私には大っ嫌いな人がいる 続 | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「お茶とコーヒーどっちがいいですか?」

「えっと、、お茶で」

「はーい」

明らかに挙動不審

「そんなにキョロキョロされると
恥ずかしいんですけど」

「あっ、わりぃ
落ち着かんくて」

「ふふっ、なにそれ」

「…」

「?先輩」

「悪い…なんもない」

「先輩明日休みですよね」

「おぉ」

「じゃあ、遅くまで一緒にいれますね?」

「ブッ!!ゲホッゴホッ!」

「あぁもぉ汚いー」

「いやっ、お前が変な事言うからっ」

「だって一緒にいたかったんでしょ?」

「それは…そう、やけど」

先輩は顔真っ赤にして
目をそらす
なに、、ホンマに可愛すぎん?
思わず手を伸ばして頭を撫でると睨まれた
が、、その睨みもいつもと違って愛らしい

「バカにしてるやろ」

「いやぁ可愛いなーって思って」

「男やねんから可愛い言われても
嬉しくないねんけど?」

「だって事実ですよ」

「…それなら、、その
お前の方が…えっと」

「?」

「なんもない」

「お前じゃなくて名前ありますから」

「渡辺」

「じゃなくて、もぉムードないなぁ
下の名前」

「っ///そんなもん呼ぶか!」

「はーやくっ」

「呼ばん呼ばんっ」

「…」

「アホかお前は…何で下の名前なんか」

「呼んでくれたら…チューしてあげる」

「は、は、はぁっ!?」

「よーんで」

「ちゅーって、、おまえなっ
付き合ってもないましてや上司と部下で…」

「じゃあ付き合います?」

「はぁ!?第一お前俺の事嫌いやろ」

「それは何時間前までの話
今は嫌いじゃないですよ?」

「いや、だからって俺は」

「別に先輩が嫌ならいいんですよ?」

「嫌とかじゃなくて…その問題があるやろ
上司やし、てか付き合ってないし
そのそういうのはもっと若い時にやな」

「恋愛に年齢関係あります?」

「そんな壮大な問題ちゃうわ!」

「もぉヘタレ」

「っ…うるせぇ」

あーホンマに数時間前までの私
この人こんなに可愛いねんで
無駄に整った顔が恥ずかしさでちょっと
歪んじゃってるとことか
でもお茶を飲んでる姿はちょっとかっこよくて
魅力しかないで…
こんなにも人の感情って変わるんやなぁ…

「彩くん」

「お、おいっ先輩やで」

「だって今の先輩は先輩感ないもん」

「バカにして…」

「んーんいい意味やで?」

「なんやねんいい意味って
そんなんないやろ…」

「彩くん?」

「はいはいなんですか」

「なんもないっ」

じーっと見つめると分かりやすく
目を逸らす

「あっご飯作りますよ
お腹すいたでしょ?」

「いや、それはさすがに申し訳…」

「いいからっ」

「…体調大丈夫なんか?」

「彩くんのおかげ」

「っ…そうか」

ホンマに可愛いなーなんて
浮かれて用意してたから

「イタッ!…」

「大丈夫かっ!?手切ったんか?」

「ハハッちょっと調子乗っちゃった」

「アホっ…ったくホンマにお前はすぐに」

「ごめんなさい…」

「…はぁ
作ってくれたんやもんな
悪い俺も説教みたいなことを…」

「うん…」

「どうした?」

さっきまで可愛かったのに
急にカッコよくなるし、優しくなるし
その変動に自分の心が着いてこなくて
泣きそうになる
もぉ、情緒不安定やんか…嫌になる

「…渡辺?」

「なんにもないです」

料理を再開して
完成した食事を彩くんは
美味しそうに食べてくれた
あーよく考えたら先輩も付き合ってくれてるんよな
私がわがまま言うて
明日からはまた…元通りやんな

「美味かったありがと」

「いえ、全然」

「片付けは俺がするわ」

「そんなのいいですよ」

「お礼や…大したことちゃうけどな」

そう言って慣れた手つきでお皿を洗う
あー家事もできるんや
もぉ完璧やな

「先輩…はなにかして欲しいことありますか?」

「なんや急に飯作ってくれたやん」

「でもいつもそりゃ口は悪かったけど
助けてくれてたし
さっきもやしなんも返せてないなって…」

「急に落ち込むやんかハハッ」

「笑い事じゃないです
私やって、反省してるんです」

「反省?する必要ないやんか
俺が口下手なのが悪かったし
少なからず傷つけたところもあるやろし
それに体調悪いのに会社にこさせてしまったのも
俺の責任やねんから」

「そんな事ないです…」

「…してほしいことねぇ」

「…」

私なんかに出来ることないよな

「特にないよ」

ほら


「美優紀」

「…え?」

「…」

お皿を洗う先輩の後ろ姿
表情は分からないけど
耳は真っ赤

「今、名前…あっ」



【「呼んでくれたら…チューしてあげる」】



「っ…」

理解したときたまらなくなり
先輩のもとに駆け出した
先輩はちょうど皿洗いが終わって振り返ったところ

「うぉっ、ちょっ!突然抱きつく」

「してあげる」

「え…ンッ///」

「好き…」

「好き…って、、」

「ダメ…?」

「…」

「…」

「そんな、訳ないやろ…」

「じゃあ付き合って」

「えっ、、あぁはい」

「何よその返事」

「その、、なんか展開早すぎて
ついていけてない…」

「なんでよもぉ、、」

「だって渡辺が彼女って…そんなの」

「…」

「夢みたいだ…」

「え?」

「やばっ」

「やばってなに!え、なになに!」

「なんもないっ」

私を引き離して
リビングに座る彼
逃がす訳にはいかない

「ちょい!アホっ!どこ乗ってんねん」

胡座をかく彼の上に乗っかり
向かいあわせで抱きつく

「言って、夢みたいって?」

「…」

「むぅ…」

「ンッ…なんでキスっ」

「キスしたら言うこと聞くでしょ?」

「はぁ…もぉ
その、ずっと…好き、やったから
でも、、その後輩やし部下やし
そんなのおかしいやろ
それに好きとか抜いても…渡辺には
期待してたからさ
ちゃんと育てたくって言い方とかもきつくなった」

「小学生みたい」

「なんやとっ」

「好きな子に嫌がらせしちゃうみたいな?」

「そんなんと一緒にするな
俺は…ケジメをつけただけや」

「じゃあ今の状況にもケジメつけて」

「うっ、、」

「私の事彼女にして大事にして」

「…」

「ダメ?」

「渡辺…その、、俺と付き合って

ンッ…おいっ、まだ言ってる途中」

「可愛すぎるから我慢できひんっ
ふふー彩くんっ!」

「おぉぉ、苦しい苦しいっ///」

「苦しめ苦しめぇー」

どうやら私の大っ嫌いな人は
とても

大好きな人になったようだ