いつも聞こえる笑い声~お姉ちゃんだから!編~ | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「ゆーりおはよ」

「ママおはよ」

「悪いけど凜々花起こしてきてくれない?」

「はーい」


「りり朝」

「んぅー、ねんねー」

「朝!」

「むぅ…ゆーりけち」

「むぅ」

「ゆーりりぽんおはっ!
ありゃ不機嫌?」

「美瑠ちゃんりりねぼすけ」

「ハハッ美瑠とそっくりやなー
ありがとーゆーり
あとは美瑠がおるよ」

「ふむ」


朝の流れは大体こう
なかなか起きない凜々花を
ゆーりが起こすが結局美瑠に変わる
少し前は朱里が美瑠起こしてたなぁー

「朱里〜起きてるー?
あれ?朱里は?」

ガチャッ

「ママ〜ゴミ出しといた」

「え!?うそっごめんありがとう
ええねんで忙しいのに」

「重いの持ったらあかんやろー?」

「朱里ぃ…もぉ」

「パパがいつも言うてるしなぁ
朱里もゆーりたち生まれるときよりは
お姉ちゃんやからなぁ」

「ジーッ」

「あ、ゆーりおはよ」

「朱里ちゃんだっこ」

「あーちょっと待って手洗うから

よし、おいで
よいしょっと!ゆーりもそろそろ
抱っこ卒業しないとなー」

「そつぎょ?」

「そうお姉ちゃんになるから」

「お姉ちゃんっ」

「フフフッそうやで
産まれてくる赤ちゃんのお姉ちゃん
たくさん可愛がってあげへんとなぁ」

「ゆーり、朱里ちゃんになる?」

「んーまぁそういう事かな」

「…朱里ちゃん
ゆーり歩く!」

「フフフッおっけー」

お姉ちゃんスイッチが入ったゆーり
いつもより背筋を伸ばして歩いてる
あー可愛いわ…
リビングを見ると凜々花もピシッとして食べてる
きっと美瑠も同じこと言うたんやろなー

「可愛いわーうちの双子たち」

「やんなぁー
美瑠も2人生まれる時めっちゃ
張り切ったもん」

「あー確かにそうやったな懐かしい」


それから少しずつお姉ちゃんとして
しっかりしようと努力する双子
凜々花は頑張って朝起きるように
ゆーりは苦手なお風呂をすぐに入るように
少しずつ少しずつ頑張るふたり
その光景を微笑ましく思っていた

「ゆーり寝る時の絵本どれがいい?」

「いい、自分で読む」

「読むってまだ読まれへんやろ」

「お姉ちゃんやから!!」

「ハハッ分かった分かった」


「すごい気合いの入りようやな」

「やろー?保育園でもそうみたい
ゆーりは凜々花より気合入ってるからな」

「無理せんかったらええけど」

「ゆーりは無理するからなぁ」


そう、そんな話をしていた
分かっていたはずやった


「お姉ちゃんたちー
今日も歩いて帰れるかなー?」

「はーい!」

「いいお返事
あれ?ゆーりは?」

「…」

「ゆーり?」

「…っ、あーいっ!」

「いい子ー」

可愛い双子は仲良く歩く
微笑ましいなぁ
少し前まですぐベビーカーに乗せてやったけど
お姉ちゃんになるからって
こーやって成長していくんやなー


「ママ、、」

「ゆーり?」

ゆーりが立ち止まり不思議に見つめると
涙を貯める

「どしたん!」

「体、へん」

「え?」

「あちゅっ!」

「え?」

凜々花の言う通り頭を触ると
かなり熱い
熱出てる

「ゆーり、ちょっと…えっと」

「ママ病院!いこ!りりがつれていくよ!」

「ちょっと凜々花走らない!
そうやな病院
とりあえず抱っこするから早くいくよ」

「ごめんなさい」

「謝らへん!約束やろ??」



ゆーりを病院に連れていくと
扁桃炎だった
声も出にくそうやしパンパンに腫れてるらしい

「ゆーりごめんね
また無理させて」

「ママ、あやまらないやくそく、ね?」

「…うん」



「ゆーりどう?」

「もう寝た
朱里が買ってきてくれたアイスは食べたけど
ご飯は痛くてダメやって
あんまり食べられなかったら
入院した方がええってさ」

「そっか」

「ホンマに…」

「彩ちゃん」

優紀は私を抱きしめた
安心して涙があふれる

「また悪い癖
私のせいっていいたいの?」

「この子が産まれたら
ゆーり大丈夫かな
また無理させるんじゃないかな
私、最低や」

「そんなことない
ゆーりはお姉ちゃんになれるって
いいことやと思うよ
それにゆーりはどんどん強くなる
今は体が弱いかもしれないけど
きっと誰よりも優しくて真っ直ぐな子になるよ
だから、そんなに追い詰めないで」

「もぉ、、、泣いてばっかやな私
昔の方が強かったわ」

「そーかもね
高校の時の彩ちゃんはもう少し
トゲトゲしかったかも
でも、、、それは守るものが増えたから」

「守るものが増えたから?」

「だから臆病になる
僕だってたまに夜中に目が覚めて
今の幸せが全部夢だったらって
不安になるねん
ま、そんなとき彩ちゃんの寝顔みて
ぎゅーーーってしたら安心するんやけど」

「なによそれ」

「フフッ、照れた顔も可愛いね」



「んぅぅ…ママァァっ!」

「あ、ゆーりが」

「彩ちゃんは休んで?僕が行くから」

優紀に頭を撫でられソファーに座る
思ったより直ぐに帰ってきた優紀

「え?ゆーりは」

「大丈夫…ほら」

スマホの画面を見せられ見ると
ゆーりにスポドリを渡す凜々花の姿

「どちらかが無理しても支え合える
この2人だけじゃなくて
この家族みんなそう
大丈夫だよ彩ちゃん」

「…」

「君も優しいお姉ちゃんたちが待ってるからね」

優紀はそういって優しい声でお腹に話す
あぁ、、、私やっぱり

「優紀」

「ん?なー…ンッ」




幸せだ