少し前、もう一度観に行きたいと書いた、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」。

 
もう一度観たいと思った理由は、若いキャストの本気度をヒシヒシと感じて、彼ら彼女たちが公演を重ねてどんなふうに成長するのか、若手とベテランとの融合がどのくらい高まるか、を観たいと思ったからだ。
 
また、この舞台はWキャスト設定だったため、できれば前回と逆の出演者の回を観て、このミュージカルの魅力を再確認したいとも思った。
 
それにプラスして、せっかく同じ舞台を再度観るのだから、座席も前回と逆の位置にして、違う角度からも観てみたいと思った。
 
 
 
前回は最前列のセンターブロック左寄りだったので、2回目は数列後ろのセンターブロック右寄りの席を選んだ。
 
前回はキャストの演技する表情から小さな仕草まで、はっきりとわかる距離だったが、一方で全体を俯瞰して観るには不適格な位置だった。
 
今回はある程度キャストの細かい動きや表情も見れて、しかも全体の動きも一目で把握できる位置で、最前列とは別の楽しみ方ができる席だった。
 
 
 
今回のロミオ役は古川雄大さん。
 
古川さんはロミオ役が2度目だったため、この役を自分の手に入れているようで、リラックスした中にも押さえるべきことはしっかり押さえ、要所要所に自分らしいロミオを演出しながら、演じる余裕を感じて、とても素晴らしい演技だった。
 
今回のティボルト役は広瀬友祐さん。
 
前回のティボルト役は渡辺大輔さんだったが、2人のこの役の解釈の違いを楽しめたし、2人とも鍛えられた長身の体躯を生かし、目ヂカラで演じる素晴らしいティボルトだった。
 
 
 
今回の気づきは、「違う角度からモノを見る大切さ」。
 
エンタテイメント業界に限らず、クリエイティブな仕事をする人や、ビジネスリーダーとなり、経営を担うポジションをめざす人は、最初の目線や立ち位置で見えたことだけですべてを判断するのではなく、さまざまな位置から高さから物事を見ることが絶対不可欠だ。
 
さらに、自分という目線だけでなく、別の人格になったつもりで物事を見ること、違う性別、違う世代、違う趣味思考……、さらにはクライアントやお客さん、さまざまな形で関わってくれる関係者など、多重人格になってたくさんの角度から物事を見れるようにすることが大事だ。
 
 
 
映画やテレビドラマは、基本、1度目と2度目は観るものは同じだ。
 
けれど、生きている舞台は、同じ脚本で同じ出演キャストでも、まったく同じ舞台というのは絶対にない。
 
人も人間関係も生きている。
だからこそ1つだけの視点で観るより、複眼的な視点で物事を見ることで、1度目では気づかなかった隠れていた大切なことが、たくさん見え、気づくことができるはずだ。