☆七夕賞
【第60回・GⅢ】
福島競馬場・芝2000m(A)
3歳以上オープン/ハンデ
◎⑥アラタ
○⑩リフレーミング
▲⑤カレンルシェルブル
△④ボーンディスウェイ
自信度:B-
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

先週のラジオNIKKEI賞。本命馬がロスのない競馬で抜け出した瞬間は「それ見ろ!」と膝を叩いたものの、最後に大外を強襲されて2着。勝ち馬オフトレイルに印が回っていなかったことは反省だが、正直に言うと本命馬以外は大差のない評価で、あの頭数でたくさん印を打つわけにも行かずに絞った結果だったので、予想の内容自体には納得している。

今週は休載させていただくことも考えたが、せっかく先週のラジオNIKKEI賞で福島競馬場の狙い方を解説したので、皆様に先週の復習も兼ねて理解度を深めていただくべく七夕賞を取り上げたい。

常々言ってきているように、競馬の予想能力を向上させるのは予想ではなくレース後の復習。予想は復習の上に成り立っていないと実力は上がらない。その場限りの「当たった、外れた」など意味を持たない。

学校の勉強もそうだっただろう。予習はやっておくに越したことはないが、一番大事なのは授業そのものと反復復習。テストもそれそのものよりも結果が出たあとの復習が大事だったはずだ。
授業に先立って単元をただただ盲目的にクリアしていくタイプの「公○式」という学習塾があるが、あそこに通っていたクラスメイトは軒並み偏差値は平均以下で、筆者は心底バカにしていた。結局、そのやり方では知識自体は何も定着していなかったということだ。

■テーマ

傾向は「細部まで正確に」とらえなければいけない。
「前残り天国=差し馬絶対不利」などという大ウソに騙されるな!

■狙い方のポイント

現在のJRAの番組進行が大きく変更されなければ、三歳馬のハンデ戦のラジオNIKKEI賞(1800m)⇒古馬混合の七夕賞(2000m)が連続する流れは変わらないだろう。
競馬における1F=200mの違いは求められる能力や傾向自体も大きく変わる場合があるが、この場合は大きくは変わらない。
実はこの二週間が終わると11月のエリザベス女王杯当日の福島記念まで福島競馬場で行われる重賞競走は行われない。だからこそ、毎年きちんと思い出せるように狙い方の理解を定着させてほしい。

もう一度、先週のラジオNIKKEI賞記事でも掲載した福島競馬場のコース平面図(参考図)を見てほしい。

(参考図)引用:JRAホームページ




先週詳しく解説した通り、福島競馬場は小倉競馬場とツートップと考えていい「超小回りコース」。正確に言うと一周の距離は全競馬場で一番短いコースである。
しかしながら、小回りコースだからこそ先行したい馬がポジション取りを求めてテンから速くなりやすく、特に2000mでは1コーナーまではそれなりに距離もあるためにペースはある程度流れることが多い。
そして福島競馬場では3コーナーにスパイラルカーブがあり、スピードを保ったままコーナーに突入し、ギュッと急カーブを経て4コーナーの出口を抜けた瞬間、短い直線が待っている。

従って、コーナーにおける減速耐性能力に長けていて相対的に加速できる差し馬がスピードを保ったまま直線に出てくると、緩やかに坂のある直線で減速した先行馬を差しきってしまう現象が多発する。

直線に入ってからエンジン全開になるような追い込み馬ではさすがに厳しいが、「前残り天国」は大ウソである。だいたい、近年の七夕賞が前残りで決まったことなど、トーラスジェミニの年くらいである。

見るべきはもちろんこの福島競馬場を中心に、小倉競馬場、函館競馬場などの小回りコースにおける成績、そしてレベルの高いレースで良い内容で走れているかどうかである。

■予想詳細

本命はアラタ!

3年前と2年前の福島記念における二年連続の3着馬。
福島競馬場におけるコース適性はドンピシャである。

そして、もともと夏の函館開催を連勝してオープンクラス入りし、昨年の巴賞(函館競馬場・OP)ではドーブネを沈めて勝ちきったように、この時期の小回りコース成績は抜群。

狙い方のポイントに見事に合致する。

3年前の福島記念といえばジャパンカップでイクイノックス相手に大逃げを打って見せ場を作った世界の大逃走馬・パンサラッサ(サウジカップ、ドバイターフ)が頭角を表したレースであり、他にもジャックドール(大阪杯)、ドゥレッツァ(菊花賞)、プログノーシス(札幌記念、金鯱賞)らトップレベルの馬とと渡り合って、互角とは言えないまでも追いすがって少し後ろには来ていた馬。
実績は今回のメンバーでは断然で、トップハンデを背負うのも仕方がなく、実力的に適正と言える。

加えて陣営は「七歳馬にして一番のデキ」とコメントを出しているように、得意の季節を狙って仕上げてきた。来週の函館記念ではなく敢えてこちらに出てきたということで、ここが勝負だろう。


対抗はリフレーミング。

もちろん前々走の福島民報杯を評価したもので、福島競馬場では2戦2勝。

本命のアラタもこの馬も「差し馬だから」という理由で人気になりきらない(アラタに至っては6番人気)が、実際にこのコースで後方からレース後半に加速して差してきた実績がありながらイメージ補正で人気にならないのは、筆者から言わせてもらえば「奇妙」でしかない。

同じく福島民報杯組から▲カレンルシェルブルと△ボーンディスウェイを抑える。