パンクロックの素晴らしき世界 -2ページ目

パンクロックの素晴らしき世界

好きなあれこれについて話そう!
小説、話芸、もちろんパンクロックも。。。

それは今から9年前。


「風俗の待合室のソファがあるバーがあるらしいから行ってみよう」


友人が言った。

こんなふざけた誘いを断る言葉を、いまだに僕は持たない。


「それは行こう。是非行こう」


トアウェストで迷子になりながら何とかたどり着いたそのお店は、重いドアを開けると高いバーカウンターとスツールががあってクールにこじゃれる、といった当時の僕のバーのイメージと違い、靴を脱いで引き戸を開けると、掘りごたつみたいなカウンターでバーテンもなんだったら座っているというお店でした。


バーテン「自分ら彼女おんの?」

僕  「おりません」

友人「まぁ、一応」

バーテン「何人?」


衝撃でした。彼女って数えるものなんや。大人ってすごい。


その後もこのバーテンさんはお酒にまつわるエピソードトークをとめどなく出していました。

実はそれまであんまり酒も酒の席も好きではなく、カシオレでも飲んでやり過ごしたいと思っていたのですが、この日にああこれか、これが「ええ酒」というものかと思いました。


結局3~4時間居てふらふらしながら帰ったのですが、後日トアウェストをどれだけぐるぐる徘徊してもその店を見つけることはできませんでした。

やがて就職して関西を離れることになり、ええ酒のバーとバーテンの思い出は更新されず伝説となりました。


そしてその5年後。


僕は仕事を辞めて関西に帰ってきた。離れて気づく、三宮への愛情。

半年くらいごろごろした後再就職し、また三ノ宮界隈で遊ぶようになった。

その頃は呑み仲間のNとよくごはん屋さんの新規開拓をしていた。Nは初めての店にずんずん入っていくし、アタリも多い。

その日もヤツが行きたいと行っていた店に行ったが、すでに満員であった。店員が丁寧に、「申し訳ございません。次回よろしくお願いします」と言ってくれた名刺を見て驚いた。

その名刺は系列店が一緒に載っていて、そこに伝説のバーが載っていた。


僕  「このバー、ずっと行きたかったけど、たどり着けないんですよね」

店員 「え、ここからまっすぐ行ったら着きますよ」


行ってみた。

その店は2階にあるのに、勝手に地下1階だと思っていた。たどり着けないわけである。


階段を上がると、やはり引き戸で、靴を脱ぐスタイルだった。間違いない。この店だ。


バーテンは、女の子が一人いた。まだオープン直後で、お客さんは僕たちだけだったので、しばし談笑。

 「昔、この店来て、すごい面白いバーテンさんがいてね」僕は当時のエピソードを説明した。


女の子は言った。

「その人、今から来ますよ」


昼メシを決めかねて近所を徘徊。頭の上に電球が「ピカ」。そうだ、心斎橋へ行こう。


依然「辛いけどうまいっす」と教えてもらった新町の「ラクシュミ」というカレー屋に行くことにした。

奥さんが辛いもの駄目なのと結構並んでいるらしいのでおっくうと二の足を踏んでいたが、今日は奥さんいないのと、あんまりおなか空いていないので待ちながら本でも読もうと思い、二の足をスキップに変えてダンス・トゥ・

心斎橋。


ちょうど12時ごろに着いたらもうすでに結構並んでいた。

僕は普段お店に入るために並ぶという行為をしない。人がいっぱいの中食べるのも好きではないし。

そもそも早寝早起き過ぎて11時ごろには昼食食べたいので、世間のランチ・ラッシュアワーとはすれ違いの純情なのだけど、まぁ、たまにはいい。


これめっちゃウマい!と言われると食べてみようと思うのは人情ですが、めっちゃ辛い!とかめっちゃくさい!とか言われてトライするかどうかは意見が分かれるところである。

僕は断然トライする派で、ブルーチーズの青いところだけほじくって食したり、ラーメンはバリ固、ハリガネはおろか粉落としを通り越して粉落とさずも食べた。(まぁむりやり食べさせられたのだが)あれはもう、ただただ小麦粉の味でしたよ。


ノントライ派の方々は「わざわざきついとわかっておるものを何でためさなあかんねん」という一見ごもっともなロジックを展開する。

しかしこれは自分は手を汚さず部下を使って毒見をさせる悪徳政治家と紙一重である、というと言い過ぎだろうか。間違い無く言い過ぎです。

とにかく、人生の豊穣という観点からいえば、いい思いをするのと同じくらいの量、人がしないような辛酸を舐めるのも必要悪であると僕は思うのです。

何事も経験。ノントライ派に対し、我らドンフライ派。ドンフライ関係ない。

高山さんとどつきあいはできませんがな。


結局1時間くらい待って店内へ。


常連さんもいれば雑誌とか食べログとか見て初めて、という人もいる。

僕は注文の仕方がわからず、ビギナーズオーラを噴水の様に出してビチョビチョになっていると、店員さんが丁寧に教えてくれました。ありがとう。

辛いのはチキンとキーマとラム。あとの何種類かは比較的穏やからしい。

メインとサブの2種類とサイズを選ぶ。

チキンと野菜をチョイス。サイズは普通。


中にはチキンとキーマをオーダーする人もいて、ビチョビチョビギナーの僕は「師匠、マジですか」と心の中でゴクリ。


しばらくしてチキンが品切れとことわりがあり、キーマに変更。全然かまいません。


来ました。


パンクロックの素晴らしき世界


チキンがなくてごめんということで、残っていた少量をのせていただきました。そんな粋な計らいに謝謝、はお国が違う。


チキンから実食。


辛い。しかしうまい。しかし辛い。

臆病者をチキンということに違和感を覚える辛さ。

僕のチキンハートはこのチキンのラブ&バイオレンスにビビりながらも惹かれていった。


メインのキーマを食べる。

瞬間、頭の中に「!警告!」の2文字。


大体、辛さのハードルは2段階くらいあって、辛すぎてホットになる第1段階は何かこう外に向かって放熱するようなラテン系の開放感がある。

それを超える第2段階ではホットを通り越してコールドになる。

これはサウナのような暑さではなく、むしろ40度オーバーの高熱時のガタガタブルブルに近しい段階である。


キーマはその第2段階に、たった一口で僕を拉致監禁したランチマフィア、プロ中のプロである。


汗は出る。大量に出る。しかしそれはテニスの王子様が流すのと違う種類である。

「冷や汗」

先人たちは今の僕になんとピッタリな言葉を残してくれたのだろうか。


そんな先人たちに励まされて、僕は二口目を食べる。

心臓がドロップDのエイトビート。張り裂けそうな思い。聞いてください「誰か助けて」。


生物はその遺伝子に偉大な能力を刻まれている。

「適応」

つまりどんなことでも慣れてしまえるのだ。


このキーマだってそのはず。

と思って3口目、4口目を食べたが、地球は常に雄大なあるものを用意している。

「例外」


ちっとも慣れない。大量の汗。鼻水。ハンカチを忘れたのが悔やまれる。目がかすむ。汗と涙が混じってビギナーズオーラを洗い流す。


野菜カレーを食べる。あぁ辛くない。よかった。オーダーしてホントよかった。

しかし今の僕の味覚は完全にキーマに殲滅され、辛さというものがいったい何だったのかもわからない状況である。

ホントは野菜も結構辛いのかもしれない。

拉致監禁中にそっとパンを与えてくれる新米マフィアは、それでもマフィアには違いないのだ。


今度奥さんを連れてこれたらいいんですけど。

僕の人生にもし「今度」があるなら。


それにしても、さっきキーマとチキンを頼んでいた師匠は、野菜というサービスエリアなしでこの激辛レースを突っ走っているのか、まさにハイウェイ・スター!思わず敬礼しそうやわ、と思って見てみると、スプーンを置いてうつむいている。


師匠ーーー!


もはや目はうつろ。


他の客を見ても比較的ポップな野菜やカボチャのカレーを食べている女子は楽しそうだけど、キーマと対峙する人々の表情はもはや修行僧のそれである。

自分との闘い。

高山さんとボコボコにしあったドンフライも、自分との戦いだったはず。

ドンフライ派として、僕も頑張ります。



結論を言うと完食しました。

汗と涙と鼻水と。岩盤浴並みのデトックス効果が出た気がします。


これだけ辛くて完食できたということは、よほどうまかったということだと逆説的に証明されました。


勇気をだしてまた行こう。


帰り際、対面に座った人が、通常のメインとサブに加えて、単品で3つくらい追加していました。

目の前に計5つのドSカレー。


見ているだけで目が痛くなった。


興味がある方は是非行ってみてください。



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大根と豚肉の炒め煮


じゃことザーサイと小松菜を炒めたもの


じゃがいもときくらげの和え物


きゅうりの漬物


なすのお味噌汁



じゃこはしょっぱすぎました。。。まだ余っているので明日大根おろしをかけて食べます。

じゃがいもはすっぱすぎました。。。酢の入れすぎに注意です。


大根と豚肉はうまくいきました。簡単だし定番メニューにしたいです。


だんだん1食の量が把握できてきました。

今日は多過ぎ。


次はもっと段取りよく、おいしく。


日々是精進也。


ホームパーティしたいですね。