彼との日々が終わったあの日から、
私はずっと、ブロックされたままだった。
連絡もできず、SNSも見られず、
彼の“その後”は完全にシャットアウトされた状態。
でも一つだけ、
ずっと見られるままだったものがある。
——元カノのInstagramのプロフィール。
鍵アカだったから投稿は見れないけど、
名前やひとこと欄はずっとそのまま更新されてた。
最初に気づいたのは、
私たちが日本に帰った直後くらいだった。
「💍202X.○.○」——入籍日の追加。
あれ? って思った。
その日付、私が彼と一緒に海外から帰国したすぐあと。
海外では、「帰ったらちゃんと付き合おうね」なんて言ってたくせに。
日本に帰ったら、元カノと入籍してたってこと?
…っていうか、いつの間に?
しばらく経って、またそのアカウントを開いたら、
**👶「202X.△.△ 第一子誕生」**の文字が追加されていた。
え。
もう子どもいるの?
って、言葉も出なかった。
そして、さらに数年後。
ふと見に行ってしまったその時——
**👶「202X.□.□ 第二子誕生」**が追加されてた。
…うん、もう笑うしかなかった。
私が「彼にちゃんと想われてた」と思い込んでたあの時間。
その裏側で、
元カノとは途切れることなく繋がってて、
日本に帰ったら即“家族”になってた。
しかも、彼のアカウントはずっとブロックされたままなのに、
元カノのアカウントはずっと見れてるっていう、この皮肉。
私には何も教えてくれなかったくせに、
元カノのプロフィールは、勝手に“彼の現在”を更新していく。
私は、
何にも知らないまま本気で恋して、
何にも言われないまま終わって、
ただ見えないところで、どんどん置いていかれてた。