kosei sasaki official blog

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無重力のレシピ/ex.LEGOMAKER

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「今夜は雨が降るでしょう」
お天気キャスターが感情も責任感も無いように言うもんだから、僕は傘を持たずに会社へ向かいました。

こんなに晴れてるのに降るわけない。
どうせ帰る頃には手荷物になるんだから。

そんな今朝の自分を呪う帰り道。
雷雨と突風の中、僕はずぶ濡れで泣きたい気持ちになっていました。いや、実際に泣いていたのかもしれませんが、豪雨は涙の確認すら許してはくれませんでした。

やっとの思いで着いた駅は、同じようにお天気キャスターの言葉を信じなかったサラリーマンで溢れ返っていました。
そんな僕らは右肩下がりの営業成績を憂うように雨雲を見上げては今朝の失敗の許しを請うのですが、情報を上手く使いこなせない僕たちに、雨雲は上司さながら雷を落とすのでした。

「大丈夫雨?迎えに行く車?」

最近覚えた絵文字をここぞと滑り込ませてくる母からメールが届きました。
親にとって子供はいくつになっても子供とは言いますが、僕ももうすぐ30歳。

「ありがとう」

絵文字も顔文字も無い5文字の返信は、僕の情け無さをよく表しているようでした。

地中に埋めたいくらいの現実を地下鉄に押し込んで、自分自身を暗中模索、最寄り駅へと向かいました。
判然としない気持ちで改札を出て、地上へと向かうエスカレーターでのことでした。
突然、僕の目の前に右肩下がりの背中が現れたのです。

男性は傘を持っているのですが、右肩だけが大袈裟に濡れていたのです。
ああ、そうか、この人はきっと誰かを守ってここまで来たんだ。

右肩下がりだって誰かを守れるんじゃないか。
そう言い聞かせてくれているようでした。

地上へ出ると、先程の豪雨が嘘のように晴れ渡っていました。

「大丈夫車?」

「大丈夫、1人で帰れるよ、いつもありがとう」

右肩下がりの背中に励まされたお話。

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