12月物件さがしがはじまったころから

まいにち目から水が垂れるようになってたけど

2月あたま物件がきまってからは

まいにち目が大雨注意報になってた

3月あたまにかれはひっこす予定だったので

そこからは目が滝

とうとう鼻血まででだすしまつ






あんまりわたしの様子がおかしいからか

3月にはいってからのかれはとくに

わたしをいたわってくれ

まいにちハグ&愛してるの愛情表現

まるで

反抗期前にもどったみたいで

でもわたしのこころはよけい張り裂けそうになる






たびだつ前日

小学生ぶりにいっしょに寝てくれるという

わたしたちはずっと3人で寝てたけど

小6からすこしずつじぶんの部屋で寝るようになり

とうとう週末だけになり

さみしがるわたしに「週末は3人で寝るから」と

いったのをさいごにかれは2度とこなくなった

その日いらい6年ぶりに

やくそくを果たしてくれた






ちいさい頃のようにわたしの腕枕に頭を乗せ

わたしに巻きつく

1時間に1度くらいのペースで寝ぼけながら

「ママ愛してるよ」という

わかれまぎわに

ちいさかったあなたに戻ってくれた






ある日とつぜんきた嵐のような反抗期に

何百回もぜつぼうした

あのかわいかった子はどこへきえたの?

かみさま

1日ううん1時間でもいい

ママ命だったちょうなんをかえしてください

何百回いのったっけ

いまかなえてもらえた

かみさま

ありがとう






なんどもなんども寝顔をだきしめながら

もうあしたなんてこなければいいのに



とおもった






しかし夜はあける






早寝したかれは夜明けころそっと起き出し

わたしが起きてることに気づかず

「またねきーちゃん」と

いまではわたしの相棒になった

レオパードゲッコーに声をかけた

きのうもねだられてつくったパフェ

めずらしくぜんぶ食べれず冷蔵庫にいれてたのを

そっととりだし階下へおりていく小さな足音






かぞくの中では1番おおきなその足音を

これまで何百回注意してきたけれど



いまでは一生きいていたい






またひとしずく涙をこぼしたら

わたしもめずらしく早起きする






旅立ちの朝だ