☆フェブラリーS
【第41回・GⅠ】
東京競馬場・ダート1600m(左回り)
4歳以上オープン/定量
◎⑪キングズソード
○⑭ウィルソンテソーロ
▲④ドゥラエレーデ
△⑫スピーディキック
△⑤オメガギネス
△⑩タガノビューティー
△⑬レッドルゼル
自信度:A
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

先週、三連休の末日だった月曜日には京都記念記事でも触れたスーパーボウルが行われた。毎年楽しみにしているアメリカンフットボールの頂上決戦で、今年もオーバータイム(いわゆる延長戦)にもつれこむ目が離せない展開で、素晴らしい決着だった。
あまりメジャーではない日本では出場していた選手と交際しているテイラー・スウィフトさんが観戦していたことの方が話題になっていたような気がするが(苦笑)、全米・全世界で1億2000万人以上が視聴して熱狂するイベントで、筆者も大満足であったことは書き残しておきたい。

閑話休題、今週はいよいよ今年一発目のG1フェブラリーSを迎えた。
筆者自身、今年は第1週の三連休競馬だけメチャクチャだったものの、第2週の愛知杯からは本命馬がことこどく走る的中の嵐。今日のフェブラリーSに繋がる得意のダート競馬に関しても前哨戦である東海S(◎ウィリアムバローズ)と根岸S(◎エンペラーワケア)をともに的中し「読めている」自信はある。

同時期にサウジカップが創設され、今年は円安も相まって1着賞金は約15億円。そりゃあダートのトップホースでインビテーションが来れば遠征する流れも仕方ないというもので、レモンポップ、ウシュバテソーロ、メイショウハリオ、デルマソトガケ、クラウンプライドの5頭が遠征して不在となり、さらに有力馬のドライスタウトが屈腱炎でアウト。加えてメインステップレースを勝った東海S馬ウィリアムバローズも根岸S馬エンペラーワケアも回避し、他にも昨年のアンタレスS、平安S、みやこSの各優勝馬がいずれも出てこなかったということで、なんだか少し釈然としない今年のメンツとはなった。

ただし、そうは言ってもそこはさすがにJRAダート界の頂上決戦。チャンピオンズカップと合わせてたったの二つしかないダートG1でも、レースの格としてはこちらの方がやや上。前述しただけでなんと11頭もの有力馬が不在となったにも関わらず、それなりの実績馬が集まって、今週の半ばまでは1番人気になるであろうオメガギネスが賞金順で出走が叶わない状況であった。

地方競馬のスターホース3頭に芝の実績馬数頭も参戦してきた面白さもある今年のフェブラリーS。
筆者としても好調そのままに的中させて今年のG1一発目を飾りたい。

■テーマ

しつこいながら、このレースのためにとにかく言い続けてきたダート重賞の格言。「ダートは格・実績」!

■狙い方のポイント

とにかく筆者がダート重賞の記事を書く度に書いてきたダート重賞の考え方のセオリーは、なによりも「実績・格を重視する」ということ。
芝には1200mから2500mまで様々な距離・競馬場にたくさんのG1が設定され、牝馬のG1まである。
対照的にダートでは東京1600mと中京1800mのたったの二つしかなく、距離は200mしか違わず(これがそれなりに大きな違いなのだが)なんとどちらも左回り。
ダートでは、かなり多く存在している右回りを得意とする馬も、スプリンターも、牝馬も、本当はいるはずであろう長距離馬(ダートでは2100mぐらいからもう「長距離」になり、日本ダービーやジャパンカップが行われる2400m戦などたまにしか見られない)も、仕方なくこのフェブラリーSかチャンピオンズカップを目標とするしかなく、難しければ地方競馬の大きなレースを狙うしかないのである。

だからこそ、カーストのピラミッドの形は、大きく裾野が広い下から上にかけてかなり鋭角に狭まる形となり、勝ち上がってピラミッドを登ってきた「実績」が大きくモノを言うのである。
その高い山の頂上であるフェブラリーSに出てくるにはそれなりの実績・格が必要で、だからまだ四歳馬で根岸Sを2着に負けていたオメガギネスがこれだけ実績馬不在にも関わらず出られないかもしれない、という事象が発生したのである。「格下」なのだ。

もちろんこのフェブラリーSにおいても「実績・格」を重視するという視点は絶対的遵守事項。その中で適性と展開にアドバンテージがある馬を狙いたい。

また、初めてダートを走る馬は数々の芝の名馬がチャレンジしてきたが、ことごとく跳ね返された。これまでもトゥザビクトリーの3着が精一杯。当然である。芝の実績は芝の実績。「実績がゼロ」なのである。
これまでの初ダート挑戦馬【0.0.1.17】。今回ぐらいのメンツでは「顔じゃない」と思っている。

■予想詳細

本命はキングズソード!

充実一途で競走馬としての完成期を迎えた五歳馬。

もともと馬体の中身が詰まって体が大きくなり、ダートを走るパワーが付いて、実績を積んでピークを迎える五歳馬が強いレース。(四歳馬も五歳馬もともに過去10年で4勝ずつだが、四歳馬は2着1回に対して五歳馬は2着も4回の8連対。)
トップレベルのG1で好走した実績がある格上の馬で五歳馬と四歳馬という条件にあり、勝ちきる力があるキングズソードとウィルソンテソーロの二択だった。

本格化したのは三歳の秋。それまではポロポロ凡走もしていたが、その頃はまだ乗っていたのも藤岡兄弟と厩舎所属だった今村聖奈騎手。二流と表現するのも優しい部類の下手な騎手で、本格化と同時に川田騎手など「勝てる騎手」が騎乗するようになった。
ちなみに、今回騎乗するのは岩田望来騎手だが、昨年レモンポップで勝利した坂井瑠星騎手と並ぶ若手のホープ。まだまだ粗くて時折文句も言ってしまうが(笑)、G1を勝つのは時間の問題だと思っている。

本格化した昨年は準オープンを一発で勝ち上がると重賞初挑戦となったアンタレスSこそ3着に落としたものの、三宮S、阿蘇Sとオープンクラスを連勝。
そしてついにG1初挑戦となったJBCクラシックではかつての最強馬テーオーケインズをぶっちぎって圧勝してしまった。
JBCクラシックを勝ったのだから年末の東京大賞典には出ない方が不自然で、5着に終わったものの、勝った王者ウシュバテソーロだけが外からブチ抜いた以外は直線に入った順番そのまま流れ込んだだけの事実上前残りレース。分かりやすく最内枠がアダになって閉じ込められ、直線でようやく外に出したらもう隊列は決まっていた。とはいえ、2着ウィルソンテソーロ、3着ドゥラエレーデ、4着ノットゥルノ(先週月曜日の地方交流重賞・佐賀記念を圧勝)とは差はなかった。

本来、この馬の最大の武器はもう少し軽い馬場でトップスピードを長く使えるところ。距離短縮でJRAの馬場に変わり、直線の長さが日本最大の東京競馬場のダートマイルはドンピシャの可能性がある。

馬体は500kgを優に超えるムキムキの筋肉質の馬体で、いかにもダート馬という感じ。東京競馬場のダートでとにかく圧倒的に走るシニスターミニスター産駒ならではなのだろう。


対抗にウィルソンテソーロ。

ダート【7.2.0.2】。芝でデビューして3連敗したものの、ダートに転向すると未勝利戦を1秒8差で大楽勝したのを皮切りに4連勝で一気にオープン入りすると、一度だけ躓いたものの地方交流重賞をかきつばた記念、マーキュリーカップ、白山大賞典と3連勝を飾った。

前述したキングズソードが優勝したJBCクラシックこそ5着に負けたものの、続くダートの最高峰チャンピオンズカップでは12番人気ながら大外を原優介騎手のの豪快なアクションに応えて飛んできてレモンポップの2着。さらに、年末の大一番東京大賞典では一転して奇襲にも見えた逃げの手に出て、ウシュバテソーロには敗れたものの再度2着を確保してみせた。結果が前残りレースだったことを考えれば、原騎手のファインプレーであったと言える。

こちらを本命にするのが「ベター」なような気もしたが、些細なことかもしれないが気になる点が二つ。

まず、この厩舎からG1馬が出るだろうかという点。
申し訳ないが「こんな厩舎あったっけ?」と名前も覚えていないくらいの成績が下の厩舎で、それこそ調教師の「格」が足りない気がする。
そしてやはり原優介騎手が何故か降ろされたこと。
落馬による怪我もあったが、先週から復帰できており、松山騎手を確保できたとはいえわざわざテン乗りになってしまったのは余計な要素に思える。

以上の不安点で対抗評価としたが、当然勝ちきるだけの実力はあり、実績・格の面で資格も十分である。

四歳馬が来るなら1番人気オメガギネスよりも▲ドゥラエレーデだと思っている。

ホープフルSを14番人気で勝利して大穴を開けると、なんと春初戦はダートのUAEダービーに挑戦(2着)。日本ダービーには直行でチャレンジし、その後宝塚記念、セントライト記念と芝のレース戻ったかと思いきや、秋はチャンピオンズカップ3着、東京大賞典3着とダートの大舞台で結果を出した。
ダートの方が成績もよく、実績で言えばダートでは勝ちきったレースこそないが最高峰のレースで連続好走したという点でウィルソンテソーロの次には評価しなくてはいけない。

△スピーディキックは昨年の6着馬。しかも直線で前が塞がった上でメイショウハリオやドライスタウトとは僅差にきていたことを考えれば抑えておきたい一頭。

△オメガギネスはバッサリ切っても良かったのだが、どうも他に評価すべき馬がイマイチ。道悪で走りやすい馬場で大したことがない相手にオープンを一度だけ勝っただけ。来年以降は勝つかもしれないが、今年の成績で評価するわけにはいかない。
とにかく「こんな程度で1番人気に推される程フェブラリーSは甘くない」とは言いたい。

△タガノビューティーは実績というと紛らわしいのだが「コース実績」で評価。
東京競馬場【5.5.3.5】という「コース実績」はメンバー中断トツで、二、三枚どころかもっと上なぐらい(レッドルゼルでも【2.2.1.2】)とにかく東京競馬場では滅法走るのだが、意外なことに重賞勝ちはゼロでフェブラリーS出走も初めて。

△レッドルゼルは昨年の2着馬でもっと上位評価する予定であったが、調教の映像を見て唖然。大幅に評価を下げたが、無印にする勇気もなかったので最後の△。