☆優駿牝馬(オークス)
【第85回・GⅠ】
東京競馬場・芝2400m(左回りBコース)
3歳オープン/牝馬/馬齢
◎⑦ステレンボッシュ
○⑬スウィープフィート
▲⑭ライトバック
△②クイーンズウォーク
△⑰タガノエルピーダ
△①ミアネーロ
△⑫チェルヴィニア
△⑩アドマイヤベル
自信度:A
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

土曜日の平安Sはハズレ。最終的に6番手評価の△まで評価を落としていたミトノオーは地方重賞を渡り歩いてきた実績があり、「勝つのは四歳馬」として実は当初は本命候補でもあった。実力を見誤った筆者のミス。
2着のハピもまさかの天皇賞・春出走で挙げ句に競走中止明けであったため評価しなかったが、これも実績はきちんとあり、裏目裏目の結果になってしまった。
◎スレイマンは負けすぎだが、○ミッキーヌチバナも▲ハギノアレグリアスも惨敗で、筆者としても全く予想外の結果。申し訳ありません。

取り返すべく日曜日はというと、早いものでついに今週はオークス、来週には日本ダービーが行われ、そして二歳馬による新馬戦がスタートする。
ついこの間ようやく春競馬本番でG1連戦が始まるなどと言っていたら、もう来週の日本ダービーが終われば安田記念と宝塚記念を残すのみ。
筆者ももう35歳。最近は時計が速すぎて、追走できなくなってきた(苦笑)やってくる大好きな夏はきちんと味わって過ごしたい。

■テーマ

「距離適性」は無視!
全馬にとってタフで距離が長いオークスでモノを言うのは結局「底力」!重賞優勝馬を狙う!

■狙い方のポイント

二歳〜三歳の牝馬路線については常々教えてきたようにトップレベルの馬がぶつかり合って成長してきた舞台は全てマイル(1600m)のレース。阪神ジュベナイルフィリーズ→チューリップ賞→大本番の桜花賞。
そしてそこに参戦するために勝ち上がってきたレースはさらにそれより短いレースであることも多く、とにかくよりスピード能力に長けた馬達が最前線を牽引してきたことになる。

それが突然、三歳馬とはいえまだデビューして1年も経っていない牝馬が一気に距離が伸びる2400mを走らされるのである。

当然ながら、JRAに存在するG1レースでほぼ全ての馬が初めての距離を走ることになるなどという異質極まりないG1はこのオークスのみである。

したがって、この段階で2400mに適性がある/ないなどという推測は論理的な根拠に乏しく、というよりやったことがないものに得意も何もないのである。

そういえば、いつか筆者がジェンティルドンナに確信の◉を打って圧勝したときも、ドナウブルーの妹がこの距離を持つわけがないなどと意味不明なことを言われて桜花賞馬なのに何故か3番人気とナメられており、ずいぶんムキになって勝負した思い出がある。
言わずもがな、ジェンティルドンナは古馬になってもジャパンカップを連覇し、ドバイシーマクラックを優勝し、引退レースの有馬記念で有終の美を飾った。
血統評論家などこの程度。大ホラ吹きである。笑
(血統も大事な要素だが、あくまで要素の一つ。)

そう。「距離適性」を探るなどということはしないことが大事になる。そんなもの、春の三歳牝馬には関係ないのである。
「オークス向き」「桜花賞向き」そんな表現に惑わされてはいけない。もしかしたら筆者も過去のオークス予想記事の中で書いたことがあるかもしれないが、この週になると頻出するこれらの評価は無視すること。

それでは、どういう要素が重要になるのか。

ほとんど全ての馬にとって長く、加えてスピード競馬に慣れてきたため「距離が長いのにハイペース」という地獄のようなタフなレースになり、結局最後にモノを言うのは実力と「底力」である。

昨年のリバティアイランドや一昨年の二冠馬スターズオンアース、四年前の無敗三歳馬デアリングタクトにG1九勝(!)を誇る怪物・アーモンドアイなど明らかにこの時点で実力が抜けすぎている桜花賞馬は普通に勝てるレースで、今年ならステレンボッシュもそうである可能性もあるが、その相手にも重賞優勝馬やG1実績馬が来ることになっている。他があったとしても忘れな草賞(OP)1着馬ぐらいだろう。

[cf]
23年:
桜花賞馬⇒クイーンC馬⇒札幌2歳S馬(15番人気)
22年:
桜花賞馬⇒フラワーC馬⇒チューリップ賞馬
21年:※この年は桜花賞馬ソダシが惨敗
阪神JF3着馬⇒クイーンC馬⇒実績なし(16番人気)
20年:
桜花賞馬⇒フローラS馬⇒忘れな草賞馬
19年:※桜花賞馬グランアレグリアはNHKマイルCへ
忘れな草賞馬⇒※スイートピーS馬⇒クイーンC馬
18年:
桜花賞馬⇒桜花賞3着馬(阪神JF2着馬)⇒桜花賞2着馬(阪神JF馬・チューリップ賞馬)
17年:※桜花賞馬レーヌミノルが惨敗
阪神JF馬・チューリップ賞馬⇒フローラS馬⇒クイーンC馬

つまり、桜花賞馬がマイラーと判断されて出てこなかったか惨敗してしまうような馬でなければ、勝つのは桜花賞馬であり、2着馬3着馬もほぼ重賞優勝馬か桜花賞もしくは阪神JFの実績馬であることが分かる。

■予想詳細

本命はステレンボッシュ!

「戸崎かぁ、、なんで戸崎かな、、」と呪文のようにため息を付いていた一週間であったが、世界のマジックマンことジョアン・モレイラ騎手の優雅なエスコートによる桜花賞制覇から乗り替わることはもちろんプラスにはならない。
ならないが、それを差し引いたところで、桜花賞でアスコリピチェーノに喧嘩を挑んで筆者が本命にして勝ちきってくれたパフォーマンスはまさに「桜花賞馬」らしい素晴らしいものであった。
上記したポイントから鑑みても強い桜花賞馬はきちんと勝ちきっている傾向にあるオークスで、まさか惨敗するような馬には思えず、アスコリピチェーノもいない今回は評価を下げて抵抗するのは無理がある。不動の本命だろう。

桜花賞予想記事で書いた通り、阪神ジュベナイルフィリーズ2着は出遅れた上に直線でエンジン全開になるまでにかなり手間取ったもの。
それをモレイラ騎手が全て解決して中団からスムーズに加速してエンジン全開のままアスコリピチェーノを抑え込んで先頭でゴールに飛び込んでくれた。
見事な桜花賞制覇だったと評価している。

後述するが、今回、桜花賞以外の組はいつも評価するクイーンカップも含めて総じてレベルが低く、相手はやはり桜花賞組になるだろう。
そうであれば、桜花賞2着馬アスコリピチェーノもマイル路線に転向して不在となれば3着以下の馬の逆転があるかどうかの推測になるが、その根拠となりうる要素は現時点では見当たらず、可能性は相当に低いと言わざるを得ない。

今週のオークスでステレンボッシュ、来週の日本ダービーでジャスティンミラノと連続で1番人気馬に騎乗することになる戸崎騎手。やれると期待したい。


問題は相手である。対抗はスウィープフィート。

桜花賞は4着。3着馬ライトバックに先着されているが、直線で前が詰まって出し直すロスがあり、あれがなければ逆転していた可能性は少なくない。

そしてその前走のチューリップ賞は2着馬にコンマ3秒の差をつける完勝。朝日杯FSでのちのNHKマイルカップ馬ジャンタルマンタルと僅差だったタガノエルピーダはこのチューリップ賞で4着に敗れて賞金を積めず、桜花賞に出られなくなったため忘れな草賞に回ってオークスを目指すことになった。

母の母はあのスイープトウショウで、父はスワーヴリチャード。距離が長すぎてガス欠ですというシーンはまず考えられず、重複勝ち負けになるだろう。

▲ライトバックは桜花賞3着馬。この流れでは当然の評価になる。後方から飛んできた桜花賞は見かけ上派手に見えたがよくある3着確保パターンで、スウィープフィートよりかなりスムーズだった。

△クイーンズウォークはクイーンカップ馬。筆者が毎年2月に口酸っぱく「オークス予想に絶対に繫がるのでクイーンカップは予想した上できちんと分析しなければならない」と言い続けて記事も書いてきたクイーンカップだが、今年はさすがにレベルが低調だった可能性がある。

サンデーレーシング所属の中内田厩舎x川田騎手のゴールデンコンビのクイーンカップ馬なので怖いため抑えるが、どうだろうか。

△タガノエルピーダは忘れな草賞馬。チューリップ賞でも忘れな草賞でも本命にしていた馬で、阪神ジュベナイルフィリーズを除外されて翌週の牡馬の朝日杯フューチュリティSに突っ込んできてウルトラハイペースのレースを3着に残した時は相当強いのではないかと感じていた。

痛恨だったのはチューリップ賞。あれで全ての歯車が狂ってしまった。忘れな草賞は完勝したが相手を考えれば当然で、ペースもある意味せっかく2000mのレースであったのに、かなりのハイペース。今回のオークスの前哨戦として合う感じは全くしない。

△ミアネーロはフラワーカップ馬。

△チェルヴィニアは評価過剰で2番人気の意味が分からないが、アルテミスS馬。

△アドマイヤベルはフローラS馬。基本的にフローラS馬は来ない。毎年フローラS馬を本命にしたがる人がいるが、病気じゃないかと思っている。