2022年10月3日





窓を開けながら

荷解きをしていた。



10月の新潟は

思ってたより暖かかった。




見慣れない

錆びたオレンジの道路を横目に、

妻と無数のパンダのダンボールを

ひとつずつ開けていた。




にしても、


妻には頭が上がらない。




3年半前茨城で出会い、

2年半前に交際。




半年前、

私に千葉への異動命令が来た。



一緒に来てほしいと

茨城での仕事を辞めてもらい同棲、

7月に婚約。




妻が千葉での仕事が決まったタイミングで、

私に新潟への異動命令が来た。




異動先は、

全国社内売り上げトップクラスの店舗。

そうそう経験できる機会はないし、

期待されていることは純粋に嬉しかった。




12年目ということもあり、

マネージャーとしての今後のキャリアや、

今の会社や仕事に対して、

やりがいを感じたり、違和感を感じたり

しているこのモヤモヤに、

ケリをつけたいと考えるようにもなっていた。




私にとって、

この会社の縮図のような

店舗で働く機会は、

正にうってつけだった。




と、ありのまま話した際も

妻は、



『そっかぁ...わかった!まぁでも

新婚で早々に別居っていうのもねぇ』

と、

妻は内定をもらった仕事を蹴り、

すぐさま新潟の仕事を探してくれた。




振り回している申し訳なさを

妻の覚悟がいつも吹き飛ばしてくれていた。




1人じゃ想像もできなかったスケールで、

『絶対幸せになろう』

と私は心に誓った。




転入を済ませた市役所の帰り、

このへんで一番美味いと評判の

背脂ラーメンを2人で食べた。




評判通りの味と優しいお店の雰囲気に

胸躍りながら、




私の新潟の新生活がスタートした。