北方四島交流事業で思ったことをつらつらとまとめました。


基本は、四島問題は外交問題であり


本音と建て前が厳然として存在し。


国家間の外交とは、時に個人に対して非情な時もある。


その、現実を前提にまとめさせていただきました。



①北方四島交流事業は楽しい雰囲気だが、返還を要求するロシア側四島島民と接する。あくまで外交である。役所側が、現地の事情で服装はラフで靴もスニーカーを推薦してきた。外交なんだから、服装は多少のしっかりした服装を求めるべきでは?

②四島交流事業は、仲良くなることと同時に、日本の豊かさを感じてもらいロシア人島民に「日本に帰りたい!」と思わせる事が大切。ホームビジットのお土産は千円程度などと言わず、それなりの物をプレゼントすればいい。(役所は旅費や宿泊費は補助するが、お土産代は補助しない。逆じゃないか?)



③独立行政法人北方領土問題対策協議会が事業の実施主体。独立行政法人である以上、行革の対象でもあるし、毎年度や数年おきに成果を求める。しかし、北方領土問題に成果主義や行革は不適切ではないか?


④渡航二日目の文化交流では子供たちと、けん玉や紙風船遊び、抹茶体験をしてもらった。これが今の日本の文化なのか?ゲームセンターにある大型のゲームや、カフェラテのコップに絵をかいたりするようなそんなサービスを体験させて、日本の豊かさを痛感させたらどうか?

⑤全ては、北方領土問題は外務省ではなく、内閣府が担当。北方領土交流は外交問題ではないとの整理らしい。理屈のための理屈ではないか?そもそも、四島交流事業は外務大臣同士の書簡で決まったこと。この事一つとっても、日本外交における外務省の問題点の深さと大きさを痛感。田中真紀子外務大臣が「伏魔殿」と呼ぶ意味がなんとなく分かってきた。


⑥北方四島に住むと、公務員は給与が280%=約三倍になるらしい。こうやって辺境地の人口をロシアは戦略的に維持している。


⑦交流から帰ってきた翌日に、択捉島に飛行場完成のニュース。色丹島には舗装された道路は一本もない。四島のうち、択捉・国後には投資をしている。色丹・歯舞には投資をしていない(歯舞は国境警備隊のみ)。しかし、日本は四島返還を求める。そう考えると、国後島に建設された「日本人とロシア人の友好の家(ムネオハウスと批判された)」の存在意義は大きい。鈴木宗男氏失脚ののちは、施設管理費の日本側からの支援が打ち切られたとか。外務省のセンスを疑う。


⑧元島民の高齢化が進み、四島返還は島民二世・三世の世代になっている。しかし、島で生まれた人は島民。つまり、二世とは一度も島で生まれ・生活したことが無い人。墓参事業の継続も含め、戦略的な四島交流事業等を組み立てなければいけない。まだ、具体的な発想はない。もう少し自分自身も考えてみたい。


⑨ロシア側の方が、こうして交流しているが、日本人とロシア人の混住は無理だと思う。と言っていたことが胸に刺さる。ということは、この交流事業の裏側になる本音をもっと露骨に出してもいいのではないか?事業を外務省に戻すべきだ。領土交渉は外務大臣の専権事項だ。




とにかく、行ってみなければわからない。


百聞は一見に如かず。そのものだった。


四島問題を改めて考えさせられる


そして、戦争とはいったい何なのか?


国家とはなんなのか?を考えさせられた。



井林たつのりHP
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