☆安田記念
【第74回・GⅠ】
東京競馬場・芝1600m(左回りCコース)
3歳以上オープン/定量
◎⑰セリフォス
○⑩ソウルラッシュ
▲⑮ヴォレッジバブル
△⑦ロマンチックウォリアー
△⑬ステラヴェローチェ
△②ガイアフォース
△⑨パラレルヴィジョン
自信度:A
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

先週行われた日本ダービー。筆者は幕張メッセでの握手会に参加していたので、中抜けして中山競馬場のパドックの画面で観戦していた。
56歳の名手・横山典弘騎手が優勝して久々の「ノリマジック」に驚嘆させられたが、筆者が驚いたのはレースの流れである。メイショウタバルが競走除外になったとはいえ、あれだけの超スローペースからの超ロングスパート合戦になっては、来年からのダービー予想が難しくなったなというのが一番の感想であった。あのペースでは直線後ろから行く組には厳しく、◎コスモキュランダは物理的に苦しかった。

昨日の鳴尾記念は個人的には的中しているが、記事は書かなかった。「書けなかった」のである。
新聞も買わず、予想したのは当日の朝で、スマホの馬柱だけを数分見て買ったものであった。
3日間、大阪に出張に来ていたのである。特に出張や研修の多い仕事ではなく、状況によっては忙しくなる時期があることもあるが、筆者にとって「仕事」というものの重要度は競馬で言えば「掲示板にも乗らない」順位。仕事で疲れることはほとんどない。AKBの公演が当たれば直前でも休むし、有給休暇は当然フル消化。競馬の収支と比べたらいけないものかもしれないが、コスパが悪すぎる。
そんなわけで、珍しく疲労困憊の状態ではあるものの、昨日で研修も無事に終わったので疲弊した体力を振り絞って夜更けまで思考能力フル回転で予想したので、安田記念はきちんとした質でまとめて記事もいつも通り掲載する。感謝してほしい。笑

香港から現地でやったらとても叶わないような超トップレベルの馬が来て面白いレースになった。的中して上半期の東京競馬場ラストG1を飾りたい。

■テーマ

基本中の基本となる条件「東京1600m」で行われるトップマイラーのガチンコ頂上決戦!
例え雨でもその資格を持つ馬をきちんと狙うこと!

■狙い方のポイント

毎年、日本ダービー⇒安田記念のこの時期に書いていることだが、我々にとっての勝負どころは日本ダービーではなくこの安田記念である。

先週のダービーではダノンデサイルの快勝劇は確かに強く「見えた」し、大ベテランの名手・横山典弘騎手の三度目のダービー制覇には唸らされ、確かに感動させられた。しかし、注目していきたいのは、ダノンデサイルがドウデュースのように「ダービー馬」としてこの後のG1戦線で古馬相手にも活躍していけるかどうか。
いつも「ダービー馬は駄馬ばかりだ」と筆者は言ってきたが、仕方がない部分はある。先週も書いたように結局は牡馬とはいえまだ三歳馬。東京2400mは非常にタフな条件で、必ずしも一番強い馬が勝つような実力勝負にならない部分はある。結局ジャスティンミラノは完敗したし、コスモキュランダやレガレイラは掲示板前後が精一杯だった。

翌週に行われる安田記念はそれとは一変する。

今回で言えばG1馬7頭、これまでに5勝以上を挙げている馬が12頭が集まり、そのほとんどが特にマイル路線の最前線でシノギを削ってきたトップマイラーである。
そしてその実力馬達がぶつかり合う舞台は東京1600m。
競馬において最も基本となる条件で、コーナリングの上手さも、急坂を登る適性も要らない。数えていないが、おそらくJRAの重賞で最も多い距離条件だろう。

ちなみに、マイルチャンピオンシップに関しては阪神競馬場で代替されていたときは実力勝負になったため安田記念とも関連したが、京都競馬場に戻ってからは滑り台適性と登坂適性が問われ、何故か改修後から若干パワーが必要になったため安田記念とは問われる能力が違うため連動しないと見た方がベターだと思われる。

当然、一流中の中の超一流を決めるレースなので、勝つのはその資格がある馬である。
・これまでのG1実績、まだ実績が足りなければ、ここ最近で見せてきたパフォーマンス。
・当然、いつもG1で活躍している超一流の騎手が騎乗していること。今年上半期のG1レースでは久々のG1勝利、初G1勝利という騎手が何度か見られたが、安田記念でそうはいかない。
[該当:④⑨⑩⑫⑮⑰⑱]
・もちろん超一流の活躍厩舎所属、優秀な血統背景、有力馬主の所有というプロフィールであること。

今日は昼頃から小雨が降り続く予報になっているが、グチャグチャの道悪競馬にはならなさそう。
昨年の高松宮記念みたいになってしまえば道悪シフトで予想するが、実力勝負になると見て予想したい。

■予想詳細

本命はセリフォス!

どう見ても香港馬を迎え撃つ日本馬の総大将はこの馬で「セリフォスで仕方がないが、おそらく1番人気だろうな」などと思っていたら、まさかの3番人気。ナメてるのか。
ソングラインとシュネルマイスターが引退した今、その2頭ともほぼ互角に渡り合っていたマイル路線のトップランナーであるセリフォスが日本馬最強という点はおそらく間違いない。

デビューして三連勝(新馬戦⇒新潟2歳S⇒デイリー杯2歳S)すると、1番人気に推された二歳マイル王決定戦の朝日杯FSではのちの日本ダービー・有馬記念馬ドウデュースには負けたものの2着。

明けて三歳馬になると、例えば今年の安田記念には三歳馬の参戦はなく、それほど敷居が高いレースであるが、セリフォスは三歳時からマイル最強馬がぶつかり合う安田記念に参戦し、最強馬ソングラインとコンマ1秒差の4着と好走してみせた。

秋に富士Sで始動すると一つ上の世代のソウルラッシュを退けて優勝すると、勢いに乗ってマイルCSを制覇しいよいよG1馬となった。

昨年の安田記念はやはりソングラインには叶わなかったが、それでも意地のコンマ2秒差2着。ソングラインという絶対的な壁があったが、三歳時から連覇していてもおかしくなかった。
つまり、トップマイラーが集まるマイル最強馬決定戦である安田記念において連続で好走しているということからも、セリフォスが超一級マイラーであることは歴然たる事実といっていいだろう。

それが3番人気に甘んじている理由はこれだろう。

マイルCS8着⇒香港マイル7着⇒マイラーズC2着

一昨年に優勝したはずのマイルCSを負けたことで「一時期の強さがない」などという意味不明な論評を聞いたことを覚えているが、ポイント欄で記したように実力勝負になる阪神競馬場と、特殊な適性も求められる京都競馬場とは内容が違う。

まして香港マイルは根本的にまるで違う種類の話で、勝ったのは現地で数年間無敵の無双状態のゴールデンシックスティ。香港競馬は香港競馬のまた違う適性が求められ、遠征してゴールデンシックスティの4馬身半差なら、まぁそんなもんである。

今回は明らかに叩き台であったマイラーズCを使って稍重適性の差でソウルラッシュに負けたものの、そこからいよいよ本番の安田記念に三度目の正直で臨んできた。

日本馬の総大将に騎乗するのは日本人最強ジョッキーである泣く子も黙る川田騎手(彼の場合、さらに激しく泣かせる気もするが笑)。そして川田騎手x中内田厩舎のゴールデンコンビである。一週前追いきりには川田騎手が騎乗して渾身の仕上げ。

そしてマイラーを出させたら断然のダイワメジャー産駒。母父はフランスダービー馬で、血統面も超一流である。
この産駒は道悪競馬も得意で、そういえばダイワメジャー自身も喉鳴りがあって雨の日はよく走った。

外枠に関しても雨が降り続ける予報(降ったものが乾くのであれば話は逆だが)を考えれば悪くなく、川田騎手がしっかりエスコートしてくれるだろう。


対抗にソウルラッシュ。

安田記念で負けてマイルCSで好走したこと、そもそも東京競馬場は未勝利ということで、同じタイプのナミュールとともに高く評価する予定はゼロに近かったのだが、この天候では仕方がなく評価は爆上げの対抗評価。

とにかく「良馬場以外」の重たい馬場では鬼のように走るタイプで、雨は降れば降るだけいいだろう。

モレイラ騎手がこの馬に乗るのも脅威である。

▲ヴォイッジバブルは香港マイルで超最強馬ゴールデンシックスティの1馬身半差2着、2000mの香港ゴールドカップではロマンチックウォリアーに追いすがるクビ差2着。香港のトップマイラーであることは間違いなく、この距離ならロマンチックウォリアーとは互角以上に戦えるということでの遠征だろう。

久々にお目にかかる名手ザカリー・パートン騎乗も脅威であり、ソウルラッシュ鞍上のモレイラvsパートンが見られるのも非常に楽しみである。

△ロマンチックウォリアーは香港で14勝、G1・7勝という最強馬。このレベルの馬が遠征してくるのは凱旋門賞馬がジャパンカップに遠征してきていた時代以来で、宝塚記念に続戦するつもりなら本命で仕方がないだろう。

ヴォイッジバブルもそうだが、評価を下げているのはやはり東京競馬場に適性があるかどうかが不透明だからという点が大きい。

△ステラヴェローチェはレースが降雨によってスタミナ適性が求められる中距離寄りの流れになった場合、道悪馬場大得意のこの馬に出番があるだろう。

△ガイアフォースは昨年の4着馬。初ダートのフェブラリーSでも2着に好走したように、東京のマイル戦は得意舞台。パンパンの時計勝負では分が悪かったが間違いなく時計がかかる決着になりそうなこともこの馬には幸運だろう。

△パラレルヴィジョンは道悪の鬼キズナ産駒で、ルメール騎手騎乗。ニューイヤーS⇒ダービー卿CTと連勝しているが、東京競馬場でも2勝しており、中山専用機ではない。

【編集後記】

ちなみに、昨年もセリフォスを本命にしている。
昨年の記事も読んでみると面白いだろう。何がって、書いてあることが同じなのである。もちろん、コピーしたわけではない。
安田記念に関わらず、結局はどのレースも毎年狙い方は同じだということ。そして少しずつアップデートしている。だからこそ、毎年勝てるのだ。