このブログでは、エンターテイメント業界やスポーツ業界で、独立、起業して成功することをめざす人に向けて、自分なりに感じていることを伝えられればと、過去の経験や現在準備中のプロジェクトについて思いつきの順不同で書いている。

 
これまでも最近も、多くの成功をめざす人に会ってきて、よく感じることが「思考の奴隷」状態にいること。
 
真面目でまっとうな人ほどそういう傾向があるが、出されたお題や求められる企画を考える際、スタート位置から間違っているのでは? と感じることが少なくない。
 
クライアントの要望やイメージをちゃんと聞き、予算や過去の積み重ねをしっかり頭に入れ、現状でできる範囲でもっとも良い企画を考える。
こういったプロジェクト構想のやり方は、一見まっとうで、一番いいやり方に思える。
 
けれど、これまでの経験上、このやり方でうまくいくことができるのは、大きな組織に属している人の場合が多く、自分の力で切り開いていかなければいけない独立・起業した個人の場合は、どこかでうまく進まない壁にぶつかることが多い。
 
期待されている企画やプロジェクト案について、クライアントの要望や完成イメージ、予算感や実現可能な条件などを、細かく羅列して組み合わせていくと、クライアントが望むイメージに近い企画プランの大枠が出来上がる。
そして、多くの人はこのフレームに基づいて、自分の経験や想像力を駆使して、できるだけ面白いと思ってもらえる、できるだけクライアントに喜ばれる企画を練る。
そして出来上がった企画は、しかし、どこかで見たようなもので、よくまとまっているけれどパンチが足りない、クライアントが即決しづらいプランとなってしまう。
 
そして、何度も企画案を修正し、クライアントとの打ち合わせを重ねるごとに、そのプランの中身は自身のこだわりやオリジナリティが削られていく。
最後に残ったものは無難で無個性な企画案になってしまい、結局、クライアントのOKをもらえないまま、最悪、ボツとなってしまうこともある。
 
 
 
エンターテイメントで生きていくために、「求められているプランとは、現時点で想定できる条件の枠組みの外にある」という思考を大前提に持つことが大切だ。
 
今、考えられる条件面すべてを書き出した上で、その条件をすべて踏まえた企画は、条件の枠組みの中にとどまる企画、つまり「最大公約数の企画」と言える。
 
けれど、独立・起業して成功をめざす者としては、最大公約数の企画を出しても、「それならクライアントの社内でも出せるよね」というレベルの企画となってしまうので、即NGは出なくても、結果、最後までOKをもらえないということが起こる。
 
我々がめざすべきは、求められる条件の外側に存在する「最大公倍数」なのだ。
(もちろん実際の数学にはない概念だが)
 
 
 
エンターテイメント業界で独立・起業するために、頭の片隅に置いておくべき思考法は「求めている答えは枠の外にある」ということ。
 
この思考法ができれば、ほかのライバルたちと差別化できて、オリジナリティを発揮できる魅力的な企画を生み出すことができる、これまでの経験上、そう考えている。
 
今日2月3日は節分ということで、「鬼は外」にひっかけて、「めざすのは枠組みの外」というテーマでした。