世の中には平気で嘘をつく人がいる。

というか、

嘘だという意識もなしに

嘘をついている。

 

元職の会社に入社するとき、

海外にいたので

リモートで経営者と面接をし、

給与の交渉をして 

年収〇〇万円ということになった。

口約束では不安だったので、

メールで合意内容を書き、 

これで間違いないかと念を押したら、

その通りだとの返信が来た。

 

それが、帰国して初出勤の日、 

「今は経営状態が良くないので

約束の金額は出せないが、

時期を見て必ず出すようにする」

と一瞬で

給与を引き下げられた。 


それはないだろうと思ったが、

今更、

入社を蹴るわけにもいかず、

応じざるを得なかった。

その後も、

こんなことが繰り返された。


それでいて、

この経営者は

自分を正直者だと公言している。

どの口が言うんだと呆れたが、

この人は

嘘をついているという意識がないのだ

と分かった。

常に自分の都合を中心に考えていて、

都合が悪くなれば

他人との約束など

破って当然だと思っている。


自分の都合に応じない他人の方が悪い

と信じている。 

だから、

全く悪びれない。

自分の方が被害者だ、

くらいの考えでいる。

 

内向的な人間は、

こうはいかない。

たとえ

自分の方にどんな事情があろうと、

他人に迷惑をかけることはできない

と考える。

だから、

嘘をつこうとしても

すぐバレてしまう。

嘘をついているという後ろめたさが、

顔に出てしまう。

 

地元の会社で働きたいという就活生が、

「なぜ、地元での就職を考えているのか

と聞かれたら、

『御社で働きたいからです』

という答えでいいでしょうか」

と質問していた。

 

これは嘘だとは言えないまでも、

あまりにも取り繕った答えで、 

かえって印象が悪くなるのではないか。

 

「御社で働きたいから

地元での就職を考えている」

のではなく、

「地元での就職を考えている中で、

御社で働きたいと思った」

のだろう。

 

正直に言った方がいい。

こういう質問をするということは、

自分の回答に

自信が持てなかったからだろう。

 

自信を持って言えないようなことは、

すぐにバレてしまう。

相手によく見せようとする努力は

逆効果になる。