昨年から仕込んでいた本が、
ついに今週発売となる。
 
 
光文社が初めて取り組んだ形態の本で、
社内にノウハウがなく、
初めて尽くしでかなり時間と労力がかかったが、
やっとやっと日の目をみることになった。
 
 
同時に、4月に発売される本の制作も、
自分が担当する部分はほぼ終了し、
あとはデザイナーさんと
校正さんの仕事がメインとなっていて、
こちらもあとは書店に並ぶのを待つばかりだ。
 
 
ほぼ2冊とも同時期に企画が立ち上がり、
当初は発売時期をバラバラにする予定が、
結果的に似たような時期になった。
 
 
そのぶん、制作時期も重なってしまい、
特に今年の1月は怒涛の制作ラッシュとなり、
かなりハードな1ヶ月だったが、
終わってみれば、スッキリな気分だ。
 
 
これで自身7冊目と8冊目の本となる。
 
 
これだけ本を出す機会をもらえると、
やる前からどの程度の時間と労力がかかり、
どの程度、生活を圧迫し、
どの程度、神経をすり減らすかが、
皮膚感覚でわかっているので、
途中で必要以上の苦しみを味合わなくて済む。
(もちろんある程度の産みの苦しみはあるが)
 
 
今、大学の受験シーズン真っ只中だ。
 
 
高校3年生にとって、
初めての大学受験は辛く苦しいものだろう。
 
 
人生初と言っていいくらいの
大きな人生の岐路に立ち、
自身の将来を左右するテストに、
自身の力だけで挑む。
 
 
どんな気持ちで臨めばいいのか、
どんなペースで根を詰めればいいのか、
途中途中で出る合否の結果に、
どう対処し、どう気持ちの整理をすればいいのか。
 
 
すべてが初もの尽くしで、
相当メンタルにくる1ヶ月だろう。
 
 
受験生の両親も、
自身の受験は体験していても、
自分の子どもが大学受験するのは初めてのことも多く、
自分の時とは形式が変わっている戸惑いや、
自分でできないもどかしさなど、
受験生自身とはまた違う初体験の苦しみに
悩まされている人も少なくないだろう。
 
 
誰でも初めてのことは大変だ。
 
 
特に、人生を左右するような受験だったり、
多くの人が関わって途中で逃げ出すことができない
本や映画などのエンタメコンテンツを制作する場合、
初めて走るフルマラソンと同じく、
どんなペースで走り、
どんなことを考えて走り抜ければいいのか、
何を頼り、何を頼ってはいけないのか……、
必要以上に苦しみ抜く場合が多い。
 
 
けれど、
1度でも体験すると、
そのペース配分や気持ちの整理の仕方、
疲れ具合やトラブル発生の可能性など、
多くのことを学ぶので、
2回目はそれらを必要以上に心配しないで、
より良いものを制作するということに、
専念できるようになる。
 
 
例えば、
苦しくなった時は、
「とにかく次の電柱までは走り切ろう」
と自分に言い聞かせれば乗り切れるとか、
悩んだ時は、
「ゴールの時はどんな結果が理想だろう」
と想像して、
どんなペースで、どんな走り方で、
どんな道順を選ぶかを決めればいいとか、
自身の経験則が大きく生きてくる。
 
 
だから、
できるだけ早くに、
できるだけ大きなものに、
できるだけ数多く、
経験しておくことが後々有利になる。
 
 
受験も中学受験や高校受験で苦しんだぶん、
大学受験では必要以上の不安は減るし、
エンタメコンテンツの制作でも、
より良いものを生み出すために、
自分の能力をより引き出せる可能性が広がる。
 
 
エンタテインメントの世界で
独立起業し、成功をめざすなら、
まずは小さくてもいいから、
1つ、エンタメコンテンツの制作に携わり、
苦しみ、もがき、生み出し切ることが、
とても大切になってくる。
 
 
クリエイティヴな仕事をしたい
と考えているのに、
実際はまだ1つの作品も作りきっていない
という人が意外と多かったりする。
 
 
でも、
それでは今後訪れるかもしれない
せっかくのチャンスをものにできない危険性がある。
 
 
まずは走り抜け!
悩むのはそれからだ!