(Ⅲ) 聖なる学校(20)

 先生の一人が船に乗っていれば、それで万事問題なし。全生徒の秩序は確立する。しかし先生が乗っていないとなると、また振り出しに戻り、騒動はいっそうやかましさを増す。彼らはまた窓から水に飛び込んだり、校庭を走り騒ぎまわる。それは我らが尊師アブドッラーの奮闘にもかかわらず終わらない。

  我らが尊師アブドッラーは、用務員イブラヒームの後任だった。彼は村の住人で、用務員に採用された。それまで彼はクッターブのアーリフだった。彼は月に五ピアストルを超えることがない、クッターブの授業料を上回る、九十ピアストルの固定給を受け取っていたので、学校の仕事を喜んでいた。彼は小使いとして働いていたが、昔の敬称、「我らが尊師」アブドッラーを引き継いでいた。