今日は女公様が最も頼りにしている下僕のひとり、オクラホマ・ミキサーを紹介したい。
名前が牧歌的だからといって、甘く見ると痛い目にあう。
オクラホマは、とてもタフでクールで切れる男なんである。
さわる者みな傷つけちゃうようなところがあり、女公様も一度洗っている時に指を切った。
痛ぇじゃねぇか、おい。
私にさわったのは女公様の方ですが、何か。
・・・いや、とがったナイフのおめぇにうっかりさわったおいらが悪かったぜ。
女公様の朝は、オクラホマが腕によりをかけて作ってくれるスムージーで始まる。
今朝は、大のお気に入り、さくらんぼヨーグルトスムージーだった。
だが一口飲んだ女公様は、いつもと違う違和感を口の中に感じた。
なんでぇ、このつぶつぶ感は。
これがブラックベリーやラズベリーのスムージーなら、女公様も気にせず飲み込んでいただろう。
だが冷凍さくらんぼには種もなければしかけもない。
おそるおそる口から出してみると真っ白い米粒大のものが出てきた。
一瞬の間に、女公様の脳が、それに近い色とテクスチャーのものを検索する。
あ、もしかしてヨーグルトをすくったプラスチックのスプーン・・・
うっかりオクラホマの中に置き忘れたまま、スイッチオンしてしまったらしい。
スプーンが入っておりましたが、何か。
オクラホマ、いつもと同じように淡々とスプーンを影も形もない状態にしてしまった。
冷徹かつ徹底した仕事ぶりである。
恐ろしい奴・・・
女公様は、最も信頼していた有能な配下に寝首をかかれた数々の故事を思い出して身震いし、同時にいつもより大量に投入したさくらんぼがもったいなかったねぇ、と思ったが、それでもオクラホマの方が壊れなくてよかった、と考えてしまうのだった。
甘やかすとそのうち、そっと後ろから近づいただけで反撃されたり、スイッチに右手で触ることを拒絶されたりするかもしれない。
それでもやっぱり、オクラホマ、頼れる男なんである。


