☆京王杯スプリングカップ
【第69回・GⅡ】
東京競馬場・芝1400m(左回りBコース)
4歳以上オープン/別定/安田記念TR
◎④レッドモンレーヴ
○③ソーヴァリアント
▲⑮ウインマーベル
△⑦グランデマーレ
△①トウシンマカオ
△⑬ダディーズビビッド
△②リュミエールノワル
自信度:B+
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

競馬予想では桜花賞◎⇒○の大的中から天皇賞・春○⇒◎、先週のNHKマイルカップ○⇒◉と絶好調。
毎年桜花賞あたりから暑くなりかけていく春競馬本番の時期に特に絶好調期に突入するのが筆者のパターンで、立ち上がりのフェブラリーSや高松宮記念の頃からもう少し的中実績を重ねたいものだが、とにかくこの調子を維持して宝塚記念まで乗りきりたい。

そんな今週はヴィクトリアマイルが行われるが、土曜日は京王杯スプリングカップ。これもかなり特徴的なレースで、改めて狙い方を学習してほしい。

■テーマ

京王杯SCは1400mだが「1400m戦」に非ず!
1400mマイスターを狙ったら罠に嵌るレース!

■狙い方のポイント

こういういかにも特徴的なレースを攻略していくことこそ、競馬予想の面白いところである。

京王杯スプリングカップは東京競馬場の1400mという距離を舞台に行われる。
スプリントの1200mとマイル1600mのちょうど中間の距離であり、重賞であれば阪急杯やスワンS、阪神カップがこの距離設定で行われる。従って、一般にこの距離ではスプリンターもマイラーも参戦してくる。

しかし、たかが1F(200m)、されど1F。

スプリント戦のようなスピード比べの競馬でも、マイル戦のようなスタミナも含めた総合力勝負で最後に長く速い脚を使う競馬でもない。
1400m戦には1400m戦の、スピードを落とさないコーナリング技術によって一定の速さを維持して走る持久力が強く求められる。200m違うだけでもスプリント戦ともマイル戦とも大きく違う能力が必要になる舞台なのだ。

そのため、しばしば「スペシャリスト」が登場する。
近年なら引退したダイアトニック。ダノンファンタジー。そして、もし日本にこの距離のG1が存在していればG1馬だったと言われているサンカルロ。
こういった「1400mマイスター」が同距離の重賞を総ナメにしていく。だからそういうレースではいつも筆者は「スペシャリストを狙え」と言っている。

しかし、である。

この京王杯SCだけはそうはならない。
1400mマイスター達が尽く勝ちきれない。

例えばこの1400mの重賞で7連対(阪神カップ連覇を含む3勝)を挙げた超スペシャリストのサンカルロはこの京王杯スプリングカップに4回出走したが、2番人気10着、1番人気9着、1番人気10着、7番人気11着と全盛期には中心人気を背負うも見るも無残な成績に終わっている。
さらに驚くべきは、1400mで8勝も挙げたダイアトニックやダノンファンタジー、グレナディアガーズといったこの距離の重賞で活躍し名を馳せた馬達が、京王杯スプリングカップだけはなんと「一度も」出ていない。出たら勝っていたかもしれないが、馬を管理するプロが「出さなかった」のである。

何度調べてもこういうデータなのである。
それぐらいスペシャリストが活躍しない。

東京1400mだけは求められる能力の方向性がマイル戦寄りなのである。東京のマイル戦とほぼ同じと考えていい。
コーナリングや持久力よりもスタミナを含む総合力勝負に強く、レース後半に加速して直線で長くトップスピードを維持する末脚を使える力が必要になる。

もうお分かりだろう。今回、1400mの重賞を渡り歩いて活躍してきたスペシャリストやスプリンターが上位人気に推されている。反抗して妙味なのだ。

■予想詳細

本命はレッドモンレーヴ!

昨年の勝ち馬なので適性がピッタリなのは言うまでもないのだが、その昨年のレースでも今回も出てきたウインマーベルを鮮やかに差しきっている。

そしてその次走の安田記念では勝ったソングラインとは3馬身半差の6着と健闘し、秋には同じく東京マイルの富士Sでコンマ2秒差の2着。勝ったのは明日のヴィクトリアマイルでほぼ間違いなく1番人気を背負うと思われるナミュールである。

東京競馬場では無類の強さを誇り、そもそも昨年の当レース優勝馬。今回対戦するメンバーで昨年の安田記念をこの馬以上の着順で走れた馬はまず見つからず、これが1番人気にならないようであれば美味しい。

3ヶ月の休み明けで臨んだ前走の中山記念は稍重の馬場で最内枠から出遅れるという最低の競馬。馬も騎手も途中でヤメていた。度外視していいだろう。

調教時計を見る限りバシバシ仕上げられて臨戦態勢は十分。昨年勝ったこのレースで巻き返せるだろう。
ソングラインとシュネルマイスターがいなくったマイル戦線。ここを勝って安田記念に向かえるはずだ。


対抗にはソーヴァリアント。

札幌記念に出るような馬なので適性距離はマイルかそれより長めで、スタミナは十分。

富士SとマイルCSで◎レッドモンレーヴの少し後ろくらいには続いていた馬で、1400mへのチャレンジがモレイラ騎手で新味が出れば、元はマジックキャッスルの弟という素質馬。やれるかもしれない。

▲ウインマーベルは本来、狙い方のポイントから考えればガツンと評価を落としたい馬で、スワンS(5着)⇒阪神カップ(1着)⇒阪急杯(1着)と渡り歩いて活躍してきたこの距離のスペシャリスト。
おそらく頭はないとは思うが、ただし、昨年の2着馬でもあり、2着3着はもちろんある。

穴なら△グランデマーレ。同条件のオーロカップでグレイイングリーンと今回も出ているメイショウチタンに楽勝しており、左回りの1400m戦で最も実力を発揮する。

1番人気推定の△トウシンマカオはギリギリこの評価。
近年の活躍馬を見れば分かる通り、マイル寄りではない純粋なスプリンターでこのレースを勝ったのはダノンスマッシュとレッドファルクスぐらいである。タワーオブロンドンもこのレースを勝った時点ではマイル戦を使ってきていた馬だった。

△ダディーズビビッドは昨年の3着馬。年末の阪神カップは9着とはいえコンマ3秒差だし、オーシャンSを叩いて使った前走のダービー卿CTは復調気配であった。

上がり馬△リュミエールノワルはこの距離で3連勝中。いずれも左回りで準オープンをクリアした前走は東京だった。いきなり通用するかもしれない。