2022年11月14日




勇気を出して、

リーダーを引き受けてくれた

2人への称賛と感謝から

ミーティングはスタートした。




2人の形式的な

『...いえいえ』

の後、

苦笑いを浮かべながら

当日に向けた

今後の計画を話し始めた。




2人は渋々ながら

言いたいことはしっかり秘めている

様子だった。



そりゃそうだよな、



と、私は頼もしさを感じながら

話を聞いていた。




テーマにする課題を

アンケートで取るとのこと。

設問も作るが愚痴も込みで自由に

書いてもらえるようにと。




大賛成だ。



大概、ポジティブの源泉は

ネガティブが蓋をしている。



愚痴・不満がそれだ。




改善案を出せと言われても、



改善するイメージが湧くよりも前に、

どうせ、という

失敗パターンが次々浮かぶからだ。




ネガティブが吐き出されないと、

ポジティブは視覚にも聴覚にも入らない。

 


そうやっていつの間にかお互い

イメージだけのやり取りになっては

解決しない。



愚痴にこそ答えがある。



それを私達で言語化しよう。



そんな話をした気がする。



2人は

『改善するように頑張ります。』

という言葉と、



『当日なるだけ詰められないようにします。』

という、



歴史が引き起こしている現状を

物語るような言葉を口にし、



ミーティングを終えた。




2022年11月24日





2人の懸命な努力のおかげで

アンケートの回収と

テーマ決めを順調に進めていた頃。



私の元にオブザーバーを依頼した

リーダーとAマネージャーが

憤慨した様子でやってきた。



『別に愚痴を聞きたいわけじゃないんですよ』


『当日愚痴大会になっても困るんですよ』


『これで本当に私達のミーティングのプラスになるんですか?』


『時間の無駄になってないですか?』



マスクがマシンガンになったリーダーが

私に打ち続ける。



逐一リーダー以上には

2人の進捗を報告していたので

驚いて聞いていた。




どうやらたまたまアンケート内容が

リーダーの目に入り、

当リーダーに対しての愚痴だったようで、

それが気に食わなかった事が分かった。




私は配慮が足りなかったことを謝罪し、



たくさんの思いと現状を理解した上で、

一番の課題をテーマにする為に

2人が当日に向けて活動してくれている

と続けた。



『まぁそれならいいんですけど』



と言ってリーダーは仕事に戻った。



するとAマネージャーが

『勘弁してくださいよー。リーダーがマイナス食らってどうするんですか。当日大丈夫ですか?』

呆れ顔で言い放った。




同じマネージャーとして、

どうしても、

腹が立った。



この一連のやり取りを、


カウンターリーダー2人が聞いているからだ。




Aマネージャーが離れた後、

案の定、

2人が心配そうに近づいてきた。



『申し訳ございません。やり方変えた方がいいですよね。変えます。』




私は抱えそうになった頭を

元に戻し、



本気でやってるってこういうことだよ。

あっ、もっと本気でやる方法でも見つかった?



と返すと、



『いえ、このまま続けます。アンケートのことは私からも謝罪します。』



と、目に涙を溜めながら

小さく答えた。




きっとこの辺りだ。



心にズキンとヒビが入ったのは。



まだ想像もしてない崩壊。



でも、今振り返ると分かる。



ヒビが入ったら早い。






2022年12月1日



カウンターリーダー2人が参加した

初のフロアミーティングの日。



私の、

リーダー以上のメンバーへの感情は、


先月とはもう違った。





次回

【第5話】得体の知れない崩壊②


に続きます。