フィリピンはピープルパワーを脱却せよ | 三河人大学生の一言

フィリピンはピープルパワーを脱却せよ

 フィリピンで反アロヨの大規模なデモが起こった。フィリピンでは過去に二回この種の反政権デモが無血クーデターにつながる、いわゆるピープルパワー革命が起こっている。ただ今回は過去二回のように政権転覆につながるような事態にはならなかった。


 この背景として、反アロヨの指導者達のなかからは、成熟した民主主義国家を目指すフィリピンにとってこのような超法規的な方法はふさわしくなく、法的に正当な手続きで政権交代が行われるべきであるという、ピープルパワー慎重論が出ていたことがある。


 首の皮一枚でつながつたアロヨ氏だが、これを幸いにとばかりに反政権派の弾圧を強化するようでは本末転倒だ。ラモス元大統領が主張するように議院内閣制を導入するなど、法的な手続きをとおしアロヨ派と反アロヨ派が民主主義的な形で戦えるようにすべきである。フィリピンが成熟した民主主義国家になれるかどうかはアロヨ氏の手にかかっている。