☆アイビスサマーダッシュ
【第22回・G3】
新潟競馬場・芝1000M(直線A)
3歳以上オープン/別定
◎⑯ビリーバー
○⑥マリアズハート
▲⑰シンシティ
△③オールアットワンス
△①ライオンボス
勝負度:B
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

今年も夏の風物詩・アイビスサマーダッシュが行われる週がやってきた。
そして、筆者は今、新潟は月岡温泉に宿泊している(!)。明日は新潟競馬場初体験、アイビスサマーダッシュを現地観戦する。直線の1km先(今さらながら改めて、すごいことである。)からサラブレッドがラチ沿いを疾走してくる様を目に焼き付けたい。
もちろん、夏競馬になって絶不調中ではあるが、予想も的中させたい。しかし、何より信頼すべきはこれまで勝ち続けてきた筆者自身の腕。置きにいくのではなく、いつも通り「自分の予想が一番正しい」と言いきれる予想を用意してレースを迎えたい。

■狙い方のポイント

アイビスサマーダッシュを語る上でもちろん一番の鍵になるのは枠順である。
ただし、これも毎年書いていることだが、世間のいう「外枠有利」はもちろん正しいが、「=内枠不利」は厳密には正しくない。直近10年間で4番枠以内の馬が2回勝っていて2着3着も4回あるのに、内枠は全くダメだなどと決めつけていたら痛い目に合う。昨年だって14番人気の1番枠バカラクイーンが内ラチを動かないビックリ戦法で3着に粘ったではないか。直線コースなのだから、最初からずっと真っ直ぐ走るのは理にかなっている。さすが、若手騎手の中では断トツで上手い菅原騎手であった。実は本当に死んでいるのは3枠~5枠あたりの「中枠」である。
外枠有利をベースに、強い内枠の馬にも注意したい。

そしてもう一つは「上がり3ハロンの時計」である。これはいつか別に記事を書こうと思っているが、競馬新聞に書いてある「3ハロンの時計」を「=直線の末脚の速さ」だと勘違いしてないだろうか。あの東京競馬場ですら、直線は526Mしかない。3ハロン=約600Mに足りていないのである。あそこに書いてあるのは直線の末脚の速さではなく、レースの後半を走りきる速さなのである。
さぁ、では、1000Mのレースではどうなるだろうか。スタートして外ラチ目掛けて馬が寄っていき、隊列が決まって400M走ったらもう「上がり3ハロン」がやってくるのである。もう分かっただろう。それはほとんどの場合、レースの走破時計に大きく影響してくる。直千のレースにおいて速い上がりを記録している実績は重要である。

■予想解説

本命はビリーバー!

16番枠を引き当て、外の2頭は逃げたい馬だから100%最初からラチ沿いを走れることが確約されており、直千レースでは前走の韋駄天Sも秋のルミエールADでも勝ち馬マリアズハートを上回る上がりを記録している一昨年の3着馬がどうして7番人気なのだろうか。

このレースの前哨戦とも言えるメインステップは韋駄天S。今回韋駄天S組からは勝ったマリアズハートを含めて9頭出てきたわけだが、そのうち4頭はサマースプリントシリーズ狙いなのか、そのあとに1戦余計に走っている。ダメとまでは言わないが、特殊な条件なだけに「直千が勝負!」という馬はそういう選択肢は取らないわけで、少し割引きである。
この韋駄天S組で一番速い上がりを記録したのがビリーバーで、勝ったマリアズハートとは着差もコンマ2秒差であった。そして、上述したように、秋のルミエールADでもマリアズハートと対戦があり、この時は2番枠から追い込んできたものの脚を余し気味でコンマ3秒差。
いずれにしろ、昨年のスランプからは完全に脱しており、一昨年のこのレースで3着している状態まで戻ってきたと見ていいだろう。実力は十分に足りている。

いつかのラインミーティアもこういう感じの馬だったが、外ラチ沿いに馬が殺到する状態を後ろから走るわけで、差し馬は捌いてくるのは結構大変である。そういうリスクがあるのは承知であるが、一方で、前さえ空いてしまえば間違いなく伸びてくることが確定しているというのは心強い。

鞍上の杉原騎手はこのビリーバーに騎乗すること、これがなんと30戦目のお手馬中のお手馬。脚の使いどころは分かっているはずである。自身にとって貴重なチャンスである。進路はないならこじ開けるぐらいのつもりで伸びてきてほしい。

対抗にマリアズハート。

どう見ても1、2番人気だったはずの馬で、この4番人気は完全に枠のせいだろう。筆者も冒頭で「本当に死んでいる枠」と指摘している中枠なのでなんとも格好が付かないが、とはいえこれ以上評価を下げるわけにもいかないだろう。

直線1000M2戦2勝。2回とも16番枠だったとはいえ、中団からいい脚を繰り出しており、適性があるのは間違いない。
今回6番枠を引いて55kgを背負うことを考慮しても、さすがにおかしなレースにはならないと思われるが、、

シンシティの2番人気は、これも完全に枠のせいだろう。初芝だった前走の韋駄天Sで5番枠から逃げて3着に粘りこんだので、もちろん筆者も高く評価をしようと思っていたが、17番枠を引いたからとはいえ2番人気は驚いた。

2kg上がって今度は重賞。前走でマリアズハートと2着ロードベイリーフ、4着ビリーバーが32秒台前半の上がりを記録した中、シンシティは33秒0。時計はもっと速くなると思われるが、サウスヴィグラス産駒のこの馬にそれを求めるのはさすがに難しい気がする。

オールアットワンスは昨年の勝ち馬。これも3番枠だから評価を下げられたのだろうが、9番人気はやりすぎである。

3歳ながらチャレンジしてきた昨年は先行して32秒0で上がって勝ち時計54秒2。51kgで2着ライオンボスとは6kgの差があったとはいえ完勝だった。
追いきりも抜群の動きで、連続好走があって何も不思議はない。

ライオンボスは3年前の勝ち馬で、この条件の成績は一頭だけズバ抜けている【4302】。直千専門業者と言っていい馬で、このカテゴリーを引っ張ってきた。7歳馬になり、今回は最内枠を引いて58kgと楽ではないが、8番人気まで見くびられる馬ではない。

ビリーバーにしろオールアットワンスにしろライオンボスにしろ、既に適性とレースに通用する実力を示している馬をなめていると痛い目に合う。先週、前年の2着馬カテドラルを無視して泣きを見なかっただろうか。

人気になっているヴェントヴォーチェは函館スプリントSですらついていけなかった。さらに短い距離で置いていかれて差してくる脚はおそらく持っていない。

拡大馬券を買うなら6枠の2頭は抑えてもいいだろう。