(Ⅳ) 医療使節団(12)

 学校の休憩時間に、自然の要求から解放されたばかりだというのに、生徒が皆、そんな短い時間に、そんな要求に対応できるわけがなかった。休憩時間の前だったなら、とりわけ単なる需要だけでは供給できない検体のいずれか一つは、まだそこに残っていたかも知れない。腸内に何らかの残存物を残していた生徒は、自信ありげに出かけて行ったが、腸が反応しそうもないと感じていた生徒、あるいは排便を試みても通じなかった生徒は、顔面を蒼白にし、胸は恐怖と困惑でたけり狂った。

  いったい彼らはどうしたらいいのだ。どうやって控室に戻れるというのだろうか。あるいは、約束の時間に遅れてもいいのだろうか。彼らが空手で戻るときに起きると、彼らが予想できる最低限の事態は、大先生が彼らの腹を切り開き、要求する検体を取り出すか、あるいは長いチューブを腹に挿入して、それを入手するかのいずれかだ。