“2018年札幌冬季五輪”という冗談… | IAN45=Intelligence Agency on N45

“2018年札幌冬季五輪”という冗談…

札幌市は、2016年の五輪招致に関して、国内の競争の段階で名乗りを上げるのを止めた経過がある…新たな競技施設を多々建設しても、大会後の維持が困難であるからに他ならない…

こんな経過があった札幌の市長選挙で、出馬を表明している方が「2018年冬季五輪の招致」という話しをしている。「札幌は一度やっているので、重くはない負担でもう一度出来る筈」という論拠らしい…

何らの他意はないが、敢えて申し上げる。「札幌は一度やっているので、重くはない負担でもう一度出来る筈」と冬季五輪の招致を真顔で言っている方があるとすれば…恐らくその方は、「スポーツ観戦を愉しむ!!」という方ではない…

“冬季五輪”という看板は同じだが、札幌の1972年と、最も最近の2006年のトリノとでは内容が大きく異なるのだ!!下記の表を御覧いただきたい…


1972 札幌
参加国・地域数 35
参加人数 1006人
(男性801人、女性205人)
実施競技種目数 6競技35種目


2006 トリノ
参加国・地域数 80
参加人数 2633人
(男子:1627、女子:1006)
実施競技種目数 7競技84種目

(ウィキペディア 参照 )

参加する国・地域の数、人員、種目の数…1972年から2006年で何れも倍かそれ以上になっているのだ!!「一度やった」内容などではないのだ!!

仮に五輪をやるとしよう…選手や関係者を収容する宿泊関係…これは大会後に住宅に転用したり、そのままホテルに出来るから良いだろうが…競技人口の少ない競技の施設はどうするのだろう?それなりに競技人口があるものであっても、国際競技をやるような立派なものは大会後の維持が大変だ…そして、競技によってはルールが変わっていたり、1972年頃とは違ったスタンダードが求められるようになっていて、全面的に新設せざるを得ない場合も必ずある筈だ…

端的に言えば…スノーボードやスケルトンやショートトラックは、1972年には五輪種目ではなかった…アイスホッケーも出場チームが増え、余計にリンクが要る…スピードスケートは、1972年には戸外に氷を張ってやるのが当然だったが、今では屋内会場を用意するというのが、世界記録を狙う選手が競うクラスでは寧ろ“当然視”されている…時代が違うのだ!!

こうして一寸考えると…2016年を諦めた理由が丸々残る…

「スポーツ観戦を愉しむ!!」というのであれば、こういうことには直ぐ思い至る筈で、「札幌は一度やっているので、重くはない負担でもう一度出来る筈」と冬季五輪の招致を真顔で言うことなど出来ない筈だ…

私は、札幌というのは適当に大きくて何でもあり、郊外の自然も豊かで、スポーツの国際大会のようなものはどんどん札幌でやれば良いと思う…が、それは五輪ではない…それは、相応な競技施設が既にある、何か特定の競技の大会で、集まる関係者に関しても、何処かのホテルなどを借り上げれば事足りるようなものをイメージしている…

何れにしても、スポーツ観戦を愉しんだこともなさそうなことが明らかな話しをして、スポーツイベントを招致する話しなどして欲しくないと思う…

毎日新聞
’07統一選:札幌市長選 清治氏が政策発表、市電の延長中止など掲げる /北海道

 ◇市電の延長計画中止など掲げる

 4月の札幌市長選に立候補する予定の前国土交通省技監の清治真人氏(58)は25日会見し、抽象的な表現にとどまっていた政策のうち4点を具体化して発表した。再選を目指す上田文雄市長(58)が札幌駅への延長を計画している市電について、「財政難から歳出削減に取り組むべき時に無駄な投資だ」として、計画中止を掲げた。4点はいずれも上田市政にないか反対する政策で、選挙を意識した内容となった。

 政策はこのほか▽売却が決定している北海道厚生年金会館を同市が買い取って民間運営方式とする▽高所得者以外は交通機関の敬老パスを無料化する▽18年の開催を目指して冬季五輪を招致する。

 清治氏は今後、2週間に1回会見を開き、政策を順次公表するという。