テレビドラマや映画、舞台、コンサートやスポーツの試合など、「観る側」の立場で見ると、その放送時間や公演時間しか目にすることがない。

 
けれど、実際にエンタテインメント作品やスポーツの試合は、「観る側」が目にする時間は、全体のごく一部だ。
 
例えば、俳優の立場だけで考えても、「観る側」が実際に目にする以外の時間はたいていの場合、ものすごく長い。
 
舞台なら、顔合わせから稽古、ゲネプロなど、実際の公演までに相当長い期間を使って準備している。
またテレビドラマでも映画でも、リハーサルや撮り直しは当たり前だし、そもそも役作りのため、舞台でも映画でも、稽古や撮影に入る前に時間をかけて自主的に役作りの準備をするはずだ。
そして、配役が決まる前にも、華やかな役を勝ち取るまでにたくさんのオーディションに参加して、何度も泥臭く審査を受けている可能性もある。
 
もちろんコンサートでも、アーティストの立場だけでも、音合わせからリハーサルの準備はもちろん、ハードなライブを乗り切るための体力づくりやボイストレーニング、ダンスレッスンなど、良いエンタテインメントを見せようと思えば思うほど自主的に長い時間を準備に要する。
 
だから例えば、よく「あの俳優、最近見なくなった」とか、雑談の中や、ネットの中で言われることがあるが、じつは「観る側」の目線では見えない時間に、彼ら彼女たちは放送や公演の時間と変わらない、濃密な時間を過ごしている場合も少なくない。
 
 
 
役者として、アーティストとして、アスリートとして、一流であればあるほど、人気であればあるほど、他の人からは見えない下準備の時間に、一般人の何倍もの仕事量をじつはこなしている。
 
華やかな舞台で輝く役者たちやアーティストたち、そして大観衆から声援を浴びるアスリートなど、一流であればあるほど、じつは彼ら彼女たちは、スポットライトを浴びている時間までの時間こそ、普通の人たちとは違う濃密な時間を過ごしているのだ。
 
そして、その真剣に取り組む準備の時間も、本番と同等それ以上に、彼ら彼女たちを大きく成長させる時間となっている。
 
だからこそ、独立起業して成功しようと思ったら、すでに成功している人たちが陰で行なっている
努力や準備時間を超える、何倍もの努力や準備をしなければならないはずだ。
 
「なんであいつはチャンスをもらえるんだ」
「最近、あいつメディアで見なくなったな」
 
目に見える部分だけで判断するのは「観る側」「消費者側」の視点であり、観客側の人たちの目線であって、プロフェッショナルとして一流と対等の勝負をしていこうと思っている、独立起業をめざす人の目線とはまったくの別物だ。
 
そのことを意識して、エンタテインメントを見る力、感じる力を忘れないことが大切だと思う。