(ファサー・アルダシール)に到達した。彼はアルバハラインの地を縦断して、いかなる金品にも買収されず、略奪にそれることもなくそこの民を殺戮した。彼は侵攻を続けてタミーム族、バクル・イブン・ワーイル族、アブドゥル・カイス族の遊牧民がいるハジャル(西アラビア)に至った。彼は彼らに大殺戮を繰り広げ、彼らの大量の血を流したので、豪雨に呑み込まれた奔流のように流血した。逃れることができた人びとも、山の中の洞穴や海の中の島も無益であることを知った。