●所得税シリーズの6日目です。
確定申告なさる方もちょっと気をつけていただきたい所得控除について書いています。
昨日は、「給与所得者の扶養控除等申告書」について書きました。
今日はその中の第一日目として『控除対象配偶者』
について書きます。
控除対象配偶者は、所得控除の『配偶者控除』
が受けられます。
一般的に妻(または夫)を扶養にしているという言い方をしますが、
所得税では他の扶養親族の『扶養控除』と区別して、配偶者控除という言い方をします。
何故、同じ扶養なのに配偶者だけ別扱いするのでしょう?
配偶者だけ別の扱いがあることにご注意下さい。![]()
◎よく、「内縁の妻を扶養しているのに、所得控除してもらえないのはおかしい」
と言われます。
確かに事実婚が多くなっていますから、その言い分もご尤もです。![]()
しかし、税法は法律なので、法律上という括りがどうしてもあるのです。
【控除対象配偶者】
とは、その年の12月31日
の現況で次の4要件のすべて
に当てはまる人です。
(1) 民法の規定による配偶者であること。
ここで、すでに内縁関係の人は除かれています。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
「生計を一にする」
という言葉がこれから頻繁に出てくると思います。
「生計を一にする」
とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではなく、
勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、
これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、
これらの親族は生計を一にするものとします。
仮に病気療養中で入院生活が長引いていても、それに関する費用を支払っていればOKということになります
(3) 年間の合計所得金額
が38万円以下であること。
この合計所得金額
も分かりにくい用語で、説明するととんでもないことになります。![]()
給与所得だけで考えると、103万円の給与収入がある場合には給与所得控除額が65万円あり
給与所得は38万円です。
この38万円を合計所得金額と考えて下さい。
よくいう103万円の壁とはこのことを言います。
(4) 原則として青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。![]()
うっかりしてしまいそうなのが、
例えば、青色申告者の事業主(義父)の営む家業のお手伝いをしているお嫁さん。
事業専従者として給与を受けているのに、別の会社に勤務している夫の配偶者控除も受けてしまうなどといううっかり。これはアウトです。
確かに配偶者控除は受けられる金額なのだけれど、
そもそも青色申告者の事業専従者とは、青色申告者の場合、一定の要件の下に実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例が認められているものなのでアウトなのです。
◆ここで、『その年の12月31日の現況で』という点で、不幸にも年の中途で配偶者が亡くなってしまったら、それまで扶養していたのに・・・
と思うかもしれませんが、ここはきちんと対処してあります。
死亡した時の現況において、配偶者控除の適用要件を満たしていたかどうかを判定し、要件を満たしている場合には、配偶者控除の適用を受けることができるとしています。
例えば、給与所得者が、年の初めには配偶者の所得金額の見積額が38万円を超えていたため、
給与所得者の扶養控除等申告書において控除対象配偶者として申告していなかった場合であっても、
配偶者が年の中途で死亡し、所得金額が38万円を超えないこととなった場合には、
年末調整又は確定申告において配偶者控除の適用を受けることができるのです。
☆ちょっと疑問
になるのが、失業保険。
よくあるのが、年の中途まで仕事をしていた妻。
失業手当は非課税となり、控除対象配偶者の合計所得金額の計算上、失業手当を含める必要はありませんから、ここはご注意です。![]()
出産育児一時金や育児休業基本給付金も含めなくてOKです。![]()
明日は、同じ配偶者でも控除額が違うという話を書きます。
~経営はあらゆる知識から~