☆ヴィクトリアマイル
【第19回・GⅠ】
東京競馬場・芝1600m(左回りBコース)
4歳以上オープン/牝馬/定量
◎③スタニングローズ
○⑩ナミュール
▲⑥マスクトディーヴァ
△④コンクシェル
△⑦ハーパー
△⑤ウンブライル
自信度:B-
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

昨日行われた京王杯スプリングカップでは自信の本命レッドモンレーヴが直線最後方から猛烈な末脚で強襲し全ての馬をゴール寸前なんとか差し切って決勝線に飛び込んだまさにその瞬間だけ、前から抜け出していたウインマーベルに寸分差し返されてのハナ差2着。
3着馬を無視していたので三連単は外れていたが、一万円持っていた単勝4.1倍が外れたのは痛恨の極みで、馬連で半分は返ってきていたものの、レース後はしばらく呆然としていた。
ただし、昨日書いたように予想としては好調で、馬券の構成はともかく▲⇒◎で決まって予想内容は完璧。
差し返した勝ち馬が強く、褒めるしかないだろう。

今週は牝馬のG1ヴィクトリアマイルが行われる。
ただし、今日に関しては皆さんが忘れがちで絶対に忘れてはいけない要素がある。
ナミュールとマスクトディーヴァが強いことは誰でも分かるが、「全ての要素を鑑みて、レースごとの状況によって重視すべき要素は何かを結論に取り入れる」のが競馬予想。だから筆者は人気馬も大穴馬も本命にして「勝てる」のである。
一昨年の雨のエリザベス女王杯で11番人気のライラックを本命(2着)にできたのは、そういうことなのだ。

■テーマ

「強風」が吹く時に恵まれる馬を忘れないこと!

■狙い方のポイント

「何を重視して予想してるとそんなに勝てるの?」と聞かれることがある。

呆れて困り果てる質問だが、「……全部。」と答えるしかない。

実績以外にも騎手や調教師で予想する、調教、血統、なんとか指数、パドック、、いろいろあるが、全ての要素を取り入れることが必要である。
それらを総合してレースごとの狙い方と合わせて重視すべき要素を含めて考えに考えて、証明問題のように結論を導くのが競馬予想である。

調教を特に重視するのは前哨戦と夏と冬。ジャパンカップで調教が足りなくて負けるわけがない。
血統は坂のあるコースが得意、高速馬場に対応できる、特定の条件で極端に成績が良い悪いなどの背景を取り入れるべき時に役に立つ。
戸崎騎手は関西のG1では役に立たない。
つまり、こういうことである。

その中で、忘れがちであって絶対に忘れてはいけない要素がある。「天候」である。
その中でも特に、「強風」が吹いている時には、どの方角からどれぐらいの風が吹いているのかを調べていることが絶対に必要になる。

雨が降った時に馬場状態がどうかを気にすることは、だいたいの人がやっている。
しかし、絶対に直線の伸び方に影響する強風が吹いているのに、それを分かっていながら結局、いつも通りに予想してしまい、向こう正面でずっと強烈な向かい風を受けることになる人気の逃げ馬を本命にして沈んだり、強風で砂が舞うダート戦で直線で後方から人気の差し馬が総崩れになって穴馬が逃げ切ったりといったときに対応できなくなるのである。

ウェザーニューズ社の予想では、今日の東京競馬場は強烈な南風(10m/s)が吹く予想になっている。
方角的には向こう正面から直線スタンドに向けて吹くことになるので、向かい風を受ける1コースから2コースにかけてペースが上がるわけがなく、ただでさえペースが上がる3コーナーから4コースの出口にかけて強烈な追い風を受けて加速することになる。
そして、雨の日に歩いているときの傘の差し方(雨の受け方)を考えてもらえば明らかだが、(向こう正面も含む)直線部分では、横から受ける風は推進力を削ぐことになる。

もう、文系の人でも分かるだろう。
ペースが上がらず逃げ馬・先行馬はマイペースで走れることになり、加速して直線を迎え、直線で後ろからの馬が前を捕らえることは難しい状況になる。
さすがにあれだけ長い直線なので逃げてそのまま逃げきることはそれなりに難しいが、先行馬で長い脚を使える馬は差し馬を抑え込んで勝ちきるのに絶好の環境になるのである。

■予想詳細

本命はスタニングローズ!

何故かいつも人気にならないが、これだけ強い馬が人気にならない理由が分からない。オークスでスターズオンアースとコンマ2秒差だった馬で、同じ着差で3着に下したのが今日の1番人気のナミュールである。
さらに、ナミュールには秋華賞でも下している。

少なくともこの時点ではスタニングローズの方が実力が上だったとも言え、今日はナミュールが1番人気。スタニングローズは単勝オッズでは6倍近い差がある5番人気である。

昨年は中山記念でヒシイグアスと僅差、シュネルマイスターとクビ差の5着からこのヴィクトリアマイルに臨んだものの、まさかの出遅れで惨敗(12着)。
それでも直線は最後方から猛烈に追い込んできており着差は5馬身差まで詰めてきていた。

その後は脚のトラブルで10ヶ月も休むことになり前走の大阪杯で復帰して3馬身差の8着。読者の方は覚えていらっしゃる通り、筆者は本命にしていた。
きちんと仕上げてあると思っていたが、多少予想に無理があったかもしれない。明らかに直線での頑張り方は休み明けの感じだった。申し訳ありません。

それでも、大きく負けてはなく長期休養明けとしては合格点のレース。実力馬が一度使った上積みは大きく、宝塚記念に向かうのではなく牝馬限定戦のここを狙いにきた。
陣営のコメントはかなり強気で、それもそのはず、調教の映像では騎手は「ただ乗っているだけ」で坂路の真ん中を馬が全くブレずにグイグイ登坂していく素晴らしい調教。坂を登るわけで、多少苦しい馬は端っこを走るのだが、ド真ん中であれだけブレずにガシガシ走っていれば、馬の闘志が前向きなのは間違いない。

そこで狙い方のポイントにある展開面である。

逃げるのはコンクシェルだろうが、ゲートさえ出遅れなければ、その後ろにピッタリ付けて直線で抜け出す競馬になることはおそらく間違いなく、あとはオークスと同じ競馬をすればいい。

血統面でキングカメハメハ産駒であることが言われているが、母の父はクロフネである。
血統には顕性と潜性(昔でいう優性と劣性)があり、クロフネはおそらく顕性の方で、産駒に特徴が出やすい。
東京マイルといえばクロフネ産駒の庭であり、ヴィクトリアマイルだけでもソダシにホエールキャプチャ、母の父としてノームコアが優勝している。

先行馬に乗せたらピカイチのお気に入り西村淳也騎手に期待したい。


対抗にナミュール。

二歳時には阪神ジュベナイルFで1番人気4着。

牝馬クラシックでは出遅れた桜花賞10着、オークスは前述の通りスターズオンアースとスタニングローズに負けて3着。秋華賞でもスタニングローズに負けて2着。エリザベス女王杯は道悪馬場に殺されて5着。

古馬になって臨んだ昨年のヴィクトリアマイルは2番人気で7着、安田記念では惨敗。

典型的な本番では勝てない馬で、昨年のマイルチャンピオンSでは前哨戦の富士Sを勝っていても筆者は軽視しており、さらにダミアン・レーン騎手が直前で乗り替わるアクシデント。筆者はまず勝てないと思っていた。

結果はご存知の通り。代打騎乗で勝たせたのが、亡くなった藤岡康太騎手である。陣営の悲願を成し得た功績は後世語り継がれるだろう。

香港マイル3着、ドバイターフはタイム差なしの2着と日本マイル界を引っ張ってきたトップホースであることは間違いなく、今日も安田記念でもおそらく人気に推され、好走できるだろう。
マイル界ではジャンタルマンタルという新星が出てきて、アスコリピチェーノもマイル路線かもしれない。
ナミュールはクラブ馬なのであと何年も現役ではいられないが、引退するまではマイル路線の先輩として頑張ってほしい。

▲マスクトディーヴァは昨年の牝馬クラシックではローズSで頭角を表すと、秋華賞では王者リバティアイランドを大外から猛追し、1馬身差まで詰め寄ってみせた。リバティアイランドは大楽勝で最後は流しており、最後まで本気で走っていればあれだけは詰まらなかったかもしれないが、実力が確かであることを証明した。

前走の阪神牝馬Sを快勝してモレイラ騎手の継続騎乗は脅威になるが、ルーラーシップ産駒は東京マイルでは本当に走らない。
ナミュールより強いかと言われるとそんなわけはなく、▲が妥当だろう。

△コンクシェルが逃げることはほぼ間違いないと思われ、展開面でのアドバンテージが大きい。

△ハーパーは人気はないが、昨年のオークスではリバティアイランドに続く2着だった馬。秋華賞でも3着、エリザベス女王杯でも1馬身差の3着だった馬で、マスクトディーヴァを評価するなら抑えていないといけない馬。

△ウンブライルは昨年の同条件NHKマイルカップでタイム差なしの2着だった。前走の阪神牝馬Sでもマスクトディーヴァに続いており、抑えたい。