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第五章|ザィールの話し


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今日はご飯ブログ無いなです〜🎶




第五章|ザィールの話し/ムブツ大統領の仕掛け


ムブツ大統領の仕掛けの話をしよう。


ムブツ政権は、元々この国に根付いていたキリスト教をすべて禁止し、聖書を焼かせた。

「ザィールの神」の名のもとに国を進めるのだ、と。

そのため宗教のあり方は政権の言う事を聞けばなんでもいい。牧師に任せると非常にユニークだ。妹の宗教しかり。

しかしKan Tはあんなメチャクチャな宗教に入るなと妹に釘を刺していた。


そうそう当時メルセデスベンツの一番の客は世界一の金持ちムブツ大統領で一族は皆んな出たばかりのベンツを乗っていた。

町で見かける事も多かった。


一方でムブツ政権は、「世界でも開かれた民主主義国家」であり、「アメリカとも友好的な国」だと強くアピールし、欧米企業を積極的に呼び込んだ。


欧米系のゼネコンやエンジニアリング会社が入り、首都キンシャサでは官庁街、空港、ホテル、銀行ビル、幹線道路や橋梁の整備が進められた。

見た目だけは“近代国家”の体裁が整えられていった。


資源・エネルギー分野では、鉱山(銅・コバルト・ダイヤモンド、水銀)を中心に、米・仏・ベルギー系企業が深く関与し、電力、水資源、採掘インフラにも外資が入ったと聞いた。


飲食・消費財分野では、マクドナルド、ケンタッキー、コカ・コーラをはじめとする多国籍ブランドが進出し、欧米型ライフスタイルを象徴する存在として使われた。


アパレル・嗜好品分野では、欧米ブランドの既製服、スーツ、香水、時計などが「エリート層向け」「外貨を落とす層向け」に流通し、街には「西側とつながっている国」という演出がなされた。


サービス・金融分野では、外資系銀行、保険会社、航空会社、通信関連企業が入り、国際都市としての顔を作ろうとした。

ホテル、ナイトクラブ、カジノなどもその象徴だった。


ムブツ政権が呼び込んだのは、産業そのものではなく、「西側の世界観」だった。

建設・インフラ

資源・エネルギー

金融・通信・航空

ホテル・ナイトライフ

消費財・飲食・嗜好品


ここに、当時(1970〜80年代ムブツ期)の現実に即した代表的な企業を挙げておく。


建設・インフラ分野では、ブイグ(仏)、スピエ・バティニョール(仏)、トラクベル(ベルギー)、Hochtief(独)などが入り、官庁街、道路、橋梁、空港、ダム関連を担った。

旧宗主国ベルギーとフランスの影響が色濃く残っていた。


資源・エネルギー分野では、国営鉱山公社Gécaminesが中心にありながら、実質は外資と結託し、ユニオン・ミニエール(ベルギー)、デビアス(南ア・英)、エルフ・アキテーヌ(仏)などが深く関与していた。

ザィールは冷戦期における戦略資源の供給地だった。


金融・通信・航空分野では、シティバンク、BNP、ソシエテ・ジェネラル、ベルギー系銀行、エールフランス、サベナ航空、そして時代を象徴する存在としてパンナムも名を連ね、キンシャサは「アフリカのハブ都市」として扱われていた。


ホテル・ナイトライフの分野では、インターコンチネンタル、ヒルトン、ソフィテルなどがあり、ナイトクラブは企業名よりも、欧米人経営で現地エリート御用達の店が多かった。

流れていた音楽はソウル、ファンク、ディスコだった。


消費財・飲食・嗜好品分野では、コカ・コーラ、ユニリーバ、ネスレ、フィリップモリス、BAT、レミーマルタン、ジョニーウォーカーなどが象徴的な存在だった。

マクドナルドやKFCのような完全ファストフードは実態としては限定的で、主役はあくまで「輸入品」と「欧米ブランド」だった。


これらはすべて、「開かれた民主主義国家ザィール」を演出するための装置だった。


見た目は近代国家。

街には欧米の看板。

音楽はソウル、リズムは8ビート。


しかしその裏で、宗教は統制され、思想は一つにまとめられていった。


ムブツの民主主義は、ショーウィンドウだった。

各企業の中枢にエリートのザィール人を置く。

数年後企業のノウハウが出尽くした段階で外国企業全ての人間を理由をつけて国の外に出した(追放)。

その後はそのままの名前で国営にした。

簡単な話しで言うとマクドナルド他全て中枢に置かれたザィールのエリート達が社長となり、ムブツ大統領の元で働き国営となる。


怖いでしょ〜♪

こんなムブツ大統領の人物や背景を見るとトラ ンプ大統領なんかはお子ちゃまに見えてくる。

だって海が無いから奪い取るヤバさが桁違い。


明日は第六章 

回想録は続く