前回のあらすじ!
(うるせぇ)
「初心者とかに特定のジャンルのオススメアルバムあげたほうがよくね?」ということを最近思うようになった黒猫は、自分の好きなジャンルである「テクニカルデスメタル」を取り上げることになった。そしたらあまりにも時代ごとに名盤の特色が出過ぎていて名盤を選ぼうにも時代ごとに選出しないと色々と意見が飛んでくるかもしれないというトラブルが起きてしまったぁ!(なぜにどうしてこうなったorz)
とまぁそんなわけで、中期テクニカルデスメタルのアルバムオススメ7選…
はじめぇい!
(だからうるせぇってばよ・・・)
どもども、黒猫です。ちょっとした茶番をしちゃいましたが、今回は中期テクニカルデスメタルのアルバムオススメ7選を紹介していきます。

1991年、テクニカルデスメタルがジャンルとして確立した後、様々な名盤が生まれました。そんな中、このジャンルに対する新たなゲームチェンジャーとも言えるバントが2つ登場します。
1992年にMuhammed Suiçmez(Gt/Vo)を中心に結成され、“Requiems of Festered Gore”、“Necrophagist”の2つのDemo作品を制作し、特に1995年制作の“Necrophagist”はシーンに大きな衝撃を与えました。
機械的で恐ろしいほどの正確さと、狂気的なスピードで刻み込むリフ、それを弾きながらグロウルをかますMuhammedの高度な技術力は、シーンに大きな衝撃を与えました。
もう1つがアメリカはカリフォルニア州サンタクルーズ出身のテクニカルデスメタルバンド
最大の特徴として挙げられるのが、Dylan Ruskin(Gt)による狂気のギタープレイです。
2006年にリリースしたEP“The Parasite”で、タッピングとピッキングを巧みに駆使した速く力強い、そして不協和音をも飲み込んでしまうようなギタープレイを打ち出し、あまりにも独創的なスタイルは、後にデスコアにも影響を与えることになり、テクニカルデスコアとして新たなジャンルが生まれることになりました。そんなBrain drillはテクニカルデスメタルシーンで賛否両論となったり、彼らに影響を受けたバンドが多く出現したりと、良い意味でも悪い意味でもシーンに衝撃を与えました。
こうした2つのバンドは、テクニカルデスメタルシーンをさらなる超絶技巧化に貢献しただけでなく、終末的、近未来的といった新たな世界観を生み出し、超絶技巧派のアーティストが多く登場しました。
では、そんな半ば狂気的なバンドたちが屯するオススメ7選を紹介していきます。
1.Necrophagist/Onset of Putrefaction

ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州カールスルーエ出身のテクニカルデスメタルバンド、ネクロファジスト(Necrophagist)が1999年にリリースした1stアルバムです。
このバンドのアルバムをおすすめする時、2ndアルバムの“Epitaph”を紹介する方が多いですが、今回は実はこっちのほうが界隈の評価が高い(※フォーラムによる)という理由と、私個人の独断で1stアルバムの方を紹介していきます。
先述したDemo作品にあったブルータルさや暴虐性に加え、巧みにタメを用いて破壊力を増加させてから殴り込んだり、ハーモニックマイナースケールを大胆に導入したネオクラシカルなギタープレイを織り交ぜて狂気的な一面を押し出した、まさにゲームチェンジャーにふさわしい1枚です。
“Mutilate the Stillborn”、“Advanced Corpse Tumor”では、合間に入れてくるネオクラシカル系のプレイに畳み掛けてくるような重みと切れ味を兼ね備えたリフが襲いかかってくる強烈な2曲です。(※Youtubeの表示されているジャケはリィシュー盤のジャケです)
2.Decrepit Birth/Diminishing Between Worlds

アメリカはカリフォルニア州サンタクルーズ出身のテクニカルデスメタルバンド、ディクリピット・バース(Decrepit Birth)が2008年にリリースした2ndアルバムです。
1stアルバム...And time Beginsでは、ブルータルデスメタル寄りのゴリゴリとしたサウンドで巧みな展開を用いたテクニカルデスメタルでしたが、本作ではまるで“Individual Thought Patterns”あたりの後期Deathや初期Cynicをさらに激しくしてなおかつ流麗にしたようなスタイルの作品となりました。
“Reflection of Emotions”では半ばなりすぎなほどに綺麗なメロディーを流し込むような流麗なギターソロを惜しみもなくぶち込んできたり、“Dimension Interwine”で鋭いリフが攻め立ててきたと思いきやその勢いでアコースティックギターによる温かみのリズムでお茶を濁してきたりと、巧みな曲展開がたまらないアルバムです。
3.Nile/Annihilation of the Wicked

アメリカはサウスカロライナ州グリーンヴィル出身のブルータル系テクニカルデスメタルバンド、ナイル(Nile)が2005年にリリースした4thアルバムです。
エジプトに影響を受けた壮大なテーマが持ち味のバンドでその独創的なスタイルは、当時から高く評価されていました。
本作ではこのジャンルにおいて最高のドラマーの一人であるGeorge Kollias(Dr)が初参加した作品で、前作以上に狂気的なドラムプレイを打ち出しながら、
「最低でも8時間練習しないと技術を維持できない」と語るKarl Sanders(Gt/Vo)による緻密で無茶苦茶なギタープレイを織り交ぜて襲いかかってきます。
“Sacrifice unto Sebek”、“The Burning Pits of the Duat”そして10分近くにも及ぶ大曲“Von unaussprechlichen Kulten”では最後と言わんばかりの世界観に飲み込もうとするような流麗で恐ろしい展開を見せてきます。
アメリカはカンザス州トピカ出身のテクニカルデスメタルバンド、オリジン(Origin)が2008年にリリースした4thアルバムです。
初期から極端に技術を追い求めるバンドとして知られていて、本作ではその頂点にまで上り詰めた作品となりました。
特に本作ではこのジャンルにおいて最高のドラマーの一人であるJohn Longstreth(Dr)と本作から復帰して以降バンドの屋台骨を努めることになるMike Flores(Ba)がタッグを組んだリズム隊であり、これ以上ない最高のコンビで制作されました。
大名曲“The Aftermath”では矢継ぎ早にリズム隊が前へ前へと押し進めていったり、“Finite”ではベースがギターとユニゾンするどころか追い抜くほどにスピーディーに弾き飛ばしたり、指弾きでスウィープをかましたり、あげくの果てには未知の弾き方で弾きだしたりと、もう無茶苦茶です。(良い意味で)“The Beyond Within”では嵐のようなブラストを叩き込んだあげくそのままのさらに勢いづけて叩き込んでいく半ば耐久戦に持ち込んでいったりと、最早全曲無茶苦茶です。良い意味で。
コロンビアはリサラルダ県ペレイラ出身のテクニカルデスメタルバンド、インターナル・サファリング(Internal Suffering)が2006年にリリースした4thアルバムです。
過去作以上に極端な歪みを用いたギターや、叩き込みを限界にまで縮めて速度を極度に追い詰めたドラムが魅力的な作品です。
また、今作のギターは日本人であるMakoto Mizoguchi氏(漢字での名前が出てこなかったためローマ字変換)が務めていて、日本人という贔屓目をなくしてもかなりの技術力を持っています。
“Arrival of a New Aeon”では、ドラムの叩き切りが心地よかったり、スウィープを連発する強烈さを見せつけたり、“Ascension to Immortality”の全編を通してハイテンションに攻め込んできたりと、休む暇もない恐ろしい作品です。
6.Spawn of Possession/Noctambulant

スウェーデンはカルマル市カルマル出身のテクニカルデスメタルバンド、スパウン・オブ・ポゼッション(Spawn of Possession)が2006年にリリースした2ndアルバムです。
スウェーデン特有のしっとりとした雰囲気を凍てつかせるほどの冷たく狂気的な展開と表現を見せ、ブラックメタル要素を盛り込んだり淡々と機械的な処理をしていく感じも醸し出しています。
元Cannibal corpseのPat O’Brienがゲスト参加でギターソロを弾いている“Render My Prey”等圧巻な曲達が次々と流れ込んできますが、特に最後の“Scorched”は圧巻で、メランコリックで不安定な音色が奏でられた途端に一気に不意を突く攻め方を見せてきたと思ったら、マシンガンブラストを多用した淡々とした無機質なドラムと、ザクザク刻んできたギターが一転してネオクラシカル系のハーモニックマイナースケールを利用したソロを流し込んでくる器用さが垣間見え、聴き手を混乱の渦に叩き落とします。正直この1曲のために買ってもいいぐらい素晴らしい作品なのでぜひチェックしてみてください。
7.Braindrill/Apocalyptic Feasting

アメリカはカリフォルニア州サンタクルーズ出身のテクニカルデスメタルバンド、ブレイン・ドリル(Brain drill)が2008年にリリースした1stアルバムです。
前述のDylan Ruskin(Gt)に加えてVileのドラマーで現在はSix feet underのドラマーでもありながらこのジャンル最高の1人でもあるMarco Pitruzzella(Dr)が、そして同じく現在もSix feet underのベースを担当しているJeff Hughell(Ba)に楽曲一曲一曲に個性を与えている巧みなボーカリストSteve Rathjen(Vo)の4人で制作された作品で賛否両論はあるものの、個人的にはこのジャンルにおいて時代の1つの通過点とも言える作品だと思ってたりします。
先述した通り、Dylanによる狂気的なギタープレイに対してMarcoとJeffの最高峰とも言える緻密で無茶苦茶で一心同体のリズムワークが一進一退のまま物凄い勢いで攻防を続けていく、聴く側も命を刈り取られかねない作品となりました。
Steveのスクリームが殴りかかりながらもガンガンと攻めまくる“Consumed by the dead”といった半ば絶望感を感じるナンバーが続く中、本作を締める“Sadistic Abductive”では、人類を卒業してしまったかのようなプレイが限界まで詰め込まれたまさに「狂奏曲」にふさわしい名曲。
ズダダダダダダダダダダ!!とボムブラストやグラヴィティブラストを惜しみなくぶち込んでいくMarcoのドラムプレイ、指弾きの限界を卓越したJeffのベーステクニック、最早リフすら残像と化したDylanのギタープレイ、そして聴く人全てに地獄絵図を見せてくるSteveの絶叫混じりのスクリームとグラント。
これらが奇跡的に噛み合ったまさに
「ジャンル分け不要の大名盤」であると個人的に思いますね。
(ちょっと言い過ぎた・・・かな?)
次回:後期テクニカルデスメタルオススメ7選
お楽しみに!



