実は彼女ができまして | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
渡辺さんと付き合ってから
1か月過ぎた
周りには付き合ってることは
内緒にしてる
その方がきっと上手くいくから
クラスでは全く話さない

(みるきー可愛いなぁ)
(デートしよーや)

「えー」

こういうのも慣れた
渡辺さんはモテるから
可愛いし優しいし
自慢の…彼女や
だからこの黒い感情はおかしい
自分って狭いなぁ


「ごめんっお待たせ」

「ええよ」

帰りは一緒に帰る
学校から少し離れたところで
待ち合わせする
別に寄り道もしやんし
送るだけ

「じゃあまた明日」

「彩」

「ん?」

「あの、さ
付き合ってること皆に言わへん?」

「え…なんで」

「だって…」

渡辺さんは言いにくそうにする
無理やり聞くのはやめとこかな

「言いにくいなら言わんくても」

「だって逆の立場なら
嫌やから」

「ん?」

「ほら私、男友達多いから
私はもちろん気持ちないけど
触られたりとかされるから
彩の方見たら
なんか悲しそうで
もし私が彩で
彩めっちゃ触られたりしてたら
嫌やから…」

「渡辺さん…」

「アカン?」

「…いいよ
俺のこと考えてくれてるんやし
渡辺さんがいいなら
俺はいいよ」

「ありがと彩
なぁ部屋こーへん?
誰もおらへんから寂しい」

「いいよ」

部屋に通され
渡辺さんは飲み物取りに行った
何回か来た部屋
だいたいどこに何があるか
覚えてる
でも、キスはあれからしてないし
もちろんそれ以上のことも
渡辺さんはチャンスをくれるけど
俺は生かせないまま
傷つけてるのはわかってる
未だに渡辺さん呼びなのも
だから今日こそは

「彩ぁはい」

「ありがと、み」

「み?」

「み、み、

水でよかったのに」

「え、ジュース嫌?」

「そんなんちゃうよ
ハハッ」

「何か彩変やね」

「別にそんなんちゃうよ」

「そう?」

ヘタレた俺
マジでありえへん
自然な流れで言うたらええやん
なんでできひんねん…

トンッ

肩に重みを感じると
渡辺さんが頭をあずけてた

「渡辺さん…?」

「彩はさ、ホンマに
私のこと好き?」

「え…」

「まだ疑ってる?
私が騙してるんやないかって」

「そんなこと…」

「もし騙してるなら…
泣いたりせーへんからね」

「あ…」

涙を目に溜めてこっち見る

「クラスでは話さへんし
帰るのだって寄り道しやん
デートもしてないし
私のこと名前で呼んでくれへん
キスやって…してない
私やって不安になる」

「…ごめん」

「私だけちゃうやんな
彩やって…」

「考えてる
いつも渡辺…美優紀のこと
触れたいって思ってる
ヘタレてごめん…
傷つけてるの分かってる
ごめんな美優紀」

「やっと呼んでくれた」

「おぅ…」

「彩…大好き」

「美優紀」

「なぁ彩ちゅ」

「美優紀、キスしていい?」

「…ちゅー」

「タコみたいやな」

唇をつまんで
自分のと合わさると
久しぶりの感触

「美優紀…していい?」

「…ええよ」