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泣いている。いや、私以外泣いているって言った方が正しいのかな?悔しさで肩を震わせている子。必死に涙を流さないように空を見上げでいる子。形は違うけど、みんな涙を流してる。

なんだろう…なんで私だけ涙が出て来ないんだろう。


「お疲れ様…」

目を真っ赤にしてる。いつもこの子は私の事を気にかけてくれた。多分、さっきまで泣いてたのかな?

「ごめんね…期待に答えられなくて…」

優しい表情で首を振ってくれた。

「しょうがないよ。あの場面は全て任せたんだから。打てないならみんな納得するよ」

「…納得するんだ。」

納得…何を納得するの?打てないほど早くない。どっちかっていうと遅いくらいだし、コースだって甘かった。それを打てなかったのに…責められてもおかしくない。それなのに納得するわけ?

みんなが納得するならそれでも良い…でも、私が納得できない。

「ちょ、ちょっと!?どこ行くのー!?」

私を呼ぶ声が聞こえたけど、今は確かめたい事がある。あの子に直接聞きに行かないと気が済まない。

試合終了後の騒がしい人波を抜けると会いたかったあの子を見つけた。みんなから困惑の視線が向けられるが、今は関係ない。その子のまで詰め寄り問いかけた。

「あの球はなに!」


思ったより大声だった事に自分でもびっくりしたけど、言っちゃったものはしょうがない。

「え~っと、何というのは?」

困惑しながらも答えた。まあ、そうだよね。勢いそのまま言っちゃったけど、説明不足にも程があった。

「私が空振りしたあの球は…」

「あー、あれですか。正直自分でもよく分からないんですよね」

なんてあははって笑いながら答えられた。心の中でずっこけたのは内緒にしとこ。

「成功するかは賭けだったんですけど、柏木さんにはあれを投げるしか無かったので。」

そんなはっきり言われちゃったら、なんも言えなくなっちゃうじゃん。なんかすっきりしちゃったよ。手を抜いた訳じゃないんだね。こりゃ、大物になるね。でも、やっぱりやられっぱなしは癪に触るし…


「そっか…なんかすっきりしたよ。ありがとうね!」

右手を相手に出す。前田さんも慌てて手を出してくれた。手が繋がれる直前に拳を握り、軽くお腹を小突いてやった。

「いてっ、なにするんですか!?」

してやったり。囲まれる前に逃げちゃお。帰り道は次の試合が始まってるのか、思ったより混雑してなかった。それが自分の試合が終わった事を実感させる。

私負けたんだね。

急激に悔しさがどっと押し寄せて来た。もっちーの姿が見えてきたと思ったら視界が滲む。

駆け寄って来たもっちーあきちゃに抱きしめられた。恥ずかしいからやめてって言おうとしても声が出ない。手に何か落ちて来た。水?でも外は快晴だよね?

あっ、私泣いてるんだ。

気がついた時には顔がぐちゃぐちゃになるほど涙を流してた。止めようと思っても止まらない。

「悔しいなー。負けるのってこんなに悔しいんだね。」


悔し涙はもう流したくない。折角泣くなら嬉し涙がいいよ。でも今日だけ…今日だけは最高の仲間に肩を抱かれてなくのも悪くないよね。