振り返って、2015年12月。小林悠選手は我々にはっきりと宣言した。

 

サッカー日本代表であり、川崎フロンターレの中心選手。Jリーグの顔の1人であるストライカー。

一方で、常にファンサービスを欠かさず、どんな時も家族を最優先に考える優しい男とという素顔も持つ。

 

かつては、サッカー日本代表に毎回のように選出されながら、そのたびに合宿中にケガをしては辞退を繰り返し、本来の実力通りの評価を得づらい巡り合わせも持っていた。

 

「来シーズンは得点王をめざす」

 

そんな彼が、2015年の年末、我々に向けて強い決意を語ってくれた。

 

2015年シーズンは、ケガもあってリーグ戦で5得点しかしていない。そんなシーズンの終わりに出た目標に、正直、ちょっと驚いたことをはっきりと覚えている。

 

そして、2016シーズン。

小林悠選手は15得点を挙げ、チームの得点王となり、初めてJリーグのベストイレブンにも選出された。

 

リーグの得点王は取れなかったが、それでも前年の3倍ものゴールを決めた。

しかも、何度もチームのピンチを救う試合終了間際の劇的ゴールを決めていた。

 

シーズンが進むにつれて、フロンターレの絶対的なエースとして、またリーグを代表するエースストライカーとして、揺るぎない評価を獲得していった。

 

「誰よりも多くゴールを決めること」

 

彼がシーズンを通して実行したことは明確だった。

そして、日々の行動のすべての基準をそこに定めた。

 

食べるもの、飲む水にこだわり抜いた。

チームの練習以外の時間を使って、自主トレーニングやヨガを取り入れるなど、本気でケガをしない体をめざした。

 

私は、2015年末、小林悠選手の宣言を聞いた時に、本気で受け止めなかった自分を恥じた。

 

「やることを明確にする」

 

簡単なようで、それを1年間どんな時も徹底することは非常に難しい。

でも、それを完璧に実行しなければ、大きな目標は達成することができないのは明白だ。

 

「やることが明確」な人が成功する、とは限らないが、成功する人は間違いなく「やることが明確」だ。

 

果たして、2016年シーズン終了後、小林悠選手には複数のJリーグクラブから、数倍の年棒契約のオファーが殺到した。

 

彼の挑戦が成功だったことの証であり、やることを明確にすること、そしてそれを徹底して実行し続けることの重要性を、結果を持って、私にはっきりと教えてくれた。

 

あなたは目標を明確にしていますか?