ロコモコがイベントに呼ばれるとき、私も同行することがあります。
自慢でもなんでもありませんが、現場仕事に必要な技術として「ポン出し」というものがありまして。
要は、サンプラーのボタンを押して音楽とか効果音を流す、というそれだけなんですが。
サンプラーにはいくつもボタンがあります。
たとえば、皆さんがよく耳にする「茨への階段」のオープニング曲は「Dー1」です。Dのボタンを押してから1のボタンを押すと音が出ます。
「茨の珍道」で天野順一朗が登場するときは「Eー4」です。
企画コーナーでよく使うゴングの音は「Jー11」です。カンカンカンカーン!ってやつですね。
こんな風に、サンプラーは
「A~J(バンク、と呼びます)」
かける
「1~12」
の、計120の組み合わせに一つずつ音が割り当てられています。
ロコモコのイベントではGバンクの音をよく使います。
なので、バンクはGに固定したまま、数字のボタンだけ押していけばいいんですね。難しいことはありません。
それでも多少のコツなどもありまして。
年に2、3度ですが前日のうちに現場の下見をしておくことがあります。
近隣の一方通行道路を確認しておいたり、広さを頭にいれておいたり、センサーの受信状況を確認したり、まあいろいろするわけです。
当日の混乱をふせぐためです。
で、イベント当日はセッティング、リハを済ませて、打ち合わせ。
出演時間まではロコモコが「なにやるかー、あれやるかー」と話をしてる横で私はもっかい受信チェックしてたりして。
出番前になると、FISHはウクレレを、ADAMはボンゴを、私も機材とカギを持って舞台袖に入ります。
時間になりますと、「では行きますね」と声をかけて「Gー1」を押します。イベントステージのオープニング曲です。
曲が流れるとロコモコがステージに飛び出します(なお、ボンゴはステージが始まる前にセットしておきます。さすがに持って飛び出すのは重いので)。
で、まあオープニングトークなどしている間、私は舞台袖に持ち込んだ受信機とにらめっこです。
センサーに殺し屋がひっかかると、受信機に方角と距離などが表示されます。距離が近ければハンドガンで始末します。銃声が響きますが、お客さんの笑い声にまぎれるので大丈夫です。
問題は、距離があるときや射線上に障害物などがあるときです。
こういう時はサンプラー横のフタを開けて、カギを差し込む。右に2回、左に1回まわすと12ボタンの横に黒色の13ボタンがあらわれる。
バンクはGに固定してあるので、そのまま13のボタンを押せば「Gー13」が点灯し、ゴルゴ13が遠くのビル屋上に現れる。
ゴルゴは、殺し屋が障害物からわずかに身を乗り出した瞬間を狙い、確実に眉間を仕留める。
薬莢が地面に落ちるが早いか、次のターゲットをスコープに入れる。
その間にも俺はステージ下に仕掛けられた爆発物を処理し、後方部隊へ連絡。専門の処理班を要請する。
ステージ上のロコモコは「それではイヤなことが2回続く歌、『ダブルパンチ』です!」などと言っている。
今日は2回どころではないぞ(笑)、と俺は10人目11人目を敵から奪ったナイフで無力化する。。。
襲撃が終われば俺は眼鏡を外す。
ぼやけた視界は、眼前の惨状を意識せずにいさせてくれる。
やがて俺は紫煙を燻らせつつ「G-12」を押す。ステージのエンディング曲だ。
ふと遠くビルの屋上に目をやる。不思議と、葉巻をくわえるゴルゴと目があった気がした。
という感じで、最近はKGBくずれのロシアンマフィアなどが多いです。
ロコモコも昔はいろいろありましたので、まあ狙われるんですね。
ポン出しにもコツがあるんですよ。
次はサイクロンメガネの眼鏡のほう(どっちもメガネやっちゅーねん!)、まさるさん、お願いします。